今回は、安曇野ICから車で3分のところにある「安曇野スイス村」の前で、毎週土曜日に開かれている「ふれあい市 安曇野五づくり畑」にお邪魔しました。14年間続いている年末年始の振る舞い餅をご紹介します。なんでも、つき立て3色餅と雑煮用半月餅がとってもおいしいらしいんですよ!
農家さんのあったかさと
ここにしかないおいしさに出会う
五づくり畑から望む麦畑と北アルプス
「ふれあい市 安曇野五づくり畑」は、毎週土曜日(8時〜10時)の2時間だけ開かれています。平成14(2002)年6月8日にスタートしてから一度も休まず、14年目の今年も1月9日に「初めの市」を行いました。
会員が持ち寄る農産物や手づくり手芸品などを中心に販売しているほか、会員手づくりの漬けものや料理などをお茶うけに、100円を支払えば誰でもお茶が飲める場所が用意されています。
毎週土曜日の朝、仲間と一緒にお茶を飲むために足を運ぶ会員も多く、冬の寒い時期でも、会員が天塩にかけて作った野菜や手芸品などがにぎやかに並べられます。
メンバー自慢のお茶うけの数々
餅つき名人の小口夫妻登場!
臼と杵でついた、つき立ての「お餅」が自慢です
仲間が集い、おしゃべりを楽しむ「ふれあい市 安曇野五づくり畑」の恒例行事が、年の瀬に行われる「〆の市」と正月の「初めの市」です。両市に振る舞われるものが臼と杵でついた「お餅」。昨年12月27日の「〆の市」では、「五づくり畑」の会員の小口輔貴子さん(73)と夫の國雄さん(80)による14回目の餅つきが行われました。 「〆の市」でついたお餅は、もち米(品種:みすずもち)9升分。蒸篭(せいろ)に前日から用意したもち米(三升)を入れ、湯気が上がってから30分程蒸します。立ち上る湯気からは、お米の美味しい香りが漂います。
ケヤキの臼と杵は、地元の小林木工所の製作。「杵は太ければ太いほど餅を打つ回数が少なくてすむ」と、国雄さんは教えてくれました。
湯気が上がって30分蒸す
小口夫妻の息ぴったりの餅つき
メンバーみんなで3色餅をつくります
まとめたもち米を杵でつく
徐々に餅に変化
蒸し上がったお米を臼の中に入れ、國雄さんが杵で軽くつぶし(半殺し)ながらまとめます。「米を手早く半殺しにするのがポイント。これを行わず餅つきをはじめると米が臼から飛び散り大変」と輔貴子さん。小口夫妻の絶妙なコンビネーションで、1回5分ほどでつき上がりました。
餅つきは3回行われ、3色餅(あんこ、ごま、きなこ)と半月餅、鏡餅が作られました。
つき上がった餅
一口大にちぎり、丸め、3色餅に
3色餅づくりは、餅をちぎって丸める人、あんこをつける人、ごまをつける人、きな粉をつける人、パックを用意する人など、会員のみなさんが手際良く作業を進め、あっという間にできあがりました。できたてのお餅は会員や訪れた人に振る舞われた他、パック詰めにして店頭でも販売したところ、即完売するほどの人気でした。
つき立て餅は、柔らかく、腰があり、美味しく、すぐにお腹の中へ入ってしまいました。
つきたて3色餅を販売
半月餅づくりは神谷さんにおまかせ!
五づくり畑では、「初めの市」に毎年お雑煮を振る舞います。お雑煮にも「〆の市」でついた餅を使います。3、4年前までは「のし餅」にしていたのですが、近年は会員の神谷禎子さん(79)がつくっていた「半月餅」をつくるようになりました。
つくり方は、雨どいのトヨを適当な長さに切り、そこにラップを敷いて餅を流し込むだけ。餅がはみ出さないように、トヨの両端を押さえて形を整えます。最近は、ホームセンターなどで、半月餅用の「トヨ型」が販売されていますので、それを利用しています。
半月餅づくり
専用道具で切る神谷さん
用意した「トヨ型」につき立て餅を流し込み、形を整え冷めるのを待ちます。10時間程置くと包丁で切れる硬さになります。
「餅が柔らかいうちに切り、すぐに冷凍すると、解凍したときに、つき立てのように柔らかい餅が食べられます」と神谷さん。その日の内に神谷さんが餅切り器で食べやすい幅に切り分けてできあがった「半月餅」は、冷凍庫で保存。「初めの市」で、お雑煮として振る舞われました。
神谷さんが、トヨ型を使い「半月餅」を作るようになったのは、「のし餅は、のし板がなければ作れませんが、トヨ型さえあれば一人でも簡単に作れるから」と教えてくれました。また、餅切り器を購入しようと思ったきっかけは、「硬くなった餅を細かく切れない」という近所のお年寄りの声を聞き、その要望に応えようと購入。「年末は餅切りを頼まれ大忙し」。さらに、「包丁では切り難い柔らかい餅や、力が必要な硬い餅でも簡単に切れるので便利」と、笑顔で話してくれました。
切り分けられた半月餅
今年もおいしい笑顔がいっぱい咲きますね♪
「初めの市」で振る舞われたお雑煮は、焼いた半月餅と会員が作った大根、にんじん、小松菜、なるとが入ったしょうゆ仕立てのシンプルなもの。
会員のみなさんは、「お餅がつき立てのように柔らかく美味しい」「大根やにんじんなどの野菜の甘みが生かされている」「あっさりした味付けで箸がすすむ」など、お雑煮を食べながら平成28年のスタートを祝っていました。
笑顔でお雑煮を頬張る「五づくり畑」メンバー
「ふれあい市 安曇野五づくり畑」は、毎週土曜日、8時から10時までの2時間だけ開かれている市ですが、安曇野の美味しい農産物や元気なおばあちゃんたちの自慢料理、そしておしゃべりを楽しめる場です。土曜日の朝、安曇野を訪れることがありましたら、寄ってみてはいかがでしょうか。楽しい出会いがあるかも!