新信州暦 新米を腹一杯に食べれば冬ちかし

momiji.gifyatugatake.jpg今年に入って2度目の金木犀(きんもくせい)の花が咲き、周囲を甘い香りに包んでいます。県北部の長野市街地から見える山々は、少しずつ紅葉が進んでいますが、県南部の蓼科高原一体は、今が紅葉真っ只中。momiji.gif赤や黄色、茶色に緑と色とりどりで、そこから見られる八ヶ岳連峰や周囲の山々は、もうすっかりと馬の栗毛のような柔らかな色をして、momiji.gif岩肌を見せた山の荒々しさの中にも、晩秋を迎えてどっしりと構える雄大さが感じられ、青空の下、清々(すがすが)しい光景を展開していました。また陽に照らされて赤や黄色に色を変えながら、momiji.gif風にあおられてなんだか楽しそうにも見える漆(うるし)の木も見つけました。

mitten.jpg水道から流れ出る温水がじんわりと温かくて気持ちが良く、ついついそこに手を差し出して足湯ならぬ手湯をして水の無駄遣いしてしまいました。日中は20度を越えて、まだ暑く感じる日もありますが、朝晩は襟元をピッタリと締めて歩きたい程の寒さを感じることも多く、朝、支度を整えていざ玄関を飛び出しても、momiji.gif予想外の外の寒さに、薄手の手袋とマフラーを取りに戻ることもあります。さらに通勤のバスにも暖房が入るようになりました。

momiji.gifpruning.jpg開け放した窓からは、「チョキン、チョキン」と枝を剪定するハサミの音が鳴り響いてきました。早いものでもう冬支度。あっという間に冬がやってくるのでしょうか、ちょっと急かされているような落ち着かない気分にもなります。

hazegake.jpg先月県内各地では、黄金色となった稲穂の海原の見事な光景に感激しましたが、今ではすっかり、稲が刈り取られた後に残った部分がポツポツととび出ている寂しげな光景が果てしなく広がっています。momiji.gifそんな景色を眺めながらまた改めて、これほどまでにたくさんの米が作られていたのかと驚くのですが、しかし今年6月全国2,000人を対象に民間がおこなったアンケート調査によると、ご飯を1日に食べたいと思う回数は、1回が40%、2回は42%、また3食ご飯を望む人は全体の2割弱と、食の多様化の数字が浮き彫りに。でも今の時期、新米は特に甘味があって美味しい! momiji.gifそして熱々のご飯は、きっと気分も幸せにしてくれることでしょうから、大勢の人にいっぱいのご飯を食べて欲しいと思うところです。

soba.gif県中部の松本市ではソバの収穫が本格的化しています。夏場の天候は今ひとつだったものの、種まき時期の天候が良かったため、なかなかの出来栄えだそうで、これから県内各地ではソバ祭りもおこなわれます。ソバ祭りの県内情報を参考にして、また一段と風味豊かな新ソバを是非お召しあがりください。

ringo3brothers_ani.gifリンゴがシーズンを迎え、品種も様々に直売所のスペースの半分近くをリンゴが占領しているといった状態です。momiji.gifなかでも長野県のオリジナル品種「りんご3兄弟」が出揃い、最盛期を迎えました。紫に近い程に濃い赤色が特徴で、甘酸っぱさがギュッと詰まった秋映(あきばえ)は、北信地方を中心に先月の下旬から出荷されていますが、今月初めからは、やわらかな甘味が特徴のシナノスイートが、そして今週からは味のバランスが絶妙で、黄色い顔をしたシナノゴールドの収穫が本格化します。県ではこれらのリンゴの生産拡大を図り取り組んでいるところですが、今年の作柄は品質、玉伸び共に良好で、自慢の美味しいリンゴに仕上がっているそうです。

momiji.gifdaikonnkonn.jpgそしてこの時期直売所には、まるまると太って美味しそうな大根がたくさん並んでいました。これでおでんを作ったら、たっぷりとダシ汁を吸っておいしいおでんが出来ることでしょう。またハクサイや小松菜、カボチャにサツマイモ、里芋。落花生やギンナン、鬼ぐるみ等も。そしてマルメロ、momiji.gif柿、梨など、売り場に豊富に並ぶブドウはそろそろ終盤を迎えていますが、直売所は秋の味覚どっさりです。そしてキノコと書いてある場所にガラガラに空いたスペース。今年は雨と日照不足による不作だそうで、量がとても少なく、人々は朝早くから並んでキノコを買い求め、あっという間に売り切れとなる品薄状態です。

kouyou.jpg天気が良く空気が気持ちのいいこの時期、紅葉散策に出掛けませんか? 実りの時期を過ごしてこの頃少し食べ過ぎを感じている人など、今信州はいい感じの色に染まってきていますので、県内の紅葉情報を参考にして、秋色の景色を見ながら気分をリフレッシュしてください。momiji.gifしかしこの時期は蜂の動きが激しいので、対策も万全に。特に帽子はしっかりと被りましょう。また万一に備えての救急用品の準備も忘れずに。さらに熊が里にまで降りてくる場合もありますので、くれぐれも注意を。そして天気が変わり易くもあるこの時期は、天気のチェックと早めの行動を。

