信州を丸ごと味わえるこだわりの醤油づくり

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納豆に生卵、豆腐におひたし、刺身など、日本食の定番のおかずに欠くことの出来ない調味料といえば醤油ですよね。ほぼ毎日当たり前のように料理と共に食卓にのぼります。

素材の美味しさを十分引き立てながら、より一層料理を美味しくしてくれる醤油。何かちょっと物足りなく感じるおかずの味にもほんの数滴入れるだけで、なんとも心強く、そして心安らぐ味わいで毎日の食卓に欠かせないもの。そんな醤油づくりを特別に見せてもらうため、県南部は茅野市へと向かいました。


「命にやさしい食品づくり」を合言葉に

八ヶ岳や蓼科山など雄大な山の峰々を臨めるその裾野には広がる豊かな自然。そこでの清涼な気候を利用してつくられるのが、パセリやセロリといった高原野菜です。さらには冬場の寒さと乾燥した気候を利用して作られる角寒天も有名な土地ですが、この地で昭和23年の創業より約60年以上にわたり醤油製造を続けるのがJA信州諏訪 食品加工課(旧名称:JA諏訪農工連)です。
「命にやさしい食品づくり」を合言葉に、体に優しく安心して口にできる原料と製法で作られた『信州産丸大豆醤油』は、県内はもちろんのこと東京都内の学校給食にも使われています。
その原料となる大豆と小麦は100%信州産。さらに、塩はミネラル豊富な国産の天然塩を使用、また地下50メートルから汲み上げた諏訪の良質な湧水を利用するなど、素材を厳選し昔ながらの製法で職人自らが手をかけ時間を費やして作るこだわりの醤油づくりが行われていました。


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じっくり時間をかけての諸味(もろみ)づくり

醤油づくりで大切な工程を表現した「一に麹(こうじ)、二に櫂(かい)、三に火入れ」。
まず醤油づくりは、蒸した大豆と煎って粉砕した小麦に種麹を混ぜ合わせ、醤油麹をつくります。そこに塩水を合わせて仕込み、タンクの中でおよそ7ヶ月、じっくり時間をかけての諸味(もろみ)づくりは、時間を美味しさに変えながら醤油へと熟成されていきます。
それにしても温度管理がなされた暖かな蔵(発酵室)の中に置かれたタンク、圧倒されるその大きさは35石(こく、6300リットル)という巨大なもの。そしてここでの熟成に欠かせないのが、熟成具合を見ながら日々職人の手によって行われる"櫂を入れる"という作業です。長い棒を操りながら昔ながらのスタイルを守った攪拌作業。そうすることで諸味の発酵を促しながら微生物が働き易い環境をつくっているのだそうです。


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微生物の力を借りる古の技

醤油づくりに大切な存在なのが、目に見えないほどのごく小さな微生物。その微生物の働きによって醤油特有の旨味や色、成分などが次々と生み出されていきますが、麹から出る酵素によって、大豆のタンパク質からはアミノ酸、小麦のデンプンからはブドウ糖が生成されます。
さらにブドウ糖を利用して、酵母菌によるアルコール発酵と乳酸菌による乳酸発酵を促し、これによりアミノ酸からは「旨味」、ブドウ糖は「甘味」、そして酵母菌は「芳香」、乳酸菌は「酸味」と、おいしさの成分が誕生し、これらがバランスよく作用しあい奥深く味わいのある醤油は生みだされます。


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醤油を美味しくする目に見えない働き手
さらにこの醤油を美味しくする目に見えない働き手 = この蔵の主が、壁を覆い薄暗くしていたカビのような、こげ茶色のコロニー(集落)です。実はこれが蔵に住みつく酵母菌。この酵母菌が発酵中にタンクの中に降りてきて蔵独特の味わいを醸し出し、さらには周りの雑菌を抑えてくれる働きもあるとのこと。
一見近寄り難い雰囲気の蔵の内部は、しかし例えば蔵を移転するといった場合には、この酵母菌が付着している壁ごとを削り取り移転先に持っていくというほど、新天地に行っても味が変わらないようにと(酒造りと同様ですが)、味を左右する重要な役目を担っているものでした。

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伝統を生かしながら作られる醤油の美味しさ
そうして熟成した諸味は、搾り布に分けて畳んで積み上げられます。その数およそ150枚。始めは自然の重みで、それ以降は機械による圧力によってゆっくりと布の隙間から醤油となる液体が少しづつ搾り出されていきますが、これが生揚(きあげ、=生醤油(きじょうゆ))とよばれるもの。 最後に行う火入れによって、生揚の酵母菌の働きを止め、また香りや味を調えて、最後にろ過して醤油の完成です。

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じっくりそのひと滴を味わえば、塩味はもちろんのこと、ほんのり余韻を残すほのかな甘さ、そしてまろやかで風味高く、なんとも奥深さを感じさせる醤油の味わい。伝統を生かしながら作られる看板商品の『信州産丸大豆醤油』はかけ醤油やつけ醤油として、豆腐やおひたしなどにお使いいただければ、醤油の美味しさも含めて味わえるでしょう。


調味料4本詰め合わせで販売中
さらに消費者ニーズにも応えるべく数々の商品づくりも先行して行われ、なかでも野菜を切って漬け込むだけの「早漬一番味」は昭和56年に全国に先駆けて開発。口コミで広がり、全国から数多くの注文が入る一品です。また、かつお厚削り節、にぼし、さば、こんぶ、しいたけの5つの天然素材をたっぷりと使用しただし入り万能調味料・だしの素「だいご味」や、いろいろな漬け物、料理に使える調味酢「野沢菜甘酢」など、その種類も豊富です。
今回これらの醤油を始めとする調味料を4本詰め合わせにしたものが、当「長野県のおいしい食べ方」ブログマガジン「300号チャリティーキャンペーン」にて販売中ですので、どうぞお試しください。

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ちなみに醤油の保存は、開栓後は冷蔵庫での保管がお薦めだそうで、空気に触れることや光りの影響で酸化が進み、時間の経過と共の色が少しずつ濃くなり、また香りや味が劣化してくるため、出来れば1ヵ月以内に使い切るのがいいようです。 JA信州諏訪食品加工課がつくる調味料のお求めは、直接、食品加工課へ電話またはFAXいただくか、または長野県内のA・コープ全店で購入出来ます。


◇JA信州諏訪食品加工課
〒391−0001
住所:長野県茅野市ちの145
電話:0266−52−3553 FAX:0266−52−8006

長野県内のA・コープ店舗

1321369200000

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