南仏にでもありそうな、おしゃれなフラワーショップへ、信州の花を買いに出かけてみませんか？ 地産地消といえば野菜や果物など農産物がすぐに思い浮かびますが、花の地産地消も進めようと、松本市のフラワーショップ「メゾンフルーリ ド プロバンス」が産地表示をした花の販売を開始し、人気を呼んでいます。７月から、毎月初旬に県内ＪＡで生産する花を集めたフェアを開催して、地元の消費者にも地域で生産される花のアピールを展開。３回目となる９月は１７日（金）、１８日（土）、１９日（日）の３日間。今回はダリアを中心に県内の花が店頭に並ぶ予定です。
花の名称と一緒に産地も
「メゾンフルーリ ド プロバンス」は、東京都世田谷区二子玉川にある「メゾンフルーリ」が昨年７月に初めての地方に出店した松本支店。「メゾンフルーリ」は、花の雑誌「花時間」（角川マガジンズ）や「フローリスト」（誠文堂新光社）などに連載を持つ人気フラワーデザイナー・佐々木久満（ささきひさみつ）さんのフラワーショップとしても知られ、季節の花を使ったフランス風のアレンジメントなどが女性を中心に人気で、花の講座は首都圏に２０カ所・４０講座が開かれているほど。１９７４年創業の本店では、数年前から、価格表示カードに、花の名称と一緒に産地も記しているそうです。
「花にも旬があるので、お客さんにも産地を知っていただこうとの思いから表記しています」と、松本店の清水陵（しみずりょう）さん。
田舎の花の咲く家という名前
オープンからちょうど１周年の今年７月、地元に特化した表記で地産地消につなげようとはじめたのが、信州産の花のフェアです。
７月はカーネーション、８月はトルコギキョウをメインに並べ、地元の花を紹介しました。
「花が新鮮で色も良く、お客さんにも大変評判でした」
清水さんはそう語ります。本店の「メゾンフルーリ」はフランス語で「花の咲く家」という意味で、松本店の「メゾンフルーリ ド プロバンス」には「田舎の花の咲く家」という意味があります。普段は東京の本店と同じ花が並ぶ店内ですが、店名には、地方ならではの特徴ある花を並べたいとの思いが込められているのです。清水さんは話を続けます。
「信州の花は昼夜の温度差から生まれる発色の美しさや、花弁に厚みのある日持ちの良さが特徴です。信州にあるからこそ、地元ならではの旬を紹介していきたいですね」
信州は世界有数の花の産地
清水さんは長野県茅野市の出身。岡谷工業高校、東京農大とラグビー部に所属していたラガーマンでもあります。大学時代に興味を持った品種改良の技術を生かし、卒業後は種苗会社に勤務、花の生産者に種苗の販売をしていました。しかし、花の質ではなく相場で決まる花の価格に、時には悩み「生産者に売れる花を作ってもらうために、小売店がどんな花を求めているのか知りたい」と、２年前に転身して現在に至ります。
「信州はトルコギキョウの品種改良や栽培レベルでは国内トップクラス」清水さんは少し自慢そうに続けます。「もともとアメリカ原産の花ですが、今やレベルは日本の方が上ですから、信州は世界トップであることの誇りを持っても良いと思います。地元に上質な花があることを私たちが紹介することで、花の消費を増やしていきたいですね。そのためにも、まずは名前や、旬を知ってもらうことだと思っています。そうして地元で販売することで、これまで見えなかった消費者の反応を生産者にも伝え、消費者と生産者とを結ぶ役割が担えたらうれしいですね」
ミニブーケにこめる暮らしの思い
店頭に並ぶミニブーケ（５２５円）には地元の花を使ったものもあり、部屋に飾ったり、ちょっとした手土産にしたりすれば、暮らしのアクセントになりそうです。もちろん予算に応じた花束やアレンジメント（３０００円〜）にも応じてくれます。地産地消の哲学に基づきつつ、都会のセンスを加えて、リラックスして落ち着くナチュラルな花の文化が広がりはじめています。
アクセス：
メゾンフルーリ ド プロバンス
〒３９０−０８１１
住所 松本市中央１−３−１３
電話・ＦＡＸ ０２６３−３６−２８７１
営業時間／１０時〜２０時（日曜、祝日は１８時まで）
定休日／不定休
メゾンフルーリ ド プロバンス ブログ
メゾンフルーリ 本店公式ホームページ
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