前号を2週間前に刊行してからまもなく、全国的な梅雨明け宣言とともに、長野県でも梅雨がめでたく明けましたが、しかし先週から今週にかけては、県内各地に大雨警報が出され、局地的に豪雨となって、停電やら電車の運行に乱れが生じるやらと大荒れの天気になってしまいました。それでもどしゃぶりの雨が通り過ぎたあとには、不思議なまでにカラッと晴れ上がった青空が広がり、真夏の到来を感じさせてくれます。ほんとうに、夏なのですね。
農産物直売所を見れば、きゅうりやなす、トマトなどの夏野菜がところ狭しと並べられています。 県内各地で出荷が本格化してきた桃やネクタリンなども、豊富に棚をにぎわし、それらを求める多くの人で直売所全体がにぎわっています。ハイウェイオアシスや道の駅などに併設された直売所では、夏休みで訪れたと思われる観光客の方の姿も数多く見られるようになりました。
長野市松代町の国民宿舎松代荘で、地元特産のナガイモを使ったジェラートを試行錯誤の末に開発したとニュースで報じられました。ナガイモの、ジェラートですぞ。同宿舎の売店で1個300円で販売されていて、5ミリほどに刻まれた角切りのナガイモ入りで、シャキシャキとした食感が楽しめるとか。
安曇野市の観光協会飲食部会に加盟している料理店が、ニジマスとブラウントラウトを交配させて長野県水産試験場が開発した、信州独自の新品種信州サーモンを使った鉄火丼を開発中です。先日には試食会も開かれ、集まった人たちから好評を博しました。来たる10月から加盟店でいっせいに販売される予定だそうで、「トロリとろける美味さ」と言われています。
JA木曽の王滝支所(木曽郡王滝村)で、長い歴史を持ち信州伝統野菜にも認定されている地域の特産品「王滝かぶ」の甘酢漬け作りが早くもはじまりました。普通は秋に収穫したもので作るのですが、今回は初の試みとして今年の春に撒いて6月に収穫したかぶを用い、着色料を一切使用せず赤かぶ本来の色で食酢、塩、砂糖のみで漬けあげたもので、同JA女性部が生産から加工までに携わり、200グラム入り500円で、「おんたけ赤かぶ漬」として期間限定販売されます。ご注文はJA木曽の王滝支所に直接電話(0264−48−2121)でお申し込みを。
長野市では8月24日の午前中に、桃のブランドとして全国に名を知られた「川中島白桃」の発祥地を訪ねて、その原木を見学するイベントを企画し、現在参加者を募集しています。地元生産者の収穫作業や出荷作業もあわせて見学し、川中島白桃の由来を聞きます。参加費は1000円でお土産の白桃2個付き。問い合わせは長野市川中島支所内、川中島地区住民自治協議会(電話:026−285−2100 mail:kawanakajichi@grn.janis.or.jp )まで。
ジンギスカン料理の店がいくつもあるジンギスカン街道(国道19号線)が犀川に平行して貫く信州新町では、8月3日まで町内11のジンギスカン料理店で名物のジンギスカンを食べた人を対象に、8月15日に同町で開かれる花火大会の招待券をプレゼントする企画を実施中です。抽選で30人の人に当たるとのこと。
黒姫高原や野尻湖といった本格的リゾート地を抱えていくつもの特色あるペンションやレストランのある上水内郡信濃町では、町の食材を使ったオリジナルレシピ集を現在作成中。9月末と10月上旬に町内のイベントでPR予定。
高原ドライブが楽しめる茅野市のビーナスライン内の県道40号諏訪白樺湖小諸線の一部240mの区間に、日本で8番目、県内では初のメロディーロードが誕生しました。アスファルト舗装の道路上に深さ3〜6mm、幅6〜12mmの溝を切り込み、溝と溝との間隔によって音階の発生や音域を、溝の幅によって音量の強弱を調整したもので、その部分を時速40キロで走行すると、サイモン&ガーファンクルの「スカボロ・フェア」の音色がきれいに聞こえてくるそうです。うーむ、試しにいちど走りに行かないといけません。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。標高600メートルほどの、陽のあたる高原のきつい斜面で栽培されている夏キャベツ。結球した葉の先端までいのちがみなぎっています。「実がずっしりして、生で食べても甘くておいしいよ」とは生産者の方の弁。長野市の小田切地区で撮影。
