「春の日と親戚の金持ちはくれそうでくれない」という言い伝えがありますが、だいぶ日が長くなってきました。信州でも先週末からポカポカと暖かい陽気の日が続いています。朝の通勤時にもコートを脱ぎ捨てた人の姿がチラホラと見えてきました。スギ花粉も飛びはじめもうすっかり春のような毎日です。
ところが、長野県ではこの時期、暖かい日が続いた後に雪が降ることも多く、春の作業の準備を進めている農家も、4月に入るまでは、まだまだ気の抜けない状況がつづきます。
とはいえ、このところの暖かさで2月には「御神渡(おみわた)り」を記録した諏訪湖も氷がすべて融けて、諏訪湖開きを前にして、すでに遊覧船が運航を再開しています。
「日本一のあんずの里」千曲市では今年の開花が4月11日と発表されました。
県内有数のアスパラガス産地であるJA北信州みゆきでは、先日アスパラの増産に向けて15万粒の種まきが行われました。10日ほどで発芽し、5月の連休明けには、苗が生産者に届けられます。
下水内郡栄村で、村民有志が村に伝えられる伝統的な郷土料理レシピ集が完成させました。豊作や家内安全を祈る60日ごとの庚申信仰のお膳(ぜん)料理、秋山郷に伝わる熊料理、ウドの煮物や、なめこ汁といった山の幸を使う料理などが写真付きで100点掲載されていて、その名も「栄村食の宝・ばぁのごっつぉ うんめぇ〜のし ハレのひ ケのひ」。これは地元の方言で「おばあさんのごちそうおいしいね。祭りなどの日も普段の日も」という意味。一冊千円で、道の駅栄村物産館またたびで発売されています。お問い合わせは栄村産業振興係(電話0269・87・3111)まで。
南信の下伊那郡根羽村(ねばむら)では特産の乾しシイタケを使って開発したシイタケ寿司(にぎり寿司・押し寿司)の試食会が開かれ、村民から好評でした。シイタケ寿司はこのところ日本全国で静かな話題となっていて、Googleで検索すると7万件以上がヒットします。なんかおいしそうですね。
諏訪市では昨年の秋に収穫し、11月上旬に漬け込んだ、伝統野菜上野大根「諏訪湖姫」が販売されました。上野大根加工組合が販売したもので、予約だけで3万3千本の注文があり、当日は予約客のほか、一般のお客さんも大勢訪れ、一般販売分も早々に売り切れてしまう盛況ぶりだったそうです。当ブログが昨年10月に掲載した記事「諏訪湖姫という名の大根はなぜ愛されるのか」もお読みください。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週撮影の長野市往生寺周辺からみた春のリンゴ畑と霞に包まれた市内の図。ようやくの春。
●今日19日は「カメラ発明記念日」です。写真機は169年前の1839年に発明され、ずーっと進化して今ではデジタル撮影の時代になり、誰もが気安く簡単に撮影できるようになりました。信州を訪れた際は、おいしい食べ物や景色などを撮影してこのブログマガジン編集部までお送りください。おいしい長野県を写そう。掲載されたかたには季節の野菜や果物をプレゼントしています。
20日は春分の日。太陽が真東から昇り真西に沈む日です。彼岸の中日であるこの日から、北半球ではどこの国でも公式に「春」となります。春分の日が国の休日の国は、太陽の子どもを名乗る日本国ぐらいのもので、西欧諸国は休日ではありません。よかったですね。
そしてこの日はまた長野県の旗、県旗(左)が制定された日(昭和42年、1967)でもあります。20日は小諸市荒堀薬師堂の荒堀夜明かし念仏の日。花で飾ったやぐらのなかで、鉦を叩き、念仏を唱えながら独特の足さばきで太鼓のまわりを練り歩く「念仏踊り」が行われます。
春分の日の翌日、占星学では太陽が牡羊座に入ります。太陽は天界を旅して牡羊座を抜けるのが4月19日。この日、3月21日は「国際花の日」です。春の花を花束にして家や職場などに飾りませんか。気持ちがなごみますよ。そして22日が満月。満月の夜が明けると彼岸明け。世界がいっそう春めいてくるでしょう。
24日はいわゆる「善光寺大地震」が起きた日です。1847年、信濃から越後にかけての大地震。長野付近を震源地とするM7・4の地震だったそうです。大きな火災となり、死者1万2000人を数えました。善光寺ではご開帳がおこなわれていて、訪れていた多くの参拝人も犠牲となったので、善光寺の鐘楼の南側には無縁仏を葬った地震塚がつくられました。大きな地震がいつ襲ってくるかわからないのは、大地が生きている信州も例外ではありません。
25日火曜日は二十四節気・雑節等、七十二候の11番目「桜始めて開く」時です。南の方から桜の便りも聞こえているかもしれませんね。この日は、善光寺とならんで信濃の国では重要な古刹(こさつ)である別所温泉(上田市)北向観音の「知恵のだんご」の日です。本堂では大般若経600巻の壮観な転読会が行われ、転読のかたわれに置かれて、経のかかったピンポン玉ほどの大きさの紅白のだんごが、法会のあと櫓(やぐら)の上から参拝者にむけてまかれます。「般若」とは梵語で「知恵」を意味するところから、このだんごを食べると知恵の持ち主になれるとされているのです。
長野県の春の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより