オレンジ色に染まった柿の実に、着実に秋が深まっていることを感じます。色付いた柿がたわわに実る秋ならではのこの風情は、いつまでも日本にあって欲しいものです。ちなみに、柿は日本原産のものですから、海外でも「KAKI」で通じるようですよ。
色付く秋といえば、見事な紅葉の便りが続々と届いています。
標高2,300メートル北アルプスの涸沢では、ダケカンバの黄色が今年は一層美しいと評判で、この紅葉を楽しもうと、山小屋は今週たくさんの予約が入っているそうです。涸沢の紅葉は今月中旬まで楽しめるとのこと。また、現在見頃を迎えている木曽の御嶽山や県北部の志賀高原、北安曇郡小谷村の栂池高原以外にも、県内各地で続々と色付きが始まっていて、今年は例年より色付きが1週間〜10日ばかり早いそうです。
秋の農作業が着々と行われている今、田んぼに干しておいた稲穂が乾燥し、脱穀作業をしたという声も聞かれました。米を蓄え「やれやれ」と思うのも束の間、ひと息つく暇もなく秋野菜づくりやリンゴの収穫へむけての作業と、農家はまだまだ忙しい日々が続きます。直売所には、リンゴ「シナノスイート」が並ぶようになりました。
種を蒔いてから収穫までの期間が短い蕎麦。冷涼な気候を好むため、県内でも涼しいとされる場所では早くも収穫の時期を迎えています。蕎麦処では新そばの文字も踊るようになりました。栄養の乏しい痩せた土地で育ち、昔は飢饉を救うための救荒作物として栽培が奨励されたともいわれます。
今回は、信州における一風変わった蕎麦のつくり方、食べ方をいくつかご紹介しましょう。
北信濃の飯山地方における「富倉のそば」は、山ゴボウの葉の繊維をつなぎにして生地に混ぜ込んだもの。また県中部には、暖かい具入りの汁に茹でた蕎麦を投じて食べることからその名が付いた松本地方の「とうじそば」や、木曽地方特産、乳酸発酵させた漬け物"すんき"(写真)を蕎麦に加えて食べる「すんきそば」。さらに、県南部では、焼き味噌と辛味大根を汁に入れて食べる伊那市高遠地方の「高遠そば」など、信州蕎麦とひと口に言っても、生地の硬さや太さ、汁の味など、その土地や店によって味わいはじつに様々です。自分好みの蕎麦を求めて食べ比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。
行楽の秋、そして収穫の秋です。今月、そして来月と、県内各地では様々な収穫祭やお祭りが開催されます。各地の収穫祭の情報は「JAきずな」、または「収穫祭めぐり」で検索してみてください。
さらに来週、2013年10月12日・13日は、長野市松代町で「真田十万石まつり」が、また2013年10月26日は「長野市農業フェア」が長野市ビックハットで行われ、長野市の旬の味覚や、りんご料理の振る舞い、長野市産ぶどう100%のワインの試飲コーナーのほか、ジビエ料理の試食・販売など、長野市の農と食の魅力が盛りだくさんです。
高原の草花も色鮮やかに咲き誇っています。
バラの名所でもある県北部の中野市、一本木公園では、150種、約5千本ものダリアの花が鮮やかに咲き、10月末まで楽しめるそうです。さらに2013年10月12日〜20日には秋のバラまつりも開催。お問い合わせは「一本木公園バラの会」(電話:0269−23−4780)へ。また、約100万本のコスモスが咲き乱れる県北部の信濃町黒姫高原「旬花咲く黒姫高原」では、2013年10月14日までコスモスの無料摘み取り体験が行えます。なお入園料は大人600円です。
信州の秋の味覚といえば、きのこ! そんな信州きのこのイメージキャラクターをご存知でしょうか? スーパーのきのこ売り場でこちらをじ〜っと見つめている彼の名は「信州力」(しんしゅうりき)といいます。昨年の夏に登場して以来、信州きのこを皆さんに食べてもらいたい! と、きのこ売り場やイベントで奮闘しています。先日は、きのこが苦手なお子さんが信州力のおかげできのこを食べるようになったというお手紙をいただきいて、ますます張り切っているところです。
この彼、現在投票が行われている『ゆるキャラグランプリ』にエントリーしているんです。
今年はエントリーが「ご当地」と「企業・その他」に分けられていて、信州力がエントリーしているのは「企業・その他」枠。これは総合ランキングでは参考順位という扱いになりますが、信州きのこを応援する仲間として、ゆるキャラ「信州力」に皆さんの投票をお待ちしています!
「信州力」への投票は、ゆるキャラグランプリ2013ホームページにてエントリーしてください。
「信州力」をもっと知りたい、という方は、信州力オフィシャルサイト「信州力ドットcom」へどうぞ。
彩り豊かに美しく色づく山々、土地の恵みを存分に味わえる旬の味覚......。かけ足で過ぎゆく信州の秋を楽しみに、ぜひお出かけください。
[巻頭のカバー写真]
りんごがたわわに実り、いろいろな品種が順次出荷されます。歯ごたえ・甘み・酸味など、品種の違いで秋の深まりを感じるのもいいですね。写真は秋映です。
*コラムはしばらくの間お休みさせていただきます。