田んぼを見渡すと、稲は立派に腰ぐらいの高さまで育っています。穂も垂れてきて、あとはこれから黄金色に成熟していくのを待つばかりです。
稲穂のこうべが垂れてくると現れるのは、案山子(かかし)たち。写真は自宅近くの田んぼの畦にたたずむリアルな案山子です。もともとは人間がいると思わせて、鳥が近づかないようにしたものが案山子なので、リアルであればあるだけ効果がありそうなものですが、実際はどうなのでしょうか。ここに並ぶ案山子たちは、老若男女全部で9体(9人?)。道の方を向いて明らかに通行車両や歩行者を意識しており、鳥を追い払う気はあまりなさそうです。
案山子は広大で大規模な田んぼにはあまり立たず(そりゃそうですよね。きりがないし、効果も疑問)、こじんまりとした田んぼでよく見かけます。長野県は平地が少なくて、起伏のある地形で稲作をするケースが多いので、小さな田んぼも多く、もしかしたら案山子の数がとても多い県かもしれませんね。もっとも案山子の国勢調査はまだ実施されていないので、実際の人口はわかりませんが。
案山子といえば、年配の方は次の文部省唱歌を連想すると思います。
山田の中の 一本足の案山子
天気のよいのに 蓑笠着けて
朝から晩まで ただ立ちどほし・・・
「山田」は山の斜面に作られた田んぼのことでしょうか。この写真もそうですが、現在は一本足ではなく二本足がトレンドとなりつつあるようですね。(つかはら)