新・信州暦 黄金色の麦の穂が風に波を打つ

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梅雨に入り気候も気温も安定しない時期になりました。このようなときはいっそのこと外に出てみませんか? 山々の緑が濃くなるにつれて、信州の農をとりまく世界は激しい変化の時を迎え、今週もぞくぞくと美味しいものが登場して、色とりどりのさまざまな花でわたしたちの世界を一層鮮やかにしてくれています。

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今この梅雨の時期に楽しめるのが、今週の記事にもあるさくらんぼ狩りで、北信は中野市の「農産物物産館オランチェ」や、長野市内にある「アグリながぬま」などが窓口となって、さくらんぼ狩りの受付けをしています。この時期だけの初夏の味覚を味わってください。

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また北信の志賀高原を中心とする管内では「ネマガリダケ」(30センチほどの細長い竹の子)が登場し、このタケノコの登場を「待ってました!」と喜ぶ北信の人が多いようです。ネマガリダケは火であぶったものを皮をむきながら食べたり、また皮をむいてから天ぷらにしたり、そしてとどめは本紙の過去記事にもありますが、サバ缶を汁もそのまま全部入れて味噌汁にする食べ方が喜ばれます。

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ちなみにこのサバの缶詰を用いる味噌汁ですが、中信の木曽地方では、竹の子の代わりにウドを入れるということで、同じ県内でも地方により食べ方は異なりますね。長く北信の人に愛される山菜・ネマガリダケですが、新潟の県境に近い飯山市の照岡地区では、20年続いてきた山菜祭りが、村の人たちの高齢化もあって今年をもってしばらく中止になるそうです。この最後となるイベントは、その名も「ありがとう 藤沢山菜まつり」(主催:藤沢山菜まつり実行委員会、協賛:JA北信州みゆき西部支所)。日程は6月15日(日)午前6時からです。残念ですねえ。

春先から食卓を楽しませてくれたアスパラガスはここへきて収穫が一段落。今度は3ヶ月ほど経た秋に、またみなさんの前に現れることになります。tamanegiboya.jpg身近な食べ物で、今が旬のものといえば「玉ねぎ」です。北信は千曲市で、週末の7〜8日に行われた収穫祭では、大勢の家族連れが収穫を楽しんだということで、これから本格的に収穫の最盛期を迎えます。来週の14〜15日には中信地区の豊科・堀金村でタマネギ祭りと題して収穫や販売が行われます。北アルプスの水と豊かな安曇野の大地で出来上がった甘くて美味しい玉ねぎをたくさん食べてください。「ビレッジ安曇野」では、玉ねぎ収穫とソバ打ち体験をセットにした農業体験宿泊プランも用意されていますよ。

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今ごろの季節は麦の穂が金色に輝くころで、「麦秋(ばくしゅう)」と言います。初夏のこのころに降る雨を「麦雨(ばくう)」とも呼ぶそうです。冬と春を大地で過ごした麦が実りの季節を迎えました。風が吹くと麦畑では輝く穂が風の通り道にしたがって揺れていく光景が見れます。北信の旧更埴地区では、古くから良質の麦作産地として知られ、大麦を麦茶や押し麦、米粒麦などとして使われますが、黄金色に輝くその麦は昨年よりやや早い収穫の時期を迎えています。

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春先に一目十万本でわたしたちの目を存分に楽しませてくれた千曲市のアンズの花は今オレンジ色のかわいい実を膨らませて、来週の20日頃から出荷が予定されています。日持ちがしない収穫時期の短いアンズですので、その収穫作業を行う農家は大忙しとなります。

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中野市にある一本木公園のバラ祭りが今週いっぱい15日で終了します。先週末は一番の見頃だったということで、県内外から大型バスで遠方より大勢の方に足を運んで楽しんでもらいました。可憐な姿が楽しめるのもあともう少しです。バラ祭りでは、バラの苗をはじめ中野市の農産物も沢山取り揃えてありますので、是非この機会にまるごと中野市を味わってください。

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南信の阿智村の冶部坂高原では、レンゲツツジが見頃を向かえて、斜面の500株のツツジが紅色の花を鮮やかに咲かせています。中信では安曇野市の明科で、150種5万株の菖蒲、あやめが咲き競うということで、龍門渕公園を会場としたお祭りは、いよいよ16日から見頃を迎えます。開催は今月30日までです。

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中信の池田町にある「ラベンダーガーデン夢農場」では来週の14、15日の両日に「夢農場ラベンダー祭り」が開催され、摘み取りや、アロマ講習会、野外ステージでのコンサートなど、これから7月まで広い斜面を埋め尽くす、80種類のラベンダーとそのほか色とりどりの花々がわたしたちの訪れを待っています。

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また先週の6〜8日に漆器まつりが行われた木曽では、初夏の風物詩である和菓子のほおば巻き(小豆の入った団子を、殺菌効果のあるほおばの葉っぱで包んで蒸す)の時期を迎え、今週末の14〜15日には浦島太郎伝説のある寝覚の床周辺で、ほお葉祭りが開催されます。

top_080611_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。夕立が止んだ直後に収穫間際の大麦畑で見た夕焼け。長野市篠ノ井西寺尾で月曜日に撮影


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11日は上弦の月。後10日ほどで満月になります。13日は金曜日。13日の金曜日は不吉な日とされていますが、これは西洋が起源のことで、日本では問題にされませんし、今の暦では1年に一度以上、その月の最初の日が日曜日である月に必ず13日の金曜日がやってきます。

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14日の長野市は日の出が朝の4時半少し前、日の入りが午後7時と、昼がだいぶ長くなっています。この日は、閏年の今年がはじまって166日目。1年も残りちょうど200日です。ここまで早かったですか、遅かったでしょうか?

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週末の日曜日15日は6月の第3日曜日で父の日。アメリカでこの日が父の日とされたのは、1972年で、けっこう新しい記念日なのですね、母の日にくらべると知名度がかなり劣っているのが悲しくもあります。母の日のシンボルフラワーとしてカーネーションがあるように、mountain.jpg父の日にもシンボルフラワーがあって、それがバラの花なのですが、きっとご存じないでしょうね。バラの花といえば、この父の日の15日がなかのバラまつり[長野県中野市一本木公園]の最終日というのも、おそらくは天のいたずらなんでしょう。日曜日は「信濃富士」こと北信州の黒姫山の山開きの日です。

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最後に水の話。来月開催される北海道洞爺湖サミットでは環境問題が主要議題のひとつだとか。それにちなんで環境省では、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、1985年に選定した「名水百選」に加えて、water.jpg今年新たに「平成の名水百選pdfdoc.jpg」として全国から100箇所の湧水・河川(用水)・地下水を選定して先ごろ発表しました。長野県内でも松本市のまつもと城下町湧水群、飯田市の観音霊水、木曽郡木祖村の木曽川源流の里・水木沢、下高井郡木島平村の龍興寺清水が選ばれました。信州には美味しい水もあります。

indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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