2月も末になると、春が「もうすぐだな」と感じるくらい日が長く、また日差しも暖かくなり、気持ちもうきうきしてきます。畑の端にはオオイヌノフグリがほんとうに可憐な水色の花を咲かせています。スノードロップ(写真)も、色白のかわいい花を地面に向けて咲いています。スイセンもだいぶ芽を出していますし、梅もつぼみの白くなったものが見られます。すでに各地から福寿草が花開いた便りが届いてきています。
福寿草(写真)ですが、何回か園芸店で苗を購入して植えてみましたが、土質の関係でしょうか、まったく根付きませんでした。そんな折、10数年ほど前、訪れた辰野町の沢底地区のお宅の南向きの土手にたくさんの福寿草が咲いていました。できたら株を分けてほしいとお願いしたところ快諾をいただきましたので、10株ほどいただいて持ち帰り植えました。翌年、期待していた通り、福寿草が芽を出し見事に咲いてくれました。やはり土地土地の土などにより根付いたりそうでなかったりするんだと思いました。沢底地区では、当時は福寿草祭なるものを行っていませんでしたが、今は盛大に行ない多くの人が訪れると聞いています。
最近は少なくなりましたが、田んぼの中などでナズナの若葉(写真)を採種する人の姿を見かけるのもこの時期でしょうか。冬の味というよりも早春の味と言ったほうが適当かもしれません。茹でてしょう油とかつお節をかけて食べると、シャキシャキと歯ごたえがあり、冬の寒さの中で成長しながら蓄えた「おいしさ」は、なんともいえない春を感じる味が楽しめます。最近は、秋に田んぼを起こす場合がほとんどですので、ナズナの出る田んぼは少なくなっているようです。そんな事情もあってでしょうか。今では栽培して出荷する人もいるようで、結構人気があると聞いています。
気象庁が「エルニーニョ現象は春から夏の間に終息する可能性が高い」と今月監視速報で発表しました。エルニーニョは異常気象の原因のひとつとされるものです。さらには諏訪市の八剣神社が、20日に今季の諏訪湖の「御神渡り(おみわたり)」現象を判定する「注進報告式」をおこない、「明けの海にて、御渡りござなく候(そうろう)」と今季は御神渡り現象が発生しなかったことを報告しました。御神渡りがあらわれなかったのは、昨季に続き、2季連続です。長野県もここのところ日中の最高気温が15度前後にまで上がってきています。
畑に目を移すとあちこちの果樹園で剪定作業に精を出す姿が見られます。冬の間植物の多くは休眠状態でしたが、最も冷え込む季節はどうやら通過しつつあるようで、冬の終わりは果樹などの剪定には、剪定によるダメージも少なくなるので、ふさわしい季節なのです。人間もよくあまりに寒い日に髪を切ると風邪をひくと言うではありませんか。上手な剪定は春以降の生育を促進させますし、樹形を整えるのに欠かすことができません。また、JAや部会では、2010年度の野菜や果物の生産について、説明会や方針を決める大会などが、引き続きたびたび行われています。
須坂市動物園(026−245−1770)では、アカカンガルー「クララ」の第5子の名前について投票を受けつけています。この子は昨年亡くなったハッチとクララの子で、昨年11月8日に誕生した男の子です。今年1月に名前を募集し、このほど候補が10点に絞られました。候補は、アクセル、アッチ、イノッチ、オラッチなどいずれも思いが込められたものばかりです。投票は、準備が整い次第、動物園のカンガルー舎前や須坂市役所のほか、動物園のウェブサイトからも3月11日まで受けつけるそうです。命名式は3月21日に予定されています。
東筑摩郡生坂村が運営し、料理も地産地消にこだわりを見せる公共宿泊温泉施設「やまなみ荘」(東筑摩郡生坂村)で、野生のシカやイノシシなどを使う「ジビエ料理」を家庭に広めようと料理講習会が開かれました。ジビエとは「狩猟によって、食材として捕獲された野生の鳥獣」を意味します。参加したのは12人でイノシシ肉を使った煮込みハンバーグを作って試食し、好評だったとか。また佐久市でも猟友会がシカ肉の活用法を考える研究会を開催。長野県が作成したジビエ料理のレシピ集を使い、カレーや角煮などを作り、こちらも好評でした。長野県では毎年一定量の鹿の捕獲を認めています。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。安曇野市豊科南穂高にある「安曇野スイス村」から眺めた北アルプス連峰です。手前はスイス村「ホースランド」の乗馬コース。気持ちよく晴れた先週土曜日の正午、馬と人が爽やかな空気の中を駆け抜けていきました。この日はジャケットを脱ぎ、しばらく周囲の光景に見とれていました。北アルプスの雪解けもご覧の通り。目でも肌でも春を感じた一日でした。
●グレゴリア暦で本日24日は今年がはじまって55日目です。1年の残りはなんとあと310日。バンクーバー冬季オリンピックも後半に入り、今週で2月も終わってしまいます。冬も終わりが見えてきて、雪の降る日が少なくなって、やがてまもなく、いっせいに生命が動きはじめる春ですね。夜空には北斗七星が良く見えて、そろそろフキノトウが食卓にのぼりはじめ、3月には南信州でウグイスもさえずりはじめるかもしれません。
来週の月曜日は3月1日。満月です。3月は16日が新月となり、30日には2回目の満月が訪れます。信州では春は南信州の静岡県や愛知県との県境から、天竜川や木曽川をのぼってやってきます。春が遅い北信州でも、3月には善光寺平でりんごの剪定作業が最盛期となり、中ごろになるとなんとなく千曲川の水も温んできます。いよいよ農家が忙しくなる時期がすぐそこまでやってきました。
ところであたりまえのことなのですが、ずーっと南の南半球に位置するオーストラリアでは、3月1日は秋の最初の日とされています。9月1日が春のはじまる日で、12月1日が夏のはじまる日、6月1日が冬のはじまる日です。わかってはいるのですが、不思議な気分になります。
3月のことを北半球に暮らす先住民族は風土や気候にあわせてさまざまな名前で呼んできました。「雪の固くなる月」「風の強まる月」「風のささやく月」「成長がはじまる月」「木から樹液の滴る月」「雪の白さで眼が見えなくなる月」など。北海道の先住民の人たちは「日の長くなる月」と呼んでいます。
3月になる前に、3月や春についてのことわざを世界各地から集めておきましたので、参考にしてください。
3月に霧の出る日が多いときは5月に霜の日が多いだろう。
3月に雪が多いと草や木が盛大に悲しむ。
3月の風と4月の雨が美しい5月を連れてくる。
3月が乾いていると4月はびしよびしょ。
3月に雨が多いときには秋は悲しみに包まれる。
春の気候は油断がならない。
春の寒さと秋のひだるさはこらえきれん。
春に3日の晴れはなし。
信州に暮らしている人たちの多くが、この季節になると春の早い訪れを熱望するようになります。春を探すのならまずはフルーツ狩り。この季節最も最盛期を迎えているフルーツ狩りと言ったら信州ではイチゴ狩りときまっています。甘酸っぱい香りにつつまれながら、ぬくぬくとしたハウスの中で摘んではほおばり、食べては摘んでもぐもぐ、いちごでお腹を満たす幸せを満喫しにきてください。ウインタースポーツや温泉三昧のドライブの途中に、気軽に立ち寄れる観光いちご農園が随所にあります。信州いちご狩り情報を参考に。
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