新信州暦 スイカを食べて平和を思う夏の候

plateau.jpg気象庁は14日に関東甲信の梅雨明け宣言を出しました。平年より6日も早い、本州では一番早い梅雨明けです。うっとおしかった時期も過ぎ去り、からっとした盛夏の候に突入します。良い天気が続くことになるはずです。そうなると、これからは田畑で一層の水管理に気を使う必要がでてきます。

thundercloud.jpgまた、梅雨があけて天気が良くなると、朝はしのぎやすい信州でも、ぎらぎらの太陽が照りつける午後になって、むくむくと入道雲が立ちのぼり、短時間とはいえシャワーのような激しい夕立や雷が鳴ることがあります。夏山登山が最盛期を迎え、避暑地の別荘ににぎわいが帰ってくるこの季節、登山やゴルフをお楽しみのみなさま、十分にお気をつけください。

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さて、田畑を眺めながら、太陽をいっぱい浴びて育つ農作物の姿を思い浮かべていると、ときどき「ひょっこり!」と農作業をしていた人の麦わら帽子をのせたが頭を覗かせます。眺める角度によって、田畑でしゃがんで働いている人を、大きく成長した稲や苗がすっぽり隠してしまうことがあるのです。それだけ農作物が梅雨の間に成長しているということですね。しかし、そうなると雑草も、それに負けないくらいぐんぐんと出てきます。雑草との戦いには厳しいものがあります。作物になるべくたくさんの栄養がいくように、雑草退治をする農家さんの努力は大変なもの。できるかぎり農薬を使わず、おいしい作物を育てるために、日々懸命に努力がなされます。

farming.jpg生野菜をはじめ、わたしたちの口に安全な農産物が運ばれるのは、暑い日差しの中で汗をかき、一生懸命に働く農家さんのおかげです。昨日も写真のように、田んぼで並び、雑草を取る人たちの姿が見られました。静けさの中、黙々と作業を続け、ときどき「ふ〜!」と一息ついて大きく背伸びをしているみなさま、暑い中本当にお疲れさまです! 今日も麦わら帽子姿が素敵ですよ。

greenapples.jpg長野市篠ノ井では、関東のお盆向けに青リンゴの出荷が初めて行われました。ここでも農家さんはネコの手も借りたいほどです。直売所では鮮やかな色をしたパプリカ、ルビーのような色をしたミニトマト、しっかりとした実のタマネギ、摘みたてでフレッシュなブルーベリーや梅などなど、豊富な野菜や果実がきれいに並んでいます。暑くて食欲をなくしてしまいがちな毎日、けれども夏本番はまだこれから。しっかりと栄養をとって体力を蓄えてくださいね。

top-090715_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。上伊那郡南箕輪村で撮影した風景です。少し曇った昼下がり、穏やかな日差しの中で心地よい風が吹いていました。農作業にも力が入っています。手前に見えるのは田んぼ、奥に見えるのは雨よけのビニールハウス。風の通りがいいように作られているので、おそらく花やトマトを栽培しているのでしょう。右手の畑には、赤い乗用トラクターに乗って畑を耕す農業者。これからこの畑でどんな作物が育つのか楽しみです。


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lavender.jpg本日15日は下弦の月。梅雨のあけた地方ではきれいな月が見れるでしょう。この月が来週に向けてだんだん小さくなり、新月の日に、日食が起こります。東京地方ではお盆。信州では一月遅れの旧暦で8月にお盆をおこなうところが多いようです。1年の半分を過ぎて、半年生き延びたことを祝い、目上の人、お世話になった人等に贈り物をするいわゆる「お中元」の時でもあります。信州国際音楽村(上田市)では今年もラベンダー祭りがおこなわれています。今は香りの強い遅咲きの品種が楽しめます。20日まで。

