お花見には、もう行かれましたか! 「桜は七日」ということわざがあります。信州にお住まいの方も県外の方も、この一週間は桜の開花と共に季節感あふれるひと時をお過ごしになられたことと思います。あっという間の桜でした。油断はできませんが、これで本格的に「春」ですね。
長野地方気象台(長野市箱清水)が構内にあるソメイヨシノの標本木が開花したと発表したのは先週9日の金曜日でした。平年の開花日より5日早く、昨年より1日遅かったそうです。翌日の土曜日、途端に信州各地はお花見日和になりました。桜祭りも各地で開かれていました。長野市で23.3℃、松本で22.7℃、飯田で20.3℃となり、4月下旬から5月下旬並みの気温を記録。伊那谷方面の桜は一気に満開となり、桜の名所で有名な高遠城址公園のタカトオヒガンザクラは、例年より花の色づきがよく、多くの観光客を集めたそうです。また、松本市の松本城、上田市の上田城でも、この日はうってつけのお花見日和で、多くのお客さんの目を楽しませました。
好天に恵まれた先週11日、諏訪大社御柱祭の下社山出しには22万6千人もの人出がありました。諏訪地方観光連盟の御柱祭情報センターでは3日間の合計を53万6千人とし過去最高としています。おそろしい数ではありませんか。同じ土曜日、そこそこに空いていた長野市内の公園では親子連れがピクニックやキャッチボールを楽しんでいました。学生たちもサークル活動でしょうか、公園で気持ちよさそうにダンスや絵を描く姿が見られました。
ところが翌日の12日月曜日の信州は、一転して雨模様となり、冬のような寒さが戻ってきて、せっかく待ち望んでいた桜の花もだいぶ散ってしまったようです。桜の名所の案配やいかんと、さわやか信州旅ネットの信州さくらだよりをチェックすると、平地の桜はほとんどが満開を過ぎた状態で、高度の高いところの桜が現在咲き始めから三分咲き程度でしょうか。きれいな花は山に咲くとの言葉どおり、山の桜の見頃はまもなくです。長野県北部は昨夜から再び寒くなったために桜の見頃も数日は延びたかもしれません。
桜のほかにも、立科町の白樺高原にある女神湖畔ではザゼンソウが、下高井郡木島平ではフクジュソウが、見頃を迎えています。いずれにせよ信州の桜の名所の見頃はここ数日ですけれど、こちらのフクジュソウは20日ごろまで、ザゼンソウは来月上旬まで楽しめます。ちょっと心残りではありますが、桜の季節もまもなく終盤。平地の桜の花がことごとく風に飛ばされてしまうころになると、信州は最も気持ちよくなる淡い新緑の季節に入っていきます。
天気が春めいてくると、まるで「ぽっ、ぽっ」と音がするように、信州の畑のあぜ道などのあちらこちらで、たんぽぽやつくしが顔をのぞかせてきます。畑では肥料をまく人もいれば、耕うん機で畑をおこす人、農作物の栽培の準備をする人の姿も見られます。草も青々と育つようになり、ということは農家と草の格闘はすでに始まりを迎えているのです。
レストランなどのメニューには「空豆のスープ」「タケノコご飯」「山菜の天ぷら」「菜の花のサラダ」などなど、春野菜のメニューがずらりと並びます。みなさま、ご家庭でも「春の信州」を満喫してください♪ いよいよこれから信州には季節の楽しみが次から次へとやってきます。体と心とお腹と別腹の準備はよろしいですか?
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。水温む季節。長野県内でもぽかぽかした先週末(10日)、安曇野市穂高にある大王わさび農場で撮影しました。雄大なわさび田の満開の白い花と澄み切った水が日の光で輝いていました。北アルプスからの豊富な湧水に思わず見とれ、信州を実感します。例年ですと5月はじめくらいまで花が楽しめます。
●今夜は新月です。今年になって4回目の新月。新月の日の月を「晦日月(みそかづき)」と呼びます。明日からまた新しい月のサイクルがはじまります。次の満月まで2週間。満月は今月28日水曜日です。
明後日は三日月の夜。夕方に西の空を見ると、細い月と明るい星がふたつ見てとれるはずです。ひときわ明るく輝いている星が宵の明星である金星、もうひとつの明るい星は水星です。水星がこれほどはっきり見えるのは今だけです。この日は旧暦の3月3日、桃の節句をこの日に祝う土地が信州にも多くあります。千曲市のあんずの里であんずの花が開花したのは5日のことでした。12日には花は落ち始め、色も褪せてきています。薄紅色の花びらと、そよ風にただよう淡い香りが、景色を華やかに染めたあんずまつりの日々も16日には終わってしまいます。この次にあんずの里であんずが楽しめるのは、その実を口にする1ヵ月ほど後になります。
17日は第28回 上田真田まつりの日です。今年から本来は4月の第3日曜日なのですが、日曜日は上田の生島足島神社で7年に一度の御柱祭があるために、真田祭りは17日になりました。またこの日は又、春土用入。この日から次の立夏の直前までが「土用」の期間になります。そしてこの日の月は日没と同時かその直後に西に沈む「夕月」。「菜の花畠に、入日薄れ、見わたす山の端(は)、霞ふかし。春風そよふく、空を見れば、夕月かかりて、にほひ淡し」という唱歌は『朧月夜』(おぼろづきよ)です。陽が沈んでいく菜の花畑の光景が目に浮かびます。作詞をした高野辰之は長野県下水内郡豊田村(現中野市永江)の出身でした。また4月17日は、「飯田・下伊那の日」とされていて、「五平もち記念日」でもあります。なんでも「下伊那」を「し(4)もい(1)な(7)」と読む語呂合せからだとか。
来週4月22日は「アースデイ」という地球規模のイベントの日です。1970年にアメリカで環境を学ぶためにはじまり、今では世界180の国で、5億人もの人が参加して、その日の前後におこなわれるようになりました。長野県でも「ながのアースデイ2010」が各地でおこなわれます。皮切りは17日土曜日に長野市の城山公園ふれあい広場で、18日(日)は上田市で、24日(土)には佐久市、25日(日)は大町市、29日(木・祝)には伊那市、5月1日(土)は松本市でおこなわれます。地球のためにもしなにかをしたくなったら、会場に出かけてみてください。小さなコンサートから、地球にやさしいライフスタイルの提案や、体と地球にやさしい食べ物やグッズのショップまで、1日地球のことを考えて過ごしてみませんか。ながのアースデイ2010ブログには誰がどういうことをおこなうのか詳しく書かれています。
20日は二十四節気のひとつ「穀雨(こくう)」。江戸時代の暦便覧には「春雨降りて百穀を生化すれば也」とあります。春のやわらかな雨が大地をうるおして、田や畑の準備が整うころです。この時期に降る雨は「百穀春雨」といわれ、百穀に水分を与えて芽を出させる春の雨の意味です。農家にとってはなくてはならない雨のことなのです。雨も降るのですが、天気は次第に安定化していき、信州でもようやくこのころから本格的に春らしくなってきます。緑がだんだん濃くなっていくのです。20日の夜の月は、その形から「弓張月」と呼ばれています。
長野県の春の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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