今回は、いよいよ収穫直前のバケツ稲の様子をお伝えします。夏の暑さもさることながら、今年は災害の多い年となり、台風18号では、全国各地で多くの被害が出てしまっています。ニュース映像で農地の様子も映されていましたが、県内では収穫直前のズッキーニなどに多くの被害が出てしまいました。バケツ稲の栽培によって、農業を少し身近に感じている中での被害で、本当にお見舞い申し上げます。
さて、稲の方はというと――。
周辺の田んぼには穂が出始めているのに、うちでは花が咲かず、正直焦っていましたが、無事に穂が出ました! 人間の子どもについて、よく親は「うちの子ははいはいが遅い」とか、「しゃべるのが遅い」などと心配しますが、同じ気持ちです。
小さくて白い稲の花
ところで稲の穂に咲く花ですが、午前9時頃から咲き始めて数時間しか咲かないのをご存知ですか。バケツ稲を栽培するまでは、意識してみたことがありませんでしたが、こんな白くて小さいものだと改めて見ることができました。この花は、穂の先から咲き始めて、一週間くらいで咲き終えてしまいます。
受粉は、雄しべから花粉を飛ばして受粉すると頴(えい)という外側が閉じます。この後子房が大きく成長し、玄米になります。子房をつぶすと中から白い液体が出てきますが、このでんぷんが固くなってお米になるという生長過程です。
稲刈りはもうすぐ!
種まきから田植えの時期に、泣く泣く選抜して「補欠」として育ててきた稲ですが、捨てるに捨てられずほかのバケツで育てたら、意外と同じように育ってしまってびっくりです。このあといよいよ稲刈りになりますが、その時に、十分に中身が入っているか登熟(※)の度合いも観察してみたいと思います。バケツほどの大きさだとあまり差が出ないのかもしれません。
※登熟:農作物の種子が発育し成熟する過程
補欠の稲
稲刈りの作業は、穂が9割ほど黄金色になったらできるので、すぐに行えそうです。収穫間近の台風や大雨は避けたいですね。わが子のように育ててきたバケツ稲。食べるか食べまいか少し迷いますが、おいしくいただきたいと思います。次回はそんな様子をお伝えします。
◇参考リンク
・バケツ稲づくりマニュアル