amamokkori_suika.jpg日本有数の美味しいスイカの産地である波田町が管内にあるJA松本ハイランドのあぐり資材センター和田前広場に「すいか村」がオープンしたのも今日15日です。テントが並び、スイカ農家の方々が自慢のスイカを直接販売しています。またお姉さんたちが見事な包丁さばきで切りわけるスイカを試食しながら、贈答用の見事なスイカや、キズがあるが味は美味しい廉価品のスイカまで、直売価格で購入できます。とうもろこし、トマト、モモなどスイカ以外の旬の新鮮な地場産農産物も特価で販売されて、たくさんの人でにぎわいます。すいか村は8月20日まで期間中無休で営業されます。詳しいことはJA松本ハイランドのスイカサイトをチェックのこと。そういえば第二次世界大戦中は、生産調整のトップにあげられていたのがスイカだったそうです。当時スイカの畑はことごとくイモの畑にされていました。つまりスイカが食べられるのは平和の証でもあるのです。

tokurafire.jpg7月から8月にかけて信州各地の神社では祇園祭が行われます。「ぎおんまつり」は、平安時代にその源がある「午頭天皇・スサノオ」信仰が元にあるといわれますが、疫病退散や厄除けを祈願して行われる夏祭りです。信州の夏祭りといえば花火大会です。景気低迷のあおりを受けて全国的に花火大会がさみしいことになっていますが、信州の花火はそれでもまだ健在。長野県 - 花火大会特集2009 - MAPPLE 観光ガイド長野県の花火大会:2009 花火カレンダー甲信越編 - Walkerplusで研究しましょう。

hammock.jpg19日は今年がはじまってちょうど200日目になります。あと165日しかありません。だからといってどういうわけでもありませんが、ひょっとして今年はまだ一度も信州に来たことがないという人は、ぜひ涼を求める小旅行の計画などお立てください。19日は夏土用入(なつのどようのいり)の日です。この日から3日間は「土用太郎、土用次郎、土用三郎」と名づけられていて、この3日間の天気のありさまがその後の陽気に大きな影響を及ぼし、農作業へ影響を与えるものと、昔の農業者は知っていたとか。今年はどうなりますか? hammock_2.jpg8月7日の立秋の直前までが「土用」になります。この間、日本列島には南東からの季節風が吹き、下界は35度を超す真夏日も珍しくなくなります。信州の高原は、涼しいですよ。信州には「夏の木の下寒中コタツ」という言い伝えがあり、うっそうとした木立の下にむしろなど敷いて、そこで昔は昼寝をしたそうです。昼寝は、最高の夏バテ対策のひとつとされていますからね。

22日は新月で、この日の午前中に日本列島のかなりの部分で日食が観測できます。信州でも午前10時頃、太陽が隠れます。この日は本来当ブログの更新とメルマガの発行がある水曜日ですが、編集部は夏休みで森のなかへ昼寝に出かけますので、更新も発行も休みになります。翌23日は二十四節気のひとつ「大暑(たいしょ)」。ueda_watsussyoi.jpg暦便覧には「暑気いたりつまりたるゆえんなれば也」と記されています。学校は夏休みに入り、雲の峰がそびえ立つ信州の高原にも子どもたちの笑い声が聞こえるようになります。25日土曜日は上田市の中心市街地(新幹線上田駅から徒歩5分ほど)に約1万人の人々が集まり、生演奏、御輿、太鼓、踊りなどによって真夏の夜が盛りあがる「上田わっしょい」が今年もおこなわれます。このわつしょいを見るために毎年6万人もの人が訪れます。(図は昨年の模様を伝えるサイト

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27日は日本全国「スイカの日」です。すいかの特徴となっている縦の縞模様を綱(つな)に例え、7・27を7(な)2(つのつ)7(な)つまり「夏の綱」と語呂合わせで決められました。強引すぎる語呂合わせですが、この季節にその日を作りたかった理由はわかりますよね。いますいかを食べないと今年は後悔しっぱなしであと半分を暮らさなくてはなりません。そうそうJA松本ハイランドのすいかサイトに「すいかの切り方」を解説してあるマニュアルを発見しました(図)。すいかのいちばん甘い部分は、中央部で、この部分をみんなに行き渡るように切り分けるのが腕の見せ所であるようです。

indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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