片桐さんの農事録
[片桐さんの農事録]

みなみ信州発☆羊と暮らすゆきさんの農事録 第51回

ゆきさん農事録

 

こんにちは!^^*
このまま初夏に向かって突っ走っていくのかな? と思って居たら、ここ数日寒さがちょっと足踏みしている感じのお天気ですね。久しぶりにみぞれ交じりの冷たい雨が降り、そう言えばまだ3月だった・・・! とか思う私ですが、皆様いかがお過ごしですか?

 

牛もーの手術がありました。

今シーズンはとにかく暖かくて過ごしやすいし、そのせいか体もよく動いて、確定申告も取りかかりは遅かったのに提出は記憶にある限り過去2番目に早く、旅行の予定も立てて、毎年こんなんだったらいいのになぁと思って居たら落とし穴(笑) 生き物相手の仕事をしていると、予定というのは突然変わってきます>v<;

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そんなわけで、確定申告無事提出お疲れ様! に、コストコの1.5kgティラミスと、1.3kgのトリプルチーズタルトを買ってご満悦だったのですが、その数日後に我が家では6、7年ぶりとなる、牛もーの「変位」の手術がありました。その様子が、今月のトップ写真です。

さて皆さん、「変位の手術」と言われて何のことか想像つきますか?
実はコレ、「第4胃変位」という胃の手術なんです。

牛もーの胃が4つあるのは、私のブログを読んで下さっている皆さんにはもはや常識ですよね!(笑) そのうち4番目の胃にガスが溜まり、本来の位置からずれてしまうことをいいます。第4胃は感覚的にはお腹の下側にあるのですが、それが左右の上方・背中に近い方へと移動してしまうのです。調べてみると原因は様々あるようですが、産後2週間以内での発生率が高いことを考えると、お産との因果関係は特に大きそうですね。
(この場合ガスとは、牛もーがする曖気〈あいき〉と言う所謂げっぷにより、普段は外に排出されているメタンガスの事です。火を付けると燃えるので、昔は獣医さんが実際に火を付けて見せてくれたこともあるとか・・・)

うちの子も産後でしたが、変位は外見的には第1胃にガスが溜まる「鼓脹症」の様にお腹がぽっこり膨れてしまう...と言った目立った変化はないんです。
でも、基本的に食いしん坊な牛もーが、体重管理の意味で飼料給餌を控えられる乾乳期が終わって餌を貰えるようになったのに、なかなかその餌を食べないとき、まず考えられるのがルーメンアシドーシス(第1胃のph低下/本来は中性)や、ケトーシス(糖質や脂質の代謝障害により体内のケトン体が増量し、人間の鼻でもわかる独特の体臭を発する)なんですね。
獣医さんは畜主から「産後の体調不良」で診療を依頼されたとき、一連の流れで聴診器で左右それぞれお腹を指で弾きながら確認するのですが、変位になっていると指で弾くと金属音がするので、・・・殆どの場合、手術が決定するわけです>v<;

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何故「殆ど」かと言えば、今回我が家の牛もーは外科手術で95%が改善すると言われる「左方変位」でしたが、「右方変位」になってしまうと、その多くが第4胃変位→第4胃捻転へと症状が悪化し、手術をしても治らない場合が多いそうです。我が家でも随分前に一度、右方変位の診断を受けた牛もーが居ましたが、獣医さんの判断で手術はせずにそのまま淘汰を選びました。

傷跡を見ると分かると思うのですが、大きく縦に切った横に、2カ所だけの縫い跡があると思います。変位の治療はなんと! 上にずれてしまった胃を、針を刺してガスを抜いた後、腹膜に縫い付ける事で正しい位置に強制的に留めると言う方法がとられています。ちなみに、変位の手術は基本立ったままの局部麻酔で行われます。更に、我が家ではたまたまスペースがあるので室内ですが、青空手術の場合もあるとかで、牛もーは本当に強いですね。

・・・最初、過去に一度経験のある手術の途中で牛もーが座り込みそうになり、内臓が出ちゃったアレとかコレとか色々と面白可笑しく書いていたのですけど(内臓が出てもとっさに受け止めて押し込んだので、その子は奇跡的に助かり、獣医さん達とも思い出話的にたまに話すのです/ただ、私自身はこの時に当然牛もーの重さを支え切れるわけもなく右手首を痛め、1年半以上治療に通うと言う微妙なオチもあり・・・)、もしかしたら一般の方ってこう言う話し苦手かな? と思い、簡単に尚且つオブラートで包んでみたつもりなのですが・・・、包めてないかな(笑)
牛もーの外科手術は変位の他に、異物誤飲のために第1胃を切開して異物を除去したり、帝王切開があるのですが、実際なかなか目にする機会がないので、私などはついつい興味津々に獣医さんから話を聞いてしまうんですけど^w^

とりあえず、今回は術中のトラブルも無く、術後3日目でほぼほぼ傷も塞がり、餌もしっかり食べるようになったので、抜糸はまだ少し先だけど、我が家の牛もーは元気になりました^▽^*

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今回の京都は嵐山を堪能

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アレでコレな話題だけで終わるのもなんなので、楽しい話題もひとつ。このブログが公開される前の週末、久々に友人と京都旅行をしてきました^^
お互いに中学の修学旅行以来殆ど足を運んでいない嵐山をメインに旅の予定を組んでいたのですが、やっぱり桜が見たいよね! となって早咲きの河津桜が見られる東寺や車折神社へと予定を変更。大阪では雹が降るような不安定なお天気に、京都も地元よりも寒いのでは!? と思う位で、私はスプリングコートの下にウルトラライトダウンを着込むという暴挙に出たのに、むしろそれがちょうど良くて(笑) 友人と寒い寒いと言いながらも、桜の写真を撮るときには青空を見せてくれる旅人に優しいお天気に、とてもテンションあがりました。

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嵐山の「らんざん」という宿で2食付けて大満足の一夜でしたが、翌日向かった「鈴虫寺」と言う所も、一年中聴くことが出来る鈴虫の鳴き声をBGMにした30分程度の法話がとても面白くて何度も笑ってしまい、もっと聞いていたい気持ちになりました^^

この鈴虫寺、一つだけお願い事をするとお地蔵様が家まで来て叶えてくれる、と有名なのだそうですが、友人は前回訪れた際の願いが叶って今回はお礼参りを兼ねていたので、私もちょっと真剣にお願い事をしてきました^w^ 友人のようにお礼参りに行ける日がくるといいな、と思います♪

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さて。例年より暖かい暖かいと言い続けて来ましたが、ぐっと冷え込む寒さを経験していないせいか、色んな花の開花は逆に遅いように感じます。去年のようにイキナリ初夏が来た! みたいなお天気も、桜を堪能する前に散ってしまって残念だったので、今年はちょうどいいペースで季節には進んでいってもらいたいものです(笑)
もうじき新年度が始まりますね。春は意外と体調不良になる方も多いようです。皆さんも無理のないペースで、季節を楽しみつつお過ごし下さい^▽^

では、また♪

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この記事を書いた人

片桐由貴さん

伊那谷をまっすぐ南に向かって流れる天竜川流域の牛舎で、仕事と趣味、どちらも楽しむという片桐由貴さん。大学卒業後「やっぱり牛が好き!」と、家族の営む酪農に就農して12年。80頭ほどの牛たちと、ペットの羊2匹、猫5匹と過ごす