農とデザインを結ぶ「田んぼギャラリー」

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田園地帯が広がる信州安曇野の、ちょうど田植えも終わるか終らないかという6月はじめの土日のことです。国道から道を逸れてみようと脇の農道へ入ってみると、田植えを終えたばかりの田んぼの中に、イーゼルが並んでいるのが見えました。
何だろう?(o゜ー゜o)?? と思って近づいてみれば、そこは田んぼにポスターがずらりと並ぶギャラリーだったのです。


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ざっとポスターを見てみると、おにぎりをデザインしたものや、田園風景の写真、ごはんをおいしそうに食べるイラスト、農業へのメッセージなどが並んでいます。そう、ポスターのテーマは「ごはん」。37枚のポスターを、デザイナーやフォトグラファー、美術専門学校の生徒などが作りました。

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農業を通して大切なものを伝える
今年で3回目を迎える田んぼギャラリーを主催しているのは、長野市のトドロキデザイン。農家出身だという代表の轟久志さん(39)は、「子供のころは農業が好きじゃなかったけど、大人になるにつれて大切さが分かってきたんです。それとともに消費者に農家の想いが伝わっていない、と感じるようになって、デザイン会社としてその想いを伝えられることができれば、と思っていました」と話します。

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人気投票で1位を獲得したポスター

トドロキデザインでは、小川村に畑を持っており、社員で野菜などを育てています。デザインの仕事も農産物や地域の関連が多いのだとか(会社サイト内の作品集を見てみてください)。そのため、こだわりを持った生産者さんと関わる機会がたくさんあり、生産者や農業への想いが強いんですね。

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デザイン+農業=「田んぼギャラリー」
さらに轟さんは、「ポスターの展示は美術館やギャラリーで行われるだけじゃなく、もっとデザインをオープンにしたい」という想いも強く持っていました。田んぼにイーゼルを並べてギャラリーにする、というアイディアは、デザインへの想いと農業への想いが重なった結果、生み出されたものでした。

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地元の人たちにも人気

そんな轟さんの想いに共感したのが、ギャラリーとなる田んぼを提供した浅川拓郎さん(31)。子供のころから農家になるのが夢だったという、農業と安曇野を愛する若き生産者です。浅川さんの作ったお米のパッケージを轟さんがデザインしたのがきっかけで交流が続き、2011年に最初の田んぼギャラリーが行われました。突如現れたポスター群は、一見異様だけれども農村風景とよく合っているので、車を停めて鑑賞するドライバーや、近所から噂を聞きつけて見に来る人が続出したそうです。以降3年続けて行われ、今や浅川さんの田んぼの春の風物詩となりつつあります。「田んぼギャラリーのような面白くてメッセージ性のある企画をやって、いろんな人に食や農業、お米に興味を持ってもらいたいです」と浅川さんは熱く話してくれました。

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左から、デザイナーの轟さん、
安曇野市のお米を応援するゆるキャラ「らいすん」、
生産者の浅川さん

田んぼをきっかけにさまざまなアイディアが......
当日は、安曇野市のお米を応援するゆるキャラ「らいすん」も登場。安曇野市の若い生産者グループ「安曇野.come」のメンバーが生産した長野県開発の新品種「風さやか」のおにぎりも配られ、両方大人気でした。

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左上:浅川さんはアイガモ農法にも取り組む
左下:新品種「風さやか」のおにぎり
右:浅川さんのお米

さらに今回は初めて、地元の保育園児が描いた絵51枚も田んぼの中に並んでいました。こちらは、お弁当の絵が描かれています(^_^)

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田んぼギャラリーは話題となり、昨年から安曇野だけでなく県北部の木島平村でも行われています。「農業や地域を元気にできるイベントを考えていきたい」と話す轟さん。「稲刈り後、はざかけ(天日干し)した田んぼにポスターを飾ったら素敵だろう」「もっと広い範囲にポスターを展示して、田園を散策しながら楽しめるようにできたらいいんじゃないか」などと、浅川さんと楽しそうに次のアイディアを練っていました。聞いてみると、どうも秋の田んぼギャラリーが現実味を帯びてきたようです♪『おいしい食べ方』に書いてしまえば、やるしかありませんね!?(・∀・)

20130619tambo10.jpg秋、稲刈りが終わった頃に、浅川さんの田んぼにまたイーゼルが並ぶことを期待しています!

※田んぼギャラリーは2日間限定のイベントで、既に終了しています。来春(もしくは秋!)の情報は「新信州暦」でお知らせいたします。

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