「暑い、暑い」と1日に何度言っていることでしょう。いよいよ梅雨が明けたとされるその日から一気に気温が上昇し、県南部では猛暑日も記録。海の日の祝日を加え3日連休となった初日の17日、この日は九州北部や四国、中国、近畿、東海、関東甲信、北陸の各地方が梅雨明けしたとみられるとの発表がなされ、それは連休の初日を飾る行楽にはもってこいの素晴らしいタイミングでした。晴天続きのこのじっとしていられない暑さに、海や山へと出掛け気分はもうすっかり夏休み。この連休を存分に楽しんだ方も多いことでしょう。ちなみに今年の梅雨明けは、平年より3日早く、昨年より3日遅いそうで、梅雨の期間は平年より9日、昨年より8日短く、また期間の降水量は各地で平年の1.5から2.2倍にもなりました。昨日ものきなみ今年最高の気温を記録。気象庁の記録では昨日の午後の最高気温が20℃代だったのは、信濃町、菅平、野辺山だけでした。なお今後の天気については、むこう1週間ほどはこの猛暑が続く予報です。
県内では生長した田んぼの稲の柔らかな緑色に、周囲の木々の濃い緑、そして青い空に白い雲、またヒグラシのBGMも加わって、信州の盛夏を感じられる素晴らしい光景が広がっています。また長野市街地からほど近い、車で30分ほど走ったところにある上水内郡飯綱町の飯綱高原をはじめ、それより北の戸隠、黒姫高原は、まさに別天地。車のエアコンは必要ないばかりか木陰は少し肌寒さも感じる程で、カッコウの声や水の流れる音に一層の清涼感を感じました。しかし連休最終日、戸隠を訪れていた人の数にはビックリ。車のナンバーを見ると県内をはじめ県外車も多く見られましたが、大勢の人に信州に訪れてもらうことの嬉しさ半分、信州ならではの物静かな落ち着いた風情も味わって欲しいと思い、それがちょっぴり残念にも感じました。
昔から「雷が鳴ると梅雨明ける」とは言いますが、それにしても梅雨明け前日の大雨、そして雷は、すごいものでした。頭上からは激しい雨と、そして雷が何時間にもわたって鳴り響いたまま止むことがない状態で、傘を差しても外を歩くことがとても恐ろしく、身の危険を感じるこの状態に、建物の軒下で待つ大勢の人々はしばらくしてやってきた車にすばやく乗り込んでいきました。この日は連休前日の金曜でしたが、雨と雷だけが異常なほどに荒れ狂い、長野市街地の道路は人影も車もまばらで、とても閑散としていました。しかし翌朝にはそれがまるでウソであったかのような晴天。ただしこの日も夕方から局地的な雷を伴った激しい雨に見舞われた場所もあり、この2日間で県内は北部の長野市をはじめ、中野市、また大町市などでは、家屋の浸水や土砂が流れ込むなどの多大な被害が起こり、住民は連休中その片付けに追わることになりました。いま河川は泥水が川幅いっぱいに流れており、また勢いも激しいので、絶対に近づかないようにしましょう。
県北部は長野市の権堂商店街で、月遅れの七夕の飾り付けが行われました。また千曲市の戸倉上山田温泉では先週土日、夏祭りと大煙火大会が開催されました。夏を感じさせる夜空に咲く大輪の花はひと時の涼を誘ってくれますね。8月には各地で花火大会が催されますので、長野県花火大会ガイド 2010など参考に、信州へお越しの際は是非これもお楽しみのひとつに入れてお出掛けください。
暑い夏はやっぱりスイカです(キッパリ)。全国的にも美味しいと評判のJA松本ハイランド産のスイカは、12日より露地ものの出荷もはじまりました。ここにはJA直営のスイカの直売所などがあり、生産者がその日の朝収穫した新鮮なスイカを販売しています。ネットでスイカの直売所を確認の上、ドライブのときは必ずお寄りください。ちゃんと味見も出来ますので、しっかりと味を確認してからお買い求めを。今年は春先の低温や日照不足で昨年より出足が3日遅れたものの、その後の天候の回復によって味や糖度は例年にない出来栄え。とはいえわざわざ買いに来ることが出来ないという方も大丈夫。関東方面をはじめ関西や中京へも出荷されていますので、JA松本ハイランド産を確認して、シャリシャリとしたその味わいを確かめてみてください。出荷最盛期は7月末から8月中旬まで。
県北部の直売所では早生種のモモ”たまき”が丸々として美味しそうなピンク色で並んでいます。またJA須高では、桃の仲間ネクタリンの”サマークリスタル”の出荷がはじまり、いよいよ桃の季節の幕開けです。これから”あかつき””川中島白鳳””なつっこ””川中島白桃””黄金桃”と美味しいものが続いて出てきますので、桃好きの方はお楽しみに!
