手作りのおやつをご紹介しましょう。長野県では北部の地域を中心に昔から、毎年春になると作られているおやつで、名前は「やしょうま」といいます。それぞれの色がきれいですよね。こんなにカラフルな「やしょうま」が作れれば、みんなが笑顔になれること間違いなしです。え? 着色料は使っていないのかですって? はい、人工的な着色料はひとつも使っていません。これらはすべて、自然にある食物から色をつけているのです。ですからもちろん、体に安心・安全。主な材料は最近注目されている「米粉(こめこ)」です。
なぜ「やしょうま」なの?
じつはこのやしょうまは、お釈迦様のなくなられた涅槃会(ねはんえ)の2月15日に仏壇に供える細長い米の粉で作った団子です。「やしょうま」の呼び名の由来はいろいろいわれています。信州は馬との関わりの深い土地で、団子の形が骨ばった馬の背中に似ていることから「やせうま」がなまったものとか、またお釈迦さまが臨終のときに弟子の"ヤショ"が好物の団子を作ってあげたところ、「ヤショ、うまかったぞ」とおっしゃったとか。お釈迦さまが日本語をしゃべられていたのかとけして問い合わせてこないでください。なにしろ信州ではそういい伝えられているのですから。
今回やしょうまの作り方を教えてくださったのは『長野市若穂地区食生活改善協議会』から有志で集まってくださったみなさん(写真)です。"私たちの健康は私たちの手で"をモットーに、月に一度、バランスのよい食事や郷土食を研究し、地域の学校へ出向いて、子どもたちと一緒におやつ作りも教えているみなさん。同協議会の会長、千原てる子さん(上写真左から3人目)は「はじめはおっくうかもしれないけれど、やってみると思ったより簡単で、楽しくできます。愛情をこめたおやつ作りをみなさんにもやってみて欲しいです」と話しました。やしょうまをつくっているあいだじゅうの、メンバーのみなさんの楽しそうな様子がとても印象的でした。
では、作ってみましょう! やしょうま
できたてのもちもちの食感は一度食べたらやみつきですよ。時間がたって硬くなってしまっても、表面を焼けばまた一段とおいしさが増します。油で揚げて砂糖醤油で食べてもおいしいんです。
"うずまき"やしょうまレシピ
■基本の生地(2本分)
米粉 500g
片栗粉 50g
砂糖 40g
塩 大さじ1
熱湯 500cc
酒(手水)100cc
もめん糸
■色づけ用
野菜など色々な食材から、カラフルな色をつけてみる。
今回使用するのは赤色と緑色。
赤色、ピンク色・・・ビート
緑色・・・青のり
作り方
1、米の粉、片栗粉、砂糖、塩をよく混ぜてふるっておく。
2、1に熱湯を少しずつ加え、
耳たぶくらいの柔らかさにこねる。(やけどに注意!)
3、卵大にちぎり、平らにして、クッキングペーパー(又は敷布)
を敷いた蒸し器にいれ、
20〜25分くらい粉が透き通るまで蒸す。
(中央は蒸気が上がるように空けておく)
4、3をクッキングペーパー(又は敷布)に包んだまま
水の張ったボールに入れ、冷水にとり、水気を切って
乾いたボールにとり、酒を手水にしてよくこねる。
5、3をそれぞれ分量に分けて色づけする。
白色 5分の3
赤色(ビートで色をつける) 5分の1
緑色(青のりで色をつける) 5分の1
6、うずまきに巻く
まず白色の生地を四角く伸ばす。
そこへそれぞれ色のついた生地を、
少し小さめの大きさの四角形に伸ばして重ねる。
そして空気を抜きながらしっかり巻く。
7、巻き終わって、しばらくしてからもめん糸で切る。
上記の材料のうち、熱湯を牛乳に替えて作る方法もあります。健康的なおやつにぴったりですね。色々な材料を使ってカラフルに、また模様も変えながら、やしょうま作りに挑戦してみてください。ちなみに、千原さんはこんなにかわいい模様のやしょうまを作ってみせてくださいました。
このレシピを元に、あなただけのオリジナルの「やしょうま」を作ってみてください。ユニークなものができたらぜひ写真に撮影して編集部に送ってください。
※参考 野菜などの色々な食材から、カラフルな色をつけてみる
緑色・・・抹茶、ほうれん草、よもぎ、青のり
黄色・・・かぼちゃ、くちなし
茶色・・・コーヒー、ココア
紫色・・・紫いもの粉、ブルーベリー
黒色・・・練りゴマ
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・今年最初のやしょうま作りを見てきたよ(2006年1月16日)