思わぬご馳走が見つかるかもしれませんよ。

アケビ

 

年配の方ですと、子どもの頃近くの里山で、春は山菜、秋はキノコや木の実を採集した方もいらっしゃることと思います。その中には、春も秋も楽しめる植物があります。春は新芽、秋には長野県内の天然の果物の中では特に甘く大きく育つアレです。

9月下旬から10月上旬頃に長野県北部では、天然のアケビが収穫時期を迎えます。未熟なものは、他の果物と同様に緑色をしており、見過ごしてしまいがちですが、収穫の直前になると一気に色付きはじめます。アケビと一口に言っても、皮の厚いもの、長細いもの、色の良いもの、可食部の白いもの・透明なもの等、何系統かあるのですが、特に風通しの良い樹に這い上がったアケビの色は、鮮やかな紫色になり、目を見張ります。
※アケビはツル性で、他の樹木に巻きつき、這い上がって成長します。

アケビは食べごろになると、縦に走る合着線から裂け、中にはバナナの可食部のような形をした果肉が入っています。甘い果肉の中には、4mm程の種が無数に入っており、実際の可食部は半分以下、食べるのにはちょっとしたコツが必要です。口に含み、種の間の果肉(果汁)のみを吸い出すように食べます。口の中に残った種は、里山で食べる場合はそのまま口から噴出します。上品に食べる場合は、残った皮を皿に見立てて種を出します。
道路沿いや集落近くの里山に多いのもこうした食べ方によるものと推測しております。もちろん、鳥類を含めた動物の好物でもあるので、動物が種を運ぶ場合もあります。

アケビ

 

キノコ狩りシーズン真っ只中ですが、長野県の里山を散策する際は、下ばかり見ないで樹の上にも目を向けてみてはいかがでしょうか? 思わぬご馳走が見つかるかもしれませんよ。
ただし、樹の高い場所に生っているものは収穫に危険を伴うこともあるので、無理をせず、動物たちのために残しておいてあげてくださいね。(ヤマグチ)

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ヤマグチ

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