新信州暦 牧場の草も盛大に繁茂する時期に

rain.gif信州も梅雨に入りましたが、あまり雨が降りません。農家は梅雨によってもたらされる水を心から必要としています。水は、生命の恵みですから。先週25、26、27日には、長野や松本、飯田など各地で30度を超える真夏日になりました。特に、27日は今年一番の暑さとなり、南信の伊那地域で1993年の観測開始以来、6月最高31.1度(長野地方気象台)を記録しました。でも今週月曜日29日には待望の雨。今日も降ったり止んだりの状況が続いています。この久々の雨に、農家と一緒に作物たちも、喜んで天を讃えているように見えます。

fruitfarm.jpgこの気が遠くなるような暑さのなか、果樹農家の農作業は、ひたすら続いています。桃やナシ(西洋なしも)農家は、実の袋かけ作業が行なわれ、すでに完了した園も出てきました。一人が1日に1000枚から2000枚の袋をかけ続ける日が10日以上続いた農園も珍しくありません。リンゴ農家は、摘果(てっか)作業の仕上げの段階に。そうやって次々と、よい実だけが厳選されていきます。

budou.jpgブドウ農家は、ハウスブドウの出荷に追われています。中信地区のブドウの産地松本市では「デラウェア」が登場です。北信地区の須坂や中野市からは「巨峰」「種なし巨峰」「ナガノパープル」「ロザリオビアンコ」などなど。今年も粒の大きさがまとまり、色のツヤもいいですよ。長野県のブドウは、関東や中京、大阪、四国方面などへ出荷されていきます。あと1カ月、8月に入るといよいよ露地ものです。

anzu_harvest.jpg先週の記事でお伝えしてたように、北信州JAちくまから旬のあんずたちが、スーパーや直売所にお目見えしています。主に、関東方面に出荷され、今後収穫量が増えるにつれ、中京、関西方面へも向かいます。サクランボは、北信地区の須坂市や中野市などでは終盤を迎え、輝く宝石のシーズンも間もなく終わります。お好きな方は、お早めに。

onion.jpg露地の畑では、タマネギの収獲が続いています。丸々育ったタマネギが、家の軒下で乾かされている姿を見ます。また、キュウリやナス、ピーマン、トウモロコシなどの夏野菜がスーパーや直売所に出てくる季節になりました。この季節には体温を下げる働きのある夏野菜を、たくさん召しあがってください。

grass_b.jpg各地の田んぼでは、スクスクと稲たちが育っています。稲と同様に元気なのが、ヒエなどの雑草。雑草は生命力が強く、grass_a.jpg大きく育つと稲たちの生長を妨げます。稲を守るべく、農家と雑草とのせめぎ合いは秋まで続きます。わが家の田んぼ係、母親も「田んぼで、雑草が一番キライ」と顔をしかめて話します。高原の牧場でも放牧された牛たちのごちそうとなる牧草が盛大に茂っています。

27日には、東信の南佐久郡佐久穂町や小諸市に流れる千曲川(ちくまがわ)や支流で、アユの友釣りが解禁され、多くの釣り好きが集まりました。ayu.jpg夏を思わせる陽気のなか、川に入る釣り人は涼しげにアユを釣っていました。アユは、別名「香魚」と呼ばれます。稚魚から水の中の昆虫などを食べて大きくなりますが、6月からは川底の石につく香りのよい藻だけを食べるようになります。その藻類が特有の風味を持ち、この時期のアユの塩焼きは絶品です。

natu.jpg週末に里山へ出掛けましたが、多くの虫たちが動き出していることに気付きます。子どもの心を、今も昔もとらえてはなさないカブトムシやクワガタものそりと出てくる頃。子どもの頃兄と、樹の上の虫を落とすために、樹を蹴ったことを思い出します。カブトムシやクワガタは、高原の、また神社、お寺の境内にあるクヌギ、コナラの樹の樹液を好みます。子どもと一緒に一緒に虫かごをもって、山へ出かけてみてはどうでしょうか。

heat_exhaustion.jpgheat_exhaustion.jpg真夏日が続く本格的な夏を前に、注意したいのが熱中症。農作業を炎天下の中で行なう農家さんは、木陰でお茶を取りながら水分補給をしています。今夏も、すでに平年並みの暑さが予想されていますので、日陰で休み早めの水分補給取るなど注意をしましょう。環境省が提供する「熱中症環境保健マニュアル」を活用してください。

top_090630_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。収獲シーズンを迎えて乾燥中のタマネギです。信州では、千曲市を中心に各地で栽培されています。タマネギは、涼しいところが大好きなので、収獲されると家の軒につるされたり、日陰で乾かされたり。生でも料理しても食べられるタマネギは、疲労、食欲不振など夏バテ解消にも役立つ万能野菜なので、薬味に食材に積極的にご利用ください。


