「信州中野市」と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか? きのこ? ぶどう? りんご? 桃? アスパラガス? そうです、いずれも正解です!! リンゴやブドウの栽培では全国でも有数の品質と生産量を誇り、キノコの生産も信州では突出しています。果樹や野菜で信州中野市の名前を目にすることがこれからもあるでしょう。おそらくこの「長野県のおいしい食べ方」をお読みのみなさんには、、簡単すぎる質問でしたかもしれません。では、中野市がバラの町をアピールしているのはご存じでしたか? 今月1日に「四季を通じてさまざまな見どころのある庭園」をコンセプトとして、バラを基調にイングリッシュガーデンがオープンしたばかりです。バラといえば、6月、まさにこれからが見頃。今回は「バラの町中野市」を体感しに、バラの咲く「なかのバラまつり2011」に行って来ました。バラまつりは今月19日まで開催されています。
バラが彩る英国式庭園
会場は中野市の一本木公園。850種2500株ものバラが植えられている、県内有数のバラ園です。この公園内に、今月1日から英国式庭園がグランドオープン。現在はまだ4分咲き程度の状態でしたが、英国園芸研究家ケイ山田さんの監修したブリティッシュスタイルの庭園にバラが見事に調和しはじめていました。ケイ山田さんは1990年に長野県茅野市に日本初の本格的な英国式庭園"蓼科高原バラクラ イングリッシュガーデン"をオープンさせた英国式ガーデニングの第一人者です。レンガ造りの柱をつたいながら高いところで咲くバラの花を見あげると、青空とバラの色との素敵なコントラストが楽しめます。まだ完成して間もない庭園ですので、ここはきっと咲きほこるバラのゲートになるのでしょう。園内のバラは15日頃に見頃を迎えそうとのことでした。英国式庭園いっぱいに色とりどりのバラが咲き乱れる中、花の香りをまといつつ紳士・淑女になった気分で歩いてみたくなります。
食用バラのさりげない美味しさ
園内では、切りバラや苗木の販売もしており、さらには珍しくも食用バラを使用した様々な商品を手に入れることができました。とりわけ、多くのお客さんが食していたバラの花のソフトクリームは、食べてみないわけにはいきませんでした。ひとつ400円也。綺麗な薄ピンク色のソフトクリームです。ほのかにバラの風味が感じられ、バラ園の中で食べるとおいしさもひとしおでした。
また「ばらのお酒」という文字に目が吸いつき、気がつけば足が勝手に売り場へ。ケンティフォリアというバラ(ローズウォーターに良く使われます)を漬け込んだアルコール度数の低い日本酒で、かすかにバラの風味が香り、食前酒としてお奨めとのことでした。バラのジャムは、バラのお酒に、お酒に漬け込んであったバラを加工したものです。アルコール分は消えていると聞いたので、クラッカーに乗せて試食させて頂きました。食べてみて驚きました。これがバラ、なのか・・・と思わず口にするほど、「バラの風味」はほとんど感じられません。堂々と咲きほこるバラの様子からは想像できない、かすかに風味を感じる程度のさり気ない主張。癖になりそうです。そのギャップと美味しさに惚れました。他にも、バラを使ったおまんじゅうやケーキなど、珍しい商品がたくさん売られています。
この土日には市街地でイベント
このバラまつりには、地元のJA中野市も出店しており、ご当地食材を使用したジャムやえのきドレッシングなども販売しています。とりわけ「地元産牛乳と果物で作ったジェラート」が一押しだとのこと。頂いてみれば、濃厚ミルクのジェラートにラズベリー等のピューレが爽やかさを演出していて、なるほど絶品です。
このなかのバラまつりは、今月19日まで、中野市の一本木公園(長野電鉄中野松川駅下車徒歩5分)を中心に開催されていますが、今週末、11日(土)12日(日)には、バラの講習会や、クラシック音楽のコンサートなど様々なステージも予定されています。市街地でもバラの地上絵や特産品販売、花づくりコンテストなど、町をあげて様々なイベントが開催されます。なお、一本木公園には駐車場がありません。自動車で行かれる方は、中野市内に用意された無料駐車場からシャトルバスが運行されていますので、そちらをご利用ください。イベント、駐車場、開花情報などの詳細は2011なかのバラまつり公式ホームページを参照ください。