アヤメか? ハナショウブか? 見分け方は?

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長野県中部に位置する安曇野市。もともと豊かな自然が人気の、信州を代表する観光地のひとつですが、今年はNHKの朝の連続テレビ小説「おひさま」の舞台となっていることもあってか、例年以上の賑わいを見せています。

先週の土日も、休日の高速道路料金の上限が1000円となる「ETC休日特別割引」制度の最終日ということもあって、たくさんの観光客が訪れていました。大王わさび農場や美術館など、全国的に有名な観光スポットの盛況振りはすごいものですが、安曇野市にはそれ以外にも魅力的な場所があります。

そのひとつが安曇野市の北東部に位置する明科(あかしな)の龍門渕公園(りゅうもんぶちこうえん)。龍門渕は、北アルプスからの伏流水と、犀川の水などを水源とする渕で、龍が通り抜けたような形状をしていることからその名がついたと言われています。

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渕の水は渦を巻いているような場所もあり、見ていると本当に龍が潜んでいるような気がしてくるところです。その水流を利用したカヌーコースは全国的にも有名で、シーズンになると沢山のカヌーイストがここに集います。カヌーで犀川を下る際の基点ともなるポイントです。

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その龍門渕公園と、隣接するあやめ公園は、アヤメや花菖蒲(ハナショウブ)の県下随一の名所として知られます(以下、ふたつの公園を併せてあやめ公園と呼びます)。雪の残る北アルプスを背景にした公園内には、あわせて150種5万株ものアヤメと花菖蒲が植えられているそうです。

あやめ祭りが開催中
あやめ公園では、「あやめまつり」が現在開催されています(6月30日まで)。少し前までは地元のお祭といった感じでしたが、最近では県外からも観光客が少しずつ訪れるようになったと聞きました。今年は気候の影響か、多くの花の開花時期が遅れていました。アヤメや花菖蒲も1週間ほど遅れているようで、この土日は3分咲きといったところでしょうか。公園内ではコンサートやフリーマーケット、ニジマスのつかみ取りといったさまざまなイベントが用意されていましたが、満開のアヤメや花菖蒲を楽しむには少し早いタイミングだったかもしれません。花を見に出かけるには情報をしっかり手に入れるかよほどの幸運に恵まれる必要があります。

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先週の土曜日は梅雨らしく雨となってしまいましたが、翌日の日曜日には天気も持ちかえし、多くの親子連れで賑わっていました。園内には水辺で遊べる場所などもあり、楽しそうにはしゃぐ子どもの姿が目立ちました。子どもたちが自然と触れ合って遊ぶ姿を見ていると、自然に笑みがこぼれてしまいます。地域に大切にされる公園がいつまでも残っていってほしいと思います。

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花の大半はハナショウブ
そんな地元の人たちに親しまれているあやめ公園ですが、実は植えられている花のほとんどが花菖蒲(はなしょうぶ)なんです。でも、花菖蒲とアヤメ、ぱっと見て見分けられる方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?

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アヤメを漢字で書くと「菖蒲」「文目」「綾目」となります。「菖蒲」という漢字は「しょうぶ」とも読めますね。また、アヤメ科アヤメ属で形も似ている花菖蒲は昔からアヤメと混同されることがおおく、これもまた「アヤメ」と呼ばれることも多いそうです。なんだかややこしいですね。

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アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ
では、簡単な見分け方を、いざというときの場合にご紹介しておきましょう。軽く自慢してください。アヤメは、花びらの基の部分に網目状の模様があるのが特徴です。色は紫か白。主に乾燥した草原に生えます。花菖蒲は、もともと江戸時代にノハナショウブの変わり咲きをもとに改良された伝統園芸植物でした。花びらの基の部分に黄色い模様があるのが特徴です。アヤメと違い、紫、白、赤紫、黄色など、様々な色のものがあります。そして主に湿地に生えます。

どちらも優れていて優劣が着けられないことを表現する「いずれがアヤメ、カキツバタ」という慣用句があります。アヤメとカキツバタの区別は難しいと言うことを伝えています。カキツバタもアイリスもアヤメ科で、実際よく似ています。さらにここにアヤメでない菖蒲(ショウブ サトイモ科)が絡んでくると、事態は更にややこしくなってしまうので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。では今紹介した、、これらのあやめまつりの写真を見てみると・・・・・あれれ、どうやらわたくし、こともあろうにアヤメを撮り忘れていたようです。失敗ですね。全部ハナショウブではありませんか。(汗)。アヤメは一体どこに咲いていたのでしょうねぇ。

ただ、アヤメも公園内のどこかで咲いているとのことですので、ご紹介した見分け方を参考に、花菖蒲の中からアヤメを探し出すのも「あやめまつり」の楽しみ方のひとつかもしれませんと悔しまぎれに記しておきます。

あやめ公園・龍門渕公園のアヤメや花菖蒲は今週末(25日頃)に見頃を迎えそうですから、おひさまの舞台を訪ねるついでに足を伸ばしてみる価値がありそうですよ。


参考サイト:

龍門渕公園・あやめ公園アクセスマップ(安曇野市提供)

安曇野市公式ホームページ

「おひさま」応援サイト 『安曇野すまいる』

安曇野の旅 安曇野観光協会のホームページ

NHK連続テレビ小説 おひさま 公式サイト

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