木島平の「龍興寺清水」を名水サイダーで!

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木島平村。県北部に位置し人口は約5千人、豊かな自然に囲まれた水とお米で有名な村。広域的な市町村合併をせずに、村として生き残る道を選んだ村です。隣には飯山市木島という地区があり、同じ「木島」が付きますが、村人は「木島平」という名前に誇りを持っています。今の時期、山から見下ろす木島平村は、緑の田んぼに囲まれて豊かな自然を満喫できます。

この村で、住民の暮らしには欠かせない「龍興寺清水」を使った名水サイダー「きらめく農村」が、同村農業開発公社で作られ、村おこしのいったんを担っているのでレポートします。いわゆるご当地サイダーですが、村のいのちの源である天然の軟水を使った、甘さすっきり、炭酸控えめ、子どもからお年寄りまで楽しめる、やさしさが詰まったサイダーです。

村の湧き水を生かそう!
名水サイダー「きらめく農村」は、木島平村農業開発公社の小湊敏夫(こみなととしお)事務局長や、佐藤係長リーダーが中心となり、村内にある「平成の名水百選」に選ばれた「龍興寺清水」の知名度を更に上げることで、自然豊かな村のイメージアップを図ることを目的として開発されました。

昨年7月からこの水を販売したり、丸大豆醤油などに活用していましたが、他に活用方法がないかと東京のイベントを見に行ったとき、ほかの地域の名水を活用した「ご当地サイダー」に目が止まり、これはいけると感じて開発に踏み切りました。商品化には、製造立案や調査から、企画会議を何度も行い約5ヶ月もつぎこんだそうです。実際の製造は既に販売している「龍興寺清水」を委託製造している静岡県の業者に依頼し、水の湧き出ている場所から直接10トンローリーで汲みあげ、製造工場に運んで名水サイダー「きらめく農村」になります。

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木島平村遠景

村のやさしさをこだわりに
同公社ではサイダーの名前にもこだわりました。田舎っぽい名前で、農業を基軸とした名前であること、農業の発展こそが村の発展であるとの思いから、北信州木島平村産名水サイダー「きらめく農村」と名づけられました。透き通ったガラス瓶は、村の澄んだ空気をイメージし、そこに村のシンボルカラーである赤・緑・青の印象的なラベルが貼られています。赤は、溢れる熱き思いや頑張る気迫を、緑は自然の豊かさや青々と茂る稲穂とこころの安らぎを、青はブナの森から生み出され、大地と住民を潤す、湧き出る水と空気を表します。あくまでも農村をイメージできるパッケージを意識したのです。

硬度19ミリグラムの軟水を使ったこのサイダーには、飲む人にやさしい3つの気遣いがあります。

 1.糖度が8度以内に設定されて甘さひかえめ
 2.炭酸が控えめで飲みやすい
 3.飲み切りサイズ

これらはすべて、高齢者が多い、村ならではの気遣いで、木島平を訪れる子どもからお年寄りまでの誰もが喉を潤せるものにしようと考えられました。甘すぎると余計に喉が渇いてしまうような気持ちになりますし、炭酸が多いとそんなには飲めませんし、量が多いとぬるいサイダーを飲まなければいけなくなってしまうから、というように、それぞれが納得できるこだわりです。

「龍興寺清水」は村の象徴
木島平村には加茂清水や馬曲温泉の入り口など、多くの湧き水がありますが、この天然水サイダーでは、それらの中でも、以前当ブログの「長野県の名水を求めて」シリーズの中でご紹介した「龍興寺清水」を使用しています。

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龍興寺清水

この名水は、村の内山地区から湧き出る清水で、かつてこの地区にあったお寺の名から「龍興寺清水」と呼ばれ、住民のみなさんの努力により大切に守られてきました。1日約1200トンもの水量で、地域住民の方々は飲用やそばやうどんをゆでるのに使ったり野沢菜を洗うのに使ったり、作業の水分補給にも使っていて、農作業の合間に田んぼや畑からこの清水まで来て水を飲み、そしてまた農作業へ戻るのです。

豊かな自然を守る生命の水であり、おいしいお米の基になっている水でした。取材に訪れた先週水曜日(8月11日)にも、大きなポリタンクを車いっぱいに積み込んでおられる方を目にし、水をいただきに来る人々が後を絶たないという状況。長野市からわざわざ水汲みに来ている方に話を聞くと「以前は別のところで水を汲んでいたが、友達に紹介してもらってここに来るようになった。この水で入れるお茶や炊くごはんがおいしいのよ」という声や「1カ月分の飲料用水を汲んでいくんだ」という感想も耳にしました。

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今日も水を汲みに来る人がひきもきらない

名水サイダー「きらめく農村」は、木島平村「農産物直売所 食彩市場たる川・観光交流センター」、JA北信州みゆき農産物直売所の「千曲川」や「ふるさと豊田」、また木島平村が姉妹都市提携する東京都調布市のアンテナショップ「食の駅新鮮屋」などで販売されています。木島平村と村民の想いが詰まった名水サイダーをぜひお試しのほどを。

最後に村からのメッセージ。『全国に「農村文明の創生」を唱え、農村で生活を営む木島平村へ足を運んでみてください。おそばや鬼島おやきなどの郷土料理や温泉、スキー場など村を体感できます。特に露天風呂から見る夕日は絶景ですのでお越しください』


名水サイダー「きらめく農村」はここで買えます:

木島平村「農産物直売所 食彩市場たる川・観光交流センター」
〒389−2303
長野県木島平村大字上木島5691−1
TEL 0269−63−3620
食彩市場たる川ウェブサイト

農産物直売所「千曲川」
〒389−2414
長野県飯山市大字常盤7425
TEL 0269−62−1887
道の駅「花の駅・千曲川」ウェブサイト

ふるさと豊田
〒389−2104
長野県中野市大字永江2136
TEL 0269−38−2277
「道の駅」ふるさと豊田ウェブサイト

調布&木島平 食の駅 新鮮屋
〒182−0026
東京都調布市小島町1−34−11
TEL042−489−3610
木島平村アンテナショップ新鮮屋ウェブサイト

参考サイト:

木島平村公式ウェブサイト 自然劇場木島平
JA北信州みゆき

あわせて読みたい:

長野県の名水を求めて 龍興寺清水まで の巻2009年1月

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