5月の大型連も終えると、ここ長野県では田植えが本格的にはじまります。先日、信州の中部の安曇野に出かけたときには、北アルプスの麓ではすでに田植えをしている農家さんも見かけました。
日本の主食であるお米と、長野県のおいしい食べ方読者のみなさんの距離をグッと縮めるべく、当ブログ本年3月5日付「人を育て心を育てるバケツ稲づくりのすすめ」の記事で紹介した「バケツ稲づくり」プロジェクトに編集部が挑戦する記録の第2回目。さあ、田植えの季節ですよーっ!
バケツのなかの田んぼの用意
1ヶ月前に「芽だし」をしたベイビー稲たちも、ちゃくちゃくと生長してきて、いよいよバケツ稲づくりでも田植えの段階がはじまります♪
バケツ稲づくりの田植えでは、ではなにからはじめればよいのでしょう?
もちろん、稲を育てる大地の準備から。それには「土」ですよ「土」。土がなくてははじまりませんからね。
一番いいのは田んぼや畑の土が良いでしょう。
しかし、手に入らない場合も多いはずです。
理想的な土はこう作ろう
落ち着いて、落ち着いて。そんな場合は、お近くのJAやホームセンター、園芸店などで「黒土」と「赤玉土(あかだまつち)」と「鹿沼土(かぬまつち)」を購入して、それらをよく混ぜあわせると、とてもよい土が出来あがります。
まぜる割合は、黒土が6に対して、赤玉土3、鹿沼土1です。
黒土がない場合は培養土でも大丈夫。しかし培養土は、もともと肥料が含まれているので、培養土を使うときには、バケツ稲セットに入っている肥料を入れる必要はありません。
そうして土の準備ができたなら、まずはビニールシートなどにその土を広げて太陽光にあてて、乾かしてあげます。
良く晴れた風のない日を選び、土を陽に干して乾かすと、土の中にすんでる菌が活気づき、稲の生長を応援してくれるのです。
稲の望む環境作り
さて、つぎはよく乾いた土をバケツに入れます。バケツは、稲が大きく育つように15リットルのものをおススメしています。
土をバケツに入れた後に「種もみ・肥料セット」の肥料をすべて入れます。そしてよく混ぜ合わせたら、表面をたいらにしてあげます。
品種によって、肥料をたくさん使うもの、少なく使うものがありますが、セットにはあらかじめ各品種にあわせた量が入っていますのでご安心を。
土の入れすぎは失敗のもと
土は、バケツからあふれるほどいれてはいけません。少なくてもバケツのふちから5センチぐらいの余裕があるようにしてください。そのぐらいがよいのです。
このバケツ稲セットの肥料は、「窒素」と「リン酸」と「カリ」の肥料の3要素を含む化成肥料です。
すぐ効くものと、ゆ〜っくり効くものをまぜて、効き目が長続きするようにつくられています。そのため、後から肥料を追肥しなくても充分育ちます。
最近、肥料の効きがおだやかにきく緩行性肥料のおかげで、お米農家さんも田植え前(もしくは田植えと同時)や育苗の1回の施肥で栽培することもできるようになりました。
稲が好きな土の条件は、必要な栄養素の窒素、リン酸、カリが入っていること、そして水はけがよいこと、さらに根がのびのび成長できるやわらかめの土であることです。
芽を鳥たちに食べられないようにご注意
そうやって土の準備ができたら、バケツに水を入れて、そこに芽だしした種もみをまきましょう。
それぞれを近づけすぎないように、少し離して種もみをまきます。
人差し指で、つめ分ぐらい押しこんで、土をかぶせてください。
芽が出ると、いずこかからスズメが苗をねらってバケツへやって来ることがあります。用心のために網やザルなどをかぶせておくといいかもしれません。
農家では、田んぼの稲を同じように生長させるために「代かき(しろかき)」という準備をします。代かきは、田植えの前に田んぼをよくたがやして水をはり、表面を平らにする作業です。
毎日の水の管理を日課に
そうやって種まきをしたら、日当たりと毎日の水の管理が大切になります。
バケツをベランダなどなるべく日当たりのよいところに置き、芽がでるまでは土の表面をかわかさないよう、くれぐれも気をつけましょう。
種まきをしてから5日ほどで、白い芽(しょうよう)の先が割れ、中から第1葉が出て、葉がふえていきます。
日当たりのよいところにおいてあるバケツは、温度変化に注意しながら育ててみてください。最適温度は、16〜28度です。温度が暑すぎると苗はすぐ育ちすぎて、軟弱になってしまいます。
次回は苗を移しかえることに
芽が出て5〜10日たち、葉が3〜4枚にふえたら、苗を抜きとります。よい苗を2〜3本(コシヒカリは4〜5本)まとめたら、それをバケツの中心に移しかえることになります。
残りの苗も数本ずつまとめて別のバケツを用意して植えておくと、生長の違いなどを観察できますよ。
次回は、苗を移しかえる作業にとりかかります。