サクラ〜さくら〜♪ お花見ですよ! 満開ですよ! 毎年この時期、その生命力の強さに感動させられて、心なしか楽しい気分になります。あたりまえの景色がちがって見えるのもこの時期。美しさに思わずうっとりして、あ〜日本に生まれてよかった! なんて思ったり(でも日本には野生の桜はひとつもないんですよね。全部誰かが植えたものなんです。これってすごいことですよね)。さて、さくら前線がゆっくりと北に向かい、信州各地からもつぎつぎと花の便りが聞こえてきました。
先週は寒波の影響で「寒の戻り」がありましたが、ひと雨ごとに暖かくなってきているのを実感します。県内でも桜前線にあわせて、開花と同時に各地のサクラの名所は花見客で賑わっています。そこでお花見です。
お花見と一口にいっても、いろいろな楽しみ方があるわけで、家族や友たちみんなでお弁当やお酒を持ち寄ってわいわい騒ぐ花見から、静かにお寺や山の一本桜を眺めて感慨に浸る花見、ドライブしながら桜の花のトンネルのなかを走り抜ける花見、さて、あなたのお好みは、どんなお花見かな?
わが国ならではのお花見スタイル
そもそもこのようなサクラの花見が、広く庶民の間に定着するのは江戸時代に入ってからのこと。江戸をはじめ各藩の城下町が豊かになるにつれて、あちこちにサクラの名所が作られ、花の咲く季節には飲食物を持参で花見をする習慣が根づいていきました。
この日は無礼講で、浮世の憂さを忘れ飲めや歌えのひとときを楽しんだとか。現在よく見られるソメイヨシノは、サクラ好きの日本人のために、手早く満開の桜花を咲かせたいという思いから、江戸末期に染井村(今の東京駒込周辺)の植木職人が何種類かのサクラを掛け合わせて作ったものといわれています。
葉が育たないうちに花が開くので見事ですが、散りやすいのが特徴。でも、逆にその散りぎわの潔さもまた日本人には好まれたようです。それまでは奈良原産のヨシノザクラ(山桜)が主流だったのですが、どこにでも根づくことからたちまちのうちに全国に広がり、今日、サクラといえばソメイヨシノをさすほどになっています。
[参考資料『きょうの出来事―信州歳時記366日』(信州世相文化研究会編 郷土出版社刊)]
長野県内でも、コヒガンザクラが有名な高遠城址公園や、ソメイヨシノ、八重桜、山桜が咲き乱れる小諸懐古園、ソメイヨシノを中心とした松本城周辺、800本以上のサクラの花に彩られる長野市城山公園など、サクラの名所はたくさんあります。そのなかの代表的な名所をご紹介しますので、さあ、時期を見計らってお出かけしましょう! お弁当持って!
今年の信州お花見情報
●高遠城址公園(伊那市高遠町)
中央道伊那ICから30分
夜桜あり(日没〜22時)
武田信玄の信州攻略の拠点として築城された高遠城。約1500本ものタカトオコヒガンザクラが公園内の石垣や堀跡を覆い尽くす。天下第一の桜とも呼ばれ、全国から40万人もの花見客やカメラマンで賑わいます。見ごろは12日ごろ。
【お問合せ】高遠町観光協会
電話 0265−94−2552
●城山公園・雲上殿(長野市)
上信越道長野ICから30分
「城山」は「ジョウヤマ」と発音する。善光寺東側の小高い丘に約320本のソメイヨシノが、夜遅くまで花見客で賑わう。満開は12日ごろ。気温は低めなので夜桜見物には寒いが、花を長く楽しむことができるようだ。善光寺の雲上殿や桜坂を上る展望道路もドライブコースにおすすめ。露店が並び、何軒もの花見小屋が営業をはじめている。
【お問合せ】(財)ながの観光コンベンションビューロー
電話 026−223−6050
長野市 産業振興部観光課
電話 026−224−5042
●臥竜公園(須坂市)
上信越道須坂長野東ICから10分
夜桜あり(満開期間中の18〜22時)
竜が臥しているように見える臥竜山(がりゅうさん)と公園の中心にある竜ヶ池からなる公園。池の周りにはソメイヨシノを中心に約150本、公園全体で800本の桜が植えられている。公園内の池に映し出される桜もまた絶景! 日没とともにライトアップがはじまり、幻想的な世界が展開する。周辺には動物園や遊園地などが整備されており、比較的平坦で歩きやすいので、家族で楽しめる場所。見ごろは13日前後に。
【お問合せ】須坂市観光協会
電話 026−215−2225
●松本城(松本市)
長野道松本ICから15分
国宝の天守閣が400年以上の歴史を誇る松本城。内堀と外堀、惣堀を囲むように約320本の桜が植えられ、城に華を添えるように桜が咲き競う。園内のシダレザクラと八重桜はほぼ満開、ソメイヨシノは八分咲き。開花中は夜にライトアップする「夜桜会」が開かれ、本丸庭園を無料開放している。11日まで、午後5時半から8時半の間に琴や尺八、フルートなどの生演奏も楽しめる。
【お問合せ】松本城管理事務所
電話 0263−32−2902
●上田城址公園(上田市)
上信越道上田菅平ICから15分
城の堀を巡るようにある700本を越えるソメイヨシノが一斉に咲き、桜の花が水面に映える姿がとても美しい。シダレザクラは八分咲きで、ソメイヨシノの見ごろは中旬ごろの見込み。3年かけて作り上げた「千本桜ライトアップ」が幻想的。また、上田市のNPO法人「信州いなか体験塾」が、上田城跡公園の桜にちなんだおまんじゅう「上田城桜まんぢゅう」を、14、15の両日、上田城千本桜まつりを開催中の公園内で限定販売する。皮は春らしい桜色で、表面に花びらの焼き印が施され、中は白あんをこしあんで包み込んでいる。白あんに桜の花びらの塩漬けを練り込み、上品な味。召しあがってみては。
【お問合せ】上田市観光課
電話 0268−22−4100
●高島公園(諏訪市)
中央道諏訪ICから20分
三層の天守閣を囲むように桃色の桜が園内を彩る。ソメイヨシノやヤエザクラなど種類が多く、長い期間楽しめます。
【お問合せ】諏訪市 都市計画課
電話 0266−52−4141
●小諸城址懐古園(小諸市)
上信越小諸ICから10分
シダレザクラを中心に約500本の桜が石垣に寄り添うように咲き乱れる様は華やかで趣がある。小諸が発祥のコモロヤエベニシダレが淡いソメイヨシノに囲まれて咲く姿がひときわ美しい。
【お問合せ】小諸市懐古園事務所
電話 0267−22−0296
●松代城址(旧海津城)
上信越道長野ICから5分
武田信玄が上杉謙信との戦いに備え築城した松代城。以前は石垣だけだったが、太鼓門が復元され、城内のソメイヨシノの大木が可憐な花をつけ城下町松代の春を彩る。ライトアップもあり、一段と風情を増す。エコール・ド・まつしろ「松代城春まつり」が14.15日、21・22日に開かれ、伝統芸能やウォーキングなど楽しめる。
【お問合せ】(財)ながの観光コンベンションビューロー
電話 026−223−6050