●2008年がはじまって、今年は閏年でもあったことから、今日30日で、早いものですでに212日が経過しました。明日31日は、信州長野の善光寺で午後7時から今年2回目の盂蘭盆会(うらぼんえ)がおこなわれます。盂蘭盆会は「お盆」という言葉のもとになったもので、インドの古代語であるサンスクリット語の「ウランバナ」に由来するそうです。祖先の霊を祀るところから、「魂祭り」「精霊祭」とも呼ばれことがあります。地獄で苦しむ餓鬼たちに施しをし、少しでもその苦しみから解放されるよう祈りをあげる日です。昔から日本では「盆と正月が一緒に来たようなめでたさ」と表現されるように、年中行事のなかでも最も民間に親しまれていた仏教行事のひとつだったようです。
翌8月1日は新月。今年の8月は珍しく1日が新月で、17日の満月をはさんで、最終日の31日も新月。新月前後の細い月はどちらも深夜に昇ってきて翌日の午前中には沈んでしまいます。1ヶ月に2度新月が巡ってくるのですね。8月はいつにもまして月を、そして夜空を見るのが楽しみになりますね。イギリスの古い言い伝えに「8月の第1週がいつになく暖かだと、来たる冬は長く雪が多くなる」というものがありますが、さて今年はどうでしょうか?
2日は長野県でも最大級の夏祭りである「松本ぼんぼん」の日です。松本市の松本駅東側から松本城にかけて広がる中心街で行われる大規模な盆踊りといってもいいでしょうか。「...ぼんぼん松本ぼんぼんぼん♪」という耳に残るオリジナル曲に合わせて、200以上のグループが「連」と呼ばれる単位で参加して踊り手となり、市街地を練り歩きます。夏の信州ではまさにこのころ、松本市だけでなく、長野市の長野びんずる、千曲市のどんしゃんまつり、茅野市のどんぱんなど人々が夜遅くまで踊り歩く熱い夏祭りの季節なのです。
来週の4日から7日までの4日間、アメリカの南西部の農耕インディアンであるズニ族の人たちは、トウモロコシの踊りというお祭りをします。トウモロコシの収穫を母なる地球と自然の精霊たちと、トウモロコシの女神に感謝する祭りです。トウモロコシは女性だったと言うことを、つぎにトウモロコシを食べるときには思い出してください。元々「踊り」は「祈りのかたちのひとつ」だったのですね。そして5日は「二の丑の日」。夏の土用の期間に丑の日が2度ある場合、2度目を「二の丑の日」と言います。
夏の信州と言えば、人々をひきつけてやまないもののひとつに夜の星空の美しさがあります。暑くなく、寒くもない暖かな夜、キャンプファイアのまわりに腰をおろして、1日の心地よい疲れを感じながら見あげる無数の星たち。北半球の夏の星空と言えば「夏の大三角」を忘れることはできません。青白く輝くこと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが作る「夏の大三角」が、夜空を見あげると天頂付近に昇っています。南の空の低いところにあるさそり座のアンタレス、そして今年はいて座の中で輝いている惑星の木星。そうした明るい星の間を通り抜けて流れるように見える天の川。8月のうちに一度は見て、記憶に焼きつけておきたいものではありませんか。聞いた話では、ふっふ、東京では1970年以降いちども天の川を見ることができなくなっているのだとか。
長野県各地の高原は、夏の夜になると星を見あげる人たちの聖地に姿を変えます。そうそう今年は金曜日にあたる来週末の8月8日から、八ヶ岳の山麓にある原村で恒例の「サマーホリデー in 原村星まつり」が日曜日までおこなわれます。毎回数千人の天文ファンや星を見るのが好きな人たちが、八ケ岳自然文化園に集まって、夜空を見あげるのです。
長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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