今年も案山子たちに会うことができて嬉しい

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収穫されるのを待つばかりの黄金色の稲穂。その実を食べにやってくる鳥たちからお米を守るため、昔から人間は様々な工夫を重ねてきました。その代表が案山子(かかし)です。そういえば、最近はあまり案山子を見ません。そのかわりにネットを張ったり、光るテープで脅かしたりと、案山子の役目は失われつつあるのでしょうか? 田の神の依代(よりしろ)として悪い霊を祓う効用をたくされたはずの案山子が、主役になっている場所が、上田市の丸子温泉郷や塩尻市洗馬など今もあることをご存じですか? 日本の農業の原風景に出会える長野県では、まさに今ごろ、県下各地で「かかしコンテスト」や「かかし祭り」なるものが開かれているのです。場所ごとに特色もあり、毎年ユニークな案山子がたくさん登場して、ほんわかと楽しい雰囲気に浸れるでしょう。今回は景観抜群の棚田で行われている、これも上田市の「稲倉棚田案山子まつり」を訪れてみました。

日本の棚田百選にも選ばれている、上田市稲倉(いなぐら)の棚田は、上信越自動車道の上田菅平インターチェンジと東部湯の丸インターチェンジの間を通るとき、東側に眺めることができます。県道4号線を上田市の市民の森公園付近から「稲倉棚田」の看板をたよりにくねくねと進んでいくと、やがて見晴らしの素敵なところに出ます。陽の光をいっぱいに浴びて棚田がいくつも段になって続いています。天気にも恵まれ、青空と黄金色の稲穂のコントラストを楽しめる、とにかく絶景でした。この風光明媚な景色のなか、田に沿うようにずらっと一列に並んでいる人影がありました。大人も子供もいるようですし、みんな思い思いの格好をしています。あ! ああ、やっぱりみなさん案山子ぢゃないですか。(^_^;) 予想はしていましたが、これだけ並んでいると、かなりの衝撃です。上の写真をクリックして確認してください。

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10月23日まで見ることができます
ここの案山子まつりは、稲倉棚田保全委員会が毎年開いているもので、今年で9年目になります。今年は、地域の農家さん、地元の小学校や保育園の子供たちの作品が43体、稲倉棚田の通称「かかし通り」に勢揃いしていました。中には東京から来たという方の作品もありました。それぞれがユニークな格好、表情で楽しめます。近づいてよく見ると、一体一体(一人一人?)がメッセージを掲げています。このメッセージが、稲倉の案山子まつりの特徴なんです。

今年のメッセージは、やはり東日本大震災や長野県北部地震など、災害からの復興や命を意識したものが多いようでした。案山子さんたちが一心に祈っている様子はちょっと不思議ですが、なんだかなごみます。案山子たちの人気投票はすでに終わっていましたが、稲田を見守っている案山子たちは、10月23日まで見ることができるそうです。黄金色の棚田が見れるのもこの時期だけ。天気のいい日に足を運んでみてはいかがでしょうか。


あわせて読みたい:

稲倉棚田保全委員会による案山子の制作風景についての過去記事


関連サイト:

・稲倉棚田保全委員会
http://blog.goo.ne.jp/inaguratanada

上田市HPより「稲倉棚田案山子まつり」案内

全国棚田(千枚田)連絡協議会

棚田学会

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