地元産にこだわり、地域の食文化を支えるお豆腐屋さん

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暑さに負けず、涼を呼び込みたい7月の終わり。晩酌のお供は、ほどよく冷やされた豆腐に、庭先で摘んだ青じそやミョウガの刻んだものを添えた、愛すべき冷や奴。
「しかし、そろそろ他の食べ方も試したいものだな」と思っている食いしん坊さん! 今回は、その豆腐の話題です。
「地域に豊かさをもたらし、くらしを支える"農"」に惚れ込み、その想いを守り続けているお豆腐屋さんが松本にあると聞き、お邪魔してきました。その信州豆腐の名前は "五代目七五郎"。名前を聞いただけでもおいしそうではありませんか!

長野県産の大豆「ナカセンナリ」に込めた想い

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田内屋外観

やってきたのは長野県松本市。田内屋は、松本駅から車で30分ほど南下したところにあります。大正元年から100年以上続く老舗で、現在は従業員34名で日々おいしい豆腐の製造に心がけています。
田内屋の特徴は、輸入大豆を使用した豆腐は業務や小売店用に卸し、長野県産の大豆「ナカセンナリ」を使用した豆腐は、学校での給食や直売所に提供していること。県産大豆を使用した豆腐は、創業者七五郎の名を冠し、「五代目七五郎」というブランドで展開しています。国内産ではなく県内産にこだわるのは、地元で大豆を栽培している農家の方への尊敬と、生産者と共に信州大豆の振興に取り組んでいきたいという想いがあるからです。しかし、「ナカセンナリ」の生産量は決して多いわけではなく、長野県産大豆のみでの製造・販売は、困難を極めるのが現実です。

田内屋のもうひとつの特徴は、揚げ物や加工品、豆乳プリンやドーナツなど、オリジナル商品を多く開発していること。Webサイトではお手軽豆腐レシピを多数公開するなど、豆腐や大豆の魅力を幅広く発信しています。

365日、休まず豆腐を作ります

豆腐作りは朝6時から始まります。厚揚げの場合は、なんと5時から作業を開始します。なぜ豆腐屋さんはこんなに早起きなのかというと、昔は冷蔵施設がなかったため、日持ちできないお豆腐は朝早くに製造し、その日のうちに販売するのが普通だったからとのこと。

工房で豆腐作りの様子を見せていただきました。

(1) 約15時間水に浸けた大豆をつぶす

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水に浸かっている大豆

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豆乳を絞ったあとのおから

(2) 大豆をつぶし、豆乳をしぼり出す

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しぼり出した豆乳

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浮かんでいる膜(湯葉)を取るときれいな乳白色!

(3) 豆乳に「にがり」を加えて固める
 豆腐の固さは、「豆乳の濃度」「にがり」「温度(75℃)」、この3つの擦り合わせで決まります。

(4) 固まった豆腐を機械で均一にカット

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(5) パックに入れ、冷却して出来上がり。
 1時間で約1,500丁もできるそうです!

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「国産でなく地元産にこだわる」
信州産大豆製品に原点回帰の思いを込めて

地元でとれた大豆と、北アルプスの伏流水を使って豆腐を製造する田内屋は、2007年に「枝豆とうふ」、2011年・2012年には「長野県産大豆使用きぬ」で長野県知事賞を受賞しています。

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左:えだまめ豆腐、右:きぬ豆腐、奥:田内屋おすすめの「ながいも豆腐」

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田内屋 井上雄太社長

今回、取材協力してくれた田内屋代表取締役の井上雄太さんは、「地元で大豆を生産してくださる農家さんがいるからこそ、私たちがあります。長野県産大豆『ナカセンナリ』は他の大豆に比べ、糖分が高い特徴があります。ぜひ食べてみてください」と話してくれました。

お、ビールにはこれが一番!
井上社長おすすめの油揚げレシピ

一方、油揚げはというと......。

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100℃の油に豆腐を入れ、油の温度を180℃までゆっくりと上げて出来上がります。

最後に、井上社長おすすめの油揚げを使ったレシピをご紹介します。

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(1) 両面がカリカリになるまで油揚げを焼く
(2) 焼いた油揚げに味噌を塗り、オーブンで少し焼けば出来上がり!


写真は田内屋特製「油揚げのタレ」を塗り、ネギをトッピングしています。味噌は辛めのものがおすすめですよ。

よーく冷えたグラスとビール、そして、おいしい豆腐と油揚げがあれば、あとはなにもいりませんね。

田内屋の豆腐は通信販売や田内屋店頭のほか、JA塩尻市の直売所「新鮮市場ききょう」でも販売されています。

株式会社田内屋

  • 長野県松本市笹賀7155-1
  • TEL 0263-57-5000/0120-50-1028

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