新・信州暦 もみに実が入り熟していくころ

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ようやく涼しくなったのに、雨が降ったりやんだりを繰り返す、そんなはっきりしない天気が続いています。軽井沢や志賀高原などの高地では日中の気温が20℃を超える日が珍しい今日この頃です。

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先週末の土曜日には強い風が吹き、いきなり長袖なしではいられないような日となりました。ふと気づけばセミの声も消えて、夜には秋の虫たちの合唱が聞こえてくるようになっています。25日に発表された気象庁の3カ月予報では、秋の気温は平年より高い確率が50%とのことですが、さて、このまま真っすぐ秋の涼しさへと向かうのでしょうか。平年より高くない確率も50%なわけで。(^_^)

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県内の田んぼを見てみると、実るほどに頭を垂れている稲の姿があちこちで見られるようになりました。稲が実り、お米にデンプンが蓄積されていくころのことを「登熟期(とうじゅくき)」といいます。この時期、昔なら案山子の出番なのですが、今では鳥よけのネットが張られた田も、チラホラ見うけます。県内で一番米の収穫が早い中信地方では、例年通りの生育ならそろそろ収穫の声が聞こえてきそうなころなのですが。新米が待ち遠しいですね。

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県下各地で早生りんご「つがる」の出荷が続き、桃の「川中島白桃」が出荷量を増やしてきています。梨「幸水」、ぶどう「デラウェア」も引き続き直売所やスーパーの店頭をにぎわすことでしょう。そういえば先月末の当信州暦の記事でもお伝えした川中島白桃の発祥地を訪ねるイベントが25日に行われて、県内外から100人ほどが参加し、白桃の原木について説明を受けたほか、出荷までの流れを学びました。

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信州各地に辛味大根の搾り汁にみそやネギ、かつお節を混ぜて食べるおしぼりうどんが食文化として伝承されています。先日、埴科郡坂城町(さかきまち)の南条小学校で地元特産の辛味大根である「ねずみ大根」の種まきを小学生が体験しました。この10月下旬に収穫する予定です。坂城町では、来年度に初の「全国辛味大根サミット」の開催を予定しており、このサミットに向けて、当ブログでもお伝えした「ねずみ大根焼酎」の新商品作りに取り組むそうです。

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ジンギスカンで有名な信州新町のことは、昨年の8月に当ブログで「これが信州のジンギスカン料理がうまい理由」としてお伝えしていますが、現在、町では綿羊のイメージキャラクターとその愛称を募集中です。キャラクターは綿羊のサフォーク種をイメージしたデザインに限定。同町のホームページから応募用紙をダウンロードできます。9月30日締め切り。

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下高井郡野沢温泉村の野沢温泉旅館ホテル事業協同組合が、このほど温泉を使った化粧水を商品化し、販売を開始しました。名前は「みゆみすと(1本1050円)」といい、第84代天皇の順徳天皇が日本三御湯として野沢温泉を選んでいることからこの名をつけたのだとか。DSC_2216.jpgさらに「みゆせっけん(1個840円)」も同時発売しています。お問い合わせは野沢温泉旅館組合直営のネットショップ「AKINDO」もしくは、野沢温泉旅館ホテル事業協同組合(電話 0269−85−2056)まで。

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tora08a.jpg今日27日が「寅さんの日」だって知っています? そうです、"フーテンの寅"のあの寅次郎のことです。1969年のこの日、山田洋次監督・渥美清主演の映画『男はつらいよ』シリーズの第1作が公開されたのです。寅さんが国民的なヒーローになるなんてそのとき誰が考えたでしょうか。さて、そこで心に残る寅さんの言葉をひとつ。

「例えば、日暮れ時、農家のアゼ道を一人で歩いていると考えてごらん。庭先にりんどうの花がこぼれるばかりに咲き乱れている農家の茶の間、灯りがあかあかとついて、父親と母親がいて、子供達がいて、賑やかに夕飯を食べている。これが……これが本当の人間の生活というものじゃないかね、君。」

――映画『男はつらいよ寅次郎恋歌』より

inyan.jpgその年の立春からつぎの年の立春が巡ってくるまでの1年を72の気候の移り変わりに区切った七十二侯という季節の読み方によれば、28日は立春から数えて41番目の気候に移る日です。9月2日までの5日間の気候は「天地始めて寒し」とあります。信州の高原の夜は長袖など暖かく体を覆うものが必要です。

bigsnakefes.jpg30日土曜日の夜にその志賀高原で花火打上げのある「大蛇祭り前夜祭」が開催されます。翌31日日曜日が大蛇祭りの本番。古くから志賀高原のシンボルである大沼池に住むとされる「大蛇」の伝説に基づき毎年開催されているお祭りです。

storm.jpgその31日は新月、そして「二百十日」。立春から数えて210日目で、昔から大風が吹く日、台風の襲来する日として恐れられました。また8月31日は「野菜の日」でもあります。なぜ野菜の日かというと「8」「3」「1」・・・

typhoon.jpg9月1日は「防災の日」で、二百十日、二百二十日と並んで、旧暦の8月1日にあたり「八朔(はっさく)」「八月朔日(さくじつ)」の略とされるこの日もまた農家の三大悪日とされ、「台風が来る日」と考えられていました。七十二侯という気候の区切りで、天地始めて寒くなる日から数えて5日目の2日は「稲が実る日」です。いよいよ本格的な秋でしょうか。

scenicmilkyway.jpgこのところあまり天気の良くない日が続いていますが、月末の新月になるころには秋らしい空が広がるかもしれません。天の川を眺めるには絶好の季節です。夏が終わってしまう前の澄みわたった日の夜には、暖かい服装で外に出て、光のないところまで出かけて、天の川を見てみませんか。東京ではもう30年以上天の川が見えたことがないそうですが、信州には天の川が見れるところが各地にあります。信州の高原の暗い空を見あげれば、北の天空から南の天空に向かって流れる天の川は、まだ誰にでも見つけることができます。天の川のなかに見える星のひとつひとつは、10万光年というとてつもない広がりを持つ銀河宇宙のなかにあり、われわれの暮らす惑星の属する太陽系もまたその一部なのです。おそらくこんなに美しい天の川の写真は見たことがないと、信州に暮らしている人たちですら言うであろう天の川の驚くほど美しい写真を、先月アメリカの航空宇宙局(NASA)が「ここ」に公開しました。カナダのオンタリオというところで撮影したもので、無数の星が無数のままそこには写しだされています。天の川が見えないところの人はこの写真で我慢してください。信州でこれに負けない天の川の写真が撮影できたらぜひ当編集部まで送ってください。

indexarrow.gif 長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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