kohaku_seb.gif安曇野市明科中川手の御宝田遊水池に17日、今季初のコハクチョウが2羽飛来したということですが、このコハクチョウ、例年より1日、そして昨年より4日遅い飛来になりました。

top_091021_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週末、長野県長野市の小田切地区で。祖母が育てた粟(あわ)を収穫し、晴れた昼間の軒先で天日干しにしていました。80歳を過ぎる祖母は、今でも米と粟を一緒に炊いて食べています。「粟は昔よく食べたんだよ。お米はなくって、お腹いっぱいには食べられなかったな。粟はお菓子やお餅にしたり、あとは家畜の餌にしたりしたかな」と、昔話。アワモチのおいしさを知らない世代も増えました。momiji.gif


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meteorshower.jpg「オリオン座流星群」をご覧になりましたか? 20日の夜半あたりから23日の未明にかけてがピークで、運が良ければ1時間に50個程度の流れ星が見えるらしいです。長野県の天気予報はいずこも晴れ。多少雲が出ても、一晩中、くもっていることはないはずですから、あきらめずにオリオン座の方角を見上げていれば、きっと流れ星に出会えます。オリオン座を見あげていると、冬が近づいていることも実感します。当然、深夜から未明の気温はかなり寒いですので、対策は万全に。風邪などひきませんように。24seasons.jpg23日は二十四節気のひとつ「霜降」です。「しもふり」ではなくて「そうこう」と読みます。いよいよ晩秋に入ります。暦便覧には「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也」と記されています。よく晴れた日の翌朝など、おもいきり冷え込んで、霜が降りて、朝には草木が白く化粧をするようになります。秋が深まり、山々では「歌にあるような」紅葉がめだつようになっています。

bighat.gif今週土日の24、25日、長野市にあるのビックハットで「2009長野まるごと秋祭り」が開催されます。採りたての野菜に果物、信州のスローフードである県内各地のおやき、また地酒に信州牛など、北から南までのご当地グルメが一堂に集合します。南北に長い県内、なかなか買えるチャンスの無かった人も、この機会に足を運んでみるのはいかが。

tunahiki1.jpg25日にはまた、長野県と静岡県の県境兵越峠で毎年催される「峠の国盗り綱引き合戦」が見物です。信州軍と遠州軍が「国境」をかけて綱引きで対決する国盗り合戦です。長野県飯田市・南信濃、静岡県浜松市・水窪の両商工会の青年部精鋭が選出され、3本勝負を行なって勝った方が1メートル、相手側に“国境”を広げられることになっています。昨年10月26日に開催された22回大会では「遠州軍」が3本勝負を2本先取し勝利。それまで1メートル遠州側に寄っていた国境を信州側に押し戻し、現在は行政上の県境と同じ位置に国境の札が立てられています。今年は新たな仕切り直しの年となります。ウィキペディアにも項目が立てられていて、「過去『国境』を信州側に食い込ませたことはなく、来年は遠州軍がその偉業を果たせるかに注目が集まっている」と記述されています。tunahiki2.jpg綱引きで争われる「国境」は残念ながら本当の行政境ではありませんけれど、海を持ったことのない信州軍は「太平洋を信州に」を合言葉に戦い続けています。信州遠山郷のホームページには「兵越峠から遠州灘までの直線距離で計算すると、信州軍が連勝を続ければ、六万五千年後に太平洋が信州にやってくることになります。少なくとも、九万連敗して遠州軍に諏訪湖を盗られてしまう事態だけは避けてもらいたいというのが、信州人のいつわらざる願い」と書かれていました。毎年シャトルバスが運行されるぐらいの大きなイベントになりつつあります。出かけた際には信州軍の応援をよろしく。

kikumaturi.jpg26日は上弦の月。この日は旧暦の9月9日にあたり、陰陽思想でいう陽(奇数)の最も大きい9が重なる重陽の節句の日です。いわゆる「菊の節句」。日本では平安時代からこの日に菊花酒が飲まれました。それは菊の花や茎をきびや米に混ぜて醸した酒のことだったとも、お酒に菊の花を浮かべたものとも言われています。県内では菊花展も開催されています。県北部の須坂市では、第22回信州須坂大菊花展が11月8日まで開催中。この菊花展の造形種は県内最大級だそうで、毎年200作品程度が並びます。三本立てや懸崖作り、菊庭園など、それは見事な菊が会場を飾るそうです。会場は須坂市にある臥竜公園特設菊花展会場。また県南部・飯田市にある元善光寺でも、菊花展・菊人形展が11月15日まで開催されています。

indexarrow.gif 長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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