いよいよ7月の最終週となりました。このところ夕立というよりもゲリラ豪雨が中国地方を中心に降り、春先の凍霜害から始まって災害の多い年となってしまっています。長野県内の小中学校でも、都市部より遅い夏休みに入りました。日中の暑さも本格的となり、熱中症などのニュースも良く耳にするようになりました。
さて、シリーズでお伝えしているバケツ稲は、暑い夏に負けずに育っているでしょうか。わが子のようにも思えてきた稲の成長をお伝えします。
田植えをした頃から比較すると、茎数も背丈もかなり大きくなりました。
分げつが進み、だいぶ大きくなってきましたので、「中ぼしの作業」を行いました。
中ぼしに耐える稲
「中ぼしの作業」とは、茎数が20本、草丈が40センチ以上に育ったら、2日から5日程度水を抜く作業のことです。土の表面がしっかり乾いたら、再度深さ5センチほどになるまで水をあげます。
雨が入らずに風通しのよい場所に移す必要があります。乾きにくい場合は、空気が入りやすいように竹串などで穴をあけてあげるとよいそうです。
この「中ぼし」は、ただわが子(稲)をいじめているのではありません。土の中のガスを抜いて、空気中の酸素を十分に土の中に取り入れるために行うのです。根の活力が高まって、根が地下に水を求めて伸びることで、倒れにくい丈夫な稲になるための大事な作業です。
わが子を崖から突き落とすトラの話を思い出してしまいますが、これも丈夫に育つための試練の一つ。おいしいお米を作るための大切な作業です。
選抜されなかった稲との比較(意外と 育っている)
ところで「米」という字ですが、由来をご存知でしょうか。漢字ですので、もちろん中国から伝わった文化ですが、もともとは横棒に上下3粒ずつの合計6粒の実が付いている姿を現していて、真ん中の上下の粒がつながって、現在の文字になったそうです。
米という字を分解すると、「八十八」となり、昔はお米が実るまでには八十八回も手をかける必要があるから、といった説明も後に付け加えられたようです。
機械化が進んで作業の手間も減っているとはいえ、おいしいお米を作るためには、種もみの準備からもみすりまでたくさんの作業手順と労力が必要です。親に「ご飯粒をきれいに食べなさい」と注意された方も多いと思いますが、日本では本当にお米一粒一粒に対する思いが伝えられてきました。
すっかり大きくなった稲
これからは、いよいよ穂が出てきて見た目もお米らしくなってきます。暑い夏、人間でも体調管理をしっかりしなければ乗り切れませんが、無事にお米が育ってくれることを願い、わが子に愛情(水)をしっかりとあげます。
◇参考リンク
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バケツ稲づくりマニュアル