トウモロコシも並びはじめました。県北部の黒姫や飯綱高原では、畑一面広大な土地に植わるトウモロコシ畑が見られます。そのほかナスにキュウリ、トマトにピーマン、枝豆など数多くの豊富に並ぶ野菜は次から次へと売れていき、空いていくスペースへの補充に店の定員も忙しそうでした。さらにジャガイモは”新”の文字のくっ付いて登場です。泥のついた格好ではありますが、新の文字がひときわ輝いて見えます。暑い時期でもこれをフーフーしながら食べる美味しさは格別です。梅雨があけると10日間は天気が続くと言われますが、今農家は夏野菜の収穫に追われる時期であり、それは今までの天候不順に悩まされた時期を乗り越えてようやく訪れた収穫の喜びでもあります。しかし暑い夏空の下、体調管理にはくれぐれも気をつけて頑張ってほしいと思うのであります。
梅雨空の下、パッとしない景色を鮮やかにしてくれたアジサイの花も、そろそろバトンタッチの頃を迎えました。今グングンと生長しているのが朝顔。花はまだ咲きませんが上へ上へとネットへ巻きつきながらツルを伸ばしています。いつその花が見られるのか、またどんな色の花を咲かせるのか今から楽しみでなりません。またユリの花も満開となり咲き誇っています。
県北部は木島平村にある稲泉寺(とうせんじ)は別名「蓮寺」ともいわれますが、ここに植わる大賀ハス、大賀一郎博士によって1951年(昭和26年)に東京大学検見川農場内(千葉市検見川町)を発掘した際、2000年前の泥炭層から発見された種子のうち発芽した3粒が大賀蓮としてその後全国各地に広まっていったもの。ちなみにこの稲泉寺にあるハスは、上越市高田公園の観蓮園から株分けしていただいたものだそうです。そんな稲泉寺のハスは今が見頃です。ただし昼間は花が閉じてしまいますので、朝のうちに見るのをお勧めします。
さて、この春当ブログマガジンで「このぶどうに素敵な名前をつけてください!」として募集いたしましたJA須高青年部が新しく作った食べ切りサイズのぶどうのネーミングが決定しましたのでお知らせします。その新しい名は「うまさがギュッと詰まったぶどう」です。「美味しさを文字で想像させ、おしゃれで軽快感のある印象なので、プチサイズの中心購買ターゲット層である『若い人』『ひとり食べ』層にアピールしている」が選定理由だとか。多くのアイデアをいただきまして、誠にありがとうございました! 応募総数は1,301通、当選者は5名です。当選者名は当初の応募通知の内容に沿い、公表は致しません。なお、当選者には責任を持って感謝状、まごころ商品券、および今年できた商品をお届け致します。この件に関するお問い合わせは:JA須高営農部販売企画課(Email : kono@sko.nn-ja.or.jpkono@sko.nn-ja.or.jp)まで。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週末、富士見高原で撮影したブルーベリー。これからが旬です。県内では摘みとりのできるブルーベリー観光園もあちらこちらで営業しています。そのまま食べても甘酸っぱくておいしいですが、ジャムにしてヨーグルトなどと食べるとたまりません。
●欧米では7月下旬から8月中旬にかけてのうだるような暑さの続く日を「犬の日々(ドッグデイズ)」と呼んでいます。ほぼこの間、明け方太陽がのぼってくるのとほぼ同じ時刻に、おおいぬ座の中心にあり、犬狼星(ドッグスター)という名を持つシリウスという星が東南からのぼってきます。太陽を除けば地球上から見える最も明るい恒星です。古代エジプトでは、ナイル川の氾濫時期を知らせてくれる星として知られていました。シリウスは北半球が暑くなるのを見張っている番犬の役割を果たしています。
いくら「暑い」「暑い」と言ったところで涼しくなるわけはないので、暑さに打ち勝つためのヒントを探してみました。「日が沈んだ直後、まだ空が明るいうちに家中の窓という窓を開け放ち風を入れる。暗くなったら必要なところは網戸にして後はしめる。朝は気温が上がりはじめる前にすだれなどをおろしておく」これはいいかもしれません。また「涼しさを感じるためには、涼しくなるものを食べる」という直接的な手段もあります。アイスクリームとかフローズンヨーグルトとかかき氷とかきんきんに冷やしたすいかとか。毎度氷水ばかりでは芸がないとお感じの方のために、最近流行中の低脂肪スムージードリンクの作り方を。スムージーとは、かき氷ほど氷氷していなくて、ジュースほど水っぽくない、ジュースとかき氷の中間点に位置する飲み物(食べ物)です。イチゴのおいしいところを10から20個ほど手に入れます。バナナを1本、むいて薄くスライスしておきます。オレンジジュース1本。1/2カップほどの氷。それらをミキサーに入れて氷がくだけるまで回して、後はドロドロの状態のものを飲む、いや食べる。おいしくて、少しお腹がふくれ、体も冷えます。
松本市の国宝松本城では、和装の人は入場無料になるサービスを8月31日まで行っていますよ。城を和の情緒で盛り立てようと昨年に続く開催ですが、通常は大人600円の入場券。浴衣や甚平など和装であれば種類は問わないそうですので、興味のある方、是非着物でお出掛けを。実はそんな着物姿を擦れ違い様に見ることが出来るのも、嬉しいものです。
23日は二十四節気のひとつ「大暑(たいしょ)」です。この日から立秋までの期間を言い、暦便覧という江戸時代の暦の解説書には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」とあります。快晴が続き気温が上がり続けるころで、空には雲の峰が高々とそびえるイメージ。夏の土用の時期です。夏の土用の期間の丑の日に精の付く食べ物を食べる風習がありますが、土用丑の日と鰻が今のように密接に結びついたのは、かの平賀源内が鰻屋のために書いた客寄せの広告のコピーからとされます。夏に負けないためにこの期間は色とりどりの野菜をしっかりと食べてください。トマトは必ず食べましょう。トマトをサラダ用にスライスするときは、よく研いだ包丁で、上から下に垂直にカットすること。横に水平にカットすると水分がたくさん出てしまいます。夏の野菜サラダのドレッシングにはお酢の代わりにレモンの絞り汁を使うとさっぱりします。
24日土曜日には下伊那郡阿南町の深見の池という天然の湖で祇園祭り。「郡下一の天然湖上に筏を浮かべ、周りに提灯を吊るし、三味線・笛・太鼓などではやしながら神事を行います。諏訪神社の手筒花火や大三国、スターマイン等の打ち上げ花火が湖面に映えます」と解説にあります。美しい祭りで、長野県選択無形民俗文化財に指定されています。26日は満月。そろそろ暑さにも体が馴れてくるはず。暑さにも虫にも負けていられません。これから次の満月がくるまでが短い信州の夏です。あっという間に終わらせないように、いい汗を思いきりかきましょう。
長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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