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firefly.gif先週から「トトロの森を描いた人。ジブリの絵職人 男鹿和雄展」が、長野県信濃美術館ではじまっています。8月27日まで、期間中無休です。夏の信州旅行の予定に組み込むのもいいでしょう。男鹿和雄さんの絵をゆっくり見るのに信州の夏ほど素晴らしい時間と土地は他にはありません。ホタル祭りが信州各地でいま毎週のようにおこなわれています。現在は中信から東信、北信に盛りが移りつつあります。自然の美しさですね。そしてこれは現代アートではないかもしれませんが、JA青年部がリンゴコンテナを使い、PR文字を作成したとJA中野市のブログに掲載されていたニュース写真をごらんください。

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若い担い手農業者が農業の素晴らしさと食の大切さを地域住民にアピールするために完成させたもので、JA南部共選所の北側にあり、作品は、リンゴ「ふじ」の収穫が盛んになる11月ごろまで飾られている予定です。

journey.jpg明日7月1日水曜日は地獄の釜のふたが開く日で、「釜蓋朔日(かまぶたついたち)」と昔から呼ばれています。すでに冥土に行かれたご先祖さまたちの精霊が、お盆の日に間に合うようにそれぞれの家に帰ってくるためには、7月になってあの世の釜の蓋が開らいたらすぐ旅立たないといけないと考えられたのです。それだけあの世は遠くにあるものなのです。

edonotaue.jpg2日は暦の雑節にいう「半夏生」。これは「はんげしょう」と読みます。なにやら気味の悪い雰囲気の言葉ですね。「半夏(ハンゲ)という毒草が生ずる」とされる日です。もともと日本が建国される頃に古代中国の黄河中流域から伝えられた暦のうえの言葉で、この時期、中国大陸や沖縄では梅雨も終わりかけて、カラスビシャク(烏柄杓)というサトイモ科の薬用植物が姿をあらわすことから「半夏生」と呼ばれます。食用には適さないサトイモ科のカラスビシャクの中国名が「半夏」です。現代でも漢方薬には「半夏厚朴湯」とか「抑肝散加陳皮半夏」とか、この半夏が使われているものがあります。江戸時代までは、農業暦のなかで、半夏生の日には田の神さまが山の家に帰られてしまうので「半夏生の日までに田植えは終わらさなくてはならない」とされていました。そしてこの日から5日間を農家の休日とした地方もあったようです。

Canismap.JPG3日はアメリカでは本格的な夏の日のはじまる日とされます。西洋の農業暦では「犬の日がはじまる(DOG DAYS BEGIN)」と記載されています。犬が暑さに弱いから夏を犬の日と呼ぶのではありません。ドッグ・デイズは7月3日にはじまり、8月11日まで続きます。北半球ではこの時期、夜明けの東の空低く、明るくなりかけた地平線のすぐ上に、ひときわ輝く星が見えます。夏に一晩中星を見て夜明けを迎えた経験のある人はみんなこの星をよく覚えていると思います。その不思議な輝き方をする星が「シリウス」です。シリウスの別名が「犬の星(ドック・スター)」、中国名は「天狼星」、和名は「青星」。おおいぬ座で最も明るく輝くシリウスが夜明け直前の東の天空に出ているこの季節が、一年で最も暑い季節と重なっていることから、真夏の季節のことが「ドッグ・デイズ」とされたのです。北半球では東も西も、今週から本格的な夏にはいります。本州のまんなかに停滞している梅雨前線も、たっぷりと水を大地に供給して、夏の準備にいとまがありません。

suffolk1.jpg4日と5日は信州新町で「第17回 カラー花まつり ジンギスカンまつり」が開催されます。季節の花々、新鮮な野菜がお目当ての人も、美味しい羊の肉をお腹いっぱい食べたい人も駆けつけるべし。信州新町のジンギスカンが美味しい理由は「ここ」に。

7日は二十四節気のひとつ「小暑」。暦便覧には「大暑来れる前なれば也」とあります。梅雨明けはもうすぐ。このころ、天の底が抜けたような大雨が時として降りますので、ご用心のほどを。雨があがってカッと晴れ上がると、ふと気がつけば蝉たちの声も聞こえているかも。buckmoon.jpgこの日は新暦では七夕、そして満月。月が明るくて星たちのデートもムードが出ないかもしれません。信州の七夕は夏休み期間の8月上旬です。この日の満月のことを北米大陸の先住民は雄シカやトナカイたちががその真新しい角を毛皮に押しつける仕草を見せることから「雄の鹿の月」と呼んでいました。また「トウモロコシの熟れる月」「鳥の羽根が抜け替わる月」「夏の月」「雷の月」などとも呼んでいます。

indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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