式年遷宮祭で感じる人の輪・地域の和

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今年、平成25(2013)年は、伊勢の本宮・伊勢神宮(三重県)の20年に1度の式年遷宮の年(注1)。神様のお引越しですからそれはもう様々な祭事が行われるそうです。ここ信州にも伊勢神宮の分社が幾つかあり、同じく20年に1度の祭事を行います。そこで今回は、9月22日に県北部長野市川中島町御厨戸部伊勢社(注2)で行われた式年遷宮祭の模様をお伝えします。

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注1)「式年」=定められた年。「遷宮」=神社正殿の修理時や新築の際に御神体を遷(うつ)すこと。
注2)戸部神社は、元和3(1617)年、伊勢神宮の神殿造営により材の一部をゆずりうけ、伊勢神宮の分社として再建された。伊勢の本宮では神殿の造営にあたるが、戸部伊勢社では 明治2(1869)年以降、伊勢神宮にあわせた20年毎の式年遷宮祭で鳥居の造営を行う。

華やかな「おねり」で町全体が盛り上がる

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当日の朝、お腹に響く花火の合図に、祭り好きとしてはいやがおうにも盛り上がります♪ 沿道が家族連れで賑わう午前10時。御厨公園から戸部伊勢社を目指してお稚児行列や自治会ごとの宝船・ふきながし行列が町内を練り歩く「おねり」出発です。既に新しく建て替えられた大鳥居の待つ戸部伊勢社まで1キロ弱、大人も子供も「御供(ごく)」のお菓子がまかれるのを楽しみに一緒に歩きます。歩行者天国の道路には、花笠に派手な半被姿や着流し姿の粋な町衆、おそろいの法被姿の子供たち、そして、見物人であふれかえり、その数、約1,000人とも! 壮観です。

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宝船から御供がまかれる

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新しく建てられた大鳥居

大人も子供も一緒に感動
11時からは、ご本殿前で神事が執り行われ、各地区総代さんやお稚児さんたちが代表して、これまでの感謝をこめて参拝しました。また、町内の保存会による神楽にあわせた獅子舞も奉納されました。まさに神様と町民(もちろん見物客も)がぐっと近くなった瞬間です。

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長野市内から見物に来た方は、「それぞれ趣向を凝らした宝船行列が盛大で良かった」、地元の方も「町が一体となったような祭り。獅子舞も素晴らしかった」との感想を話してくださいました。また、東京から帰郷した方は「故郷を離れて60年、娘夫婦と初めて見に来た。遷宮祭のおかげで久しぶりに親戚25名が大集合できた」と、笑顔で話してくださいました。

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大切にしたい、人の輪と地域の和
代々伝えられてきた町の文化と歴史。しかも20年という「長いとき」を超えてなお、脈々と受け継がれる町をあげてのお祭り......。お稚児姿や半被姿のかわいらしい子供たちも、次の式年遷宮祭には立派な成人になっていることでしょう。20年後、またここで元気に会えるよう「日々摂生」をひとり誓った編集部員なのでした。

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お伊勢もいいけど信州も♪
これから行われる遷宮祭

2013年10月19日(土)〜20日(日)には、県東部に位置する長和町古町で「豊受大神宮正遷宮祭」が行われます。今年1月に「おたや祭り」のご紹介をした神社です。こちらも盛大な奉祝大祭です。前夜の19日には、御遷宮斎行(注3)が行われるほか、20日には、宝物行列・稚児行列をはじめ各種行列や男神輿・子供神輿に、山車曳行、大鼓、甚句、小学校鼓笛隊などが予定されています。今年は長和町ふるさと親善大使の美咲さんのミニコンサートも行われます。
お伊勢もいいけど信州も♪ この秋、20年に1度の遷宮祭へご家族揃っておでかけください。

注3)御遷宮斎行 ご神体を新宮に遷す遷座祭。下遷宮と同様、夜の闇の中で行う。

◇関連リンク
伊勢神宮式年遷宮
信州・長和町観光協会

◇あわせて読みたい
人々の想いが灯る長和町の「おたや祭り」

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