新信州暦 水ゆるむ頃。雪と雛人形の話題

20140219reki01.jpg立春から数えて15日目の今日は、二十四節気のひとつ"雨水(うすい)"。雪や氷が解け始め、雪が雨に変わる頃とされますが、信州は相変わらず、ぐるっと雪の山に囲まれています。関東甲信地方では、先週末、予想をはるかに上回る史上最多の大雪を各地で観測しました。災害により被害にあわれた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

高速道路や国道が通行止めになり、交通にも大きな影響が出ました。頼みの綱となる一般道は、チェーンを着けていない大型トラックが雪にタイヤを取られ、動けずに道を塞いでいたり・・・。また運良く先に進めたとしても、車道脇に除雪された雪のため道幅は狭く、行く先々で、対向車線からの車との擦れ違いや、足を取られた車の移動などで多くの時間を費やすこととなり、今回もまた自然の脅威には抗えないことを思い知らされました。
楽観視しない慎重な行動と、いつ災害に巻き込まれるか分からない緊急時への備えは、できる限り万全にしておきたいものです。

20140219reki02.jpg食品などを乗せたトラックが雪に行く手を阻まれていた状態でしたから、スーパーなどでは、生鮮食品やパンなどがきれいに売り切れる予想だにしない事態にまでなりました。物流の発達は素晴らしいものですが、災害時には瞬く間に状況が一変することの怖さも。
また、道路の除雪もままならない状態なので、地域の人々が集まって、歩行者用の通路を確保すべく、除雪作業を行っている場所もありました。自然災害が多い今、行政にばかり任せるのではなく、地域住民で力をあわせることも大切でしょう。この緊急時には、地元の方による炊き出しも行われ、人々の温かさも感じました。

積雪の影響は、ハウスの倒壊や農作物などに多大な被害を出していますが、早く寒さが緩み、一刻も早く雪を解かしてほしいと願うばかりです。
水分を含んで重くなった雪が、突如として頭に落ちてくることもありますから、建物の下を通る時などはくれぐれも気をつけましょう。

20140219reki03.jpg大雪や寒さが舞い戻っても季節は春へと向かっている今、冬篭りとして蓄えておいた農産物もそろそろ品質に変化が起きている頃でしょう。とはいえ簡単に捨ててしまうのはもったいない! 工夫次第で美味しく食べられる場合もあります。例えば、酸味を増した野沢菜漬け。刻んで油で炒めたり、"おから"に加えてもgoodです。また、ボケてしまったリンゴは、すり下ろしてヨーグルトと混ぜ、冷やして食べてもおいしいものです。

20140219reki04.jpg善光寺平の西側、別名西山地区は、斜面を利用して良質な大豆が生産される地域として昔から知られるところ。今週末の2014年2月22日から"西山大豆"とその加工品をPRする「西山大豆フェア」が行われます。22日〜23日は道の駅信州新町で、黄な粉づくりや餅つきが。また、道の駅中条周辺では、大豆入りの汁のサービスや豆料理の試食。さらに3月1日〜2日には、小川村・さんさん市場周辺で、汁のサービスや豆料理の提供などが行われます(一部有料)。豆好きの皆さん、ぜひ訪れてみませんか?

20140219reki05.jpg早いもので、あと10日で3月です。春の訪れを告げる「桃の節句」まであとわずかですが、県北部の須坂市にある須坂アートパーク一帯では、今年も高さ6メートル、30段に1,000体の雛人形をはじめ、約6,000体の雛飾りが豪華絢爛に並ぶイベント「三十段飾り 千体の雛祭り」が、2014年4月20日まで開催中です。詳しくは「世界の民俗人形博物館」電話:026−245−2340までお問い合わせください。
さらに須坂市内の商店など約100店舗では、代々守り伝えられてきたお雛さまが飾られるほか、地元の特産品が当たるスタンプラリーも3月1日から行われます。詳しくは「蔵のまち観光交流センター」電話:026−248−6867へ。
吹く風は冷たく雪も豊富、まだまだウィンタースポーツ真っ盛りの信州ですが、雛飾りを見てひと足早く、心に春を呼び込みませんか。






20140219koyomi.jpg[巻頭のカバー写真]
とっぷりと雪に覆われた先週末、茅野市蓼科。世界が止まってしまったかのような空間で、水だけが隆々と流れていました。




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*コラムはしばらくの間お休みさせていただきます。

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