左写真は長野市善光寺近くで見た夜桜。県内の各地で春が炸裂して、木々に生命力がみなぎり、花が咲き乱れようとしています。桜は、今週ぐらいが広い地域でお花見の楽しめる最盛期といったところです。南信の南木曽ではミツバツツジ、北信の千曲ではアンズに代わりこれからのシーズンはチューリップの花びらが口を緩めていきます。また黄色がことのほか鮮やかなスイセンも、上田や中信の諏訪地方で見頃を迎えています。
花たちのあでやかさを引き立たせるのが、このところの日中のぽかぽか陽気にもかかわらず、まだ山を被っている白い雪の衣です。長野市内からも裾野を広げた姿が遠望でき、車で30分ほどで麓まで行ける北信濃の飯綱山(1,917m)にも、まだ雪があるなんて、今年は雪が多かったのだなぁと、つくづく思います。
そうした雄大な山国信州の景色を満喫するなかで開催されるのが、この日曜日20日に開催される第10回長野マラソン。オリンピックを記念して実施される、世界唯一の大会で、世界トップクラスの招待選手たちが走るだけでなく、今年は過去最多の一般ランナー8,000人が国内外から出場するそうです。また、そのうち10年連続して出場する人は500人弱もいるとか。走る人とそれを応援する人、合わせるとどれだけの人がこのマラソンを見守ることになるのでしょうか? 写真は長野マラソンを記念して発売されている完走記念お守り。
そして今年の春、最初に登場した果物は「ハウスブドウ」。北信の中野市や須坂では“巨峰”や“ナガノパープル”“種なしピオーネ”が東京、名古屋、大阪の市場に向けて出荷されていきました。重油高騰の影響で、農家は苦労されましたが、出来は上々で、今年は糖度18以上、酸度1.0以下の高品質な自慢のブドウが出来たということです。初物を食べると寿命が七十五日延びるとことわざにもありますから、ぜひお試しを。
花に果物にと、今年も「おいしい長野県」が活動しはじめました。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週末、千曲市のあんずの里で撮影したもので、まさしく見ごろ。その咲き方は見事というか、圧巻でした。
●131年前の今日、「青年よ大志を抱け」の言葉で知らぬ人のないW・S・クラーク博士(札幌農学校・写真の銅像)がアメリカに帰国しました。それが理由で、4月16日は「大志を抱く日」とされています。
17日は春の土用の入り。この日から次の立夏(5月5日正午)の直前までが「土用」の期間です。「土用」には季節の交代を円滑に進めるという意味があります。この期間は土の力が大きくなる時で、いのちを育成する力と、衰退するものを土に還すという相反するふたつの性格が表れます。それによって季節を調節する役目をになっているといわれています。昔からこの時期に土を深く、1メートル以上も掘り返す作業をするのは、頭と心と体に影響が大きいとして、避けられました。
20日は、満月であり、二十四節気のひとつ「穀雨(こくう)」です。暦便覧には「春雨降りて百穀を生化すれば也」と記されています。農家もこのときまでには田んぼや畑の準備がほぼ整っていて、春のやさしい雨が柔らかく降りそそぐころであり、乙女の心の如く変わりやすかった春の天気も落ち着きを見せはじめるといいのですが。北米大陸の先住民のある部族は、4月下旬の満月のことを「植物にいのちがよみがえり、再び花を咲かせて、大地の新しくなる月」と呼んでいます。21日の夜中、22日の午前0時ごろ、夜空を見あげてみてください。冬の星座は姿を隠しはじめていますが、この晩、東北東の夜空から流れ星がいくつも、1時間に10から多いときには100ぐらい、運がよければこちらに向かって飛んでくるのが見ることができるかもしれません。こと座流星群がこの夜極大になるのです。
明けて22日は世界的にアースデー(地球の日)。地球全体の環境を守護するために国や人種を越えて一人一人が行動を起こす日です。1970年(昭和45年)にアメリカではじめられ、このうねりが環境保護庁設立のきっかけとなりました。ぜひ家族でエネルギー資源を使う量をどれくらい減らせるかを考えてみましょう。近所に買い物や、郵便を出しに行くときなど、出かける時には可能なら自動車ではなく自転車を使うようにしましょう。無駄にエネルギー資源、とくに化石燃料を消費しない道具を選んでいるでしょうか? この日は旧暦の3月17日です。今年がはじまって113日目。
長野県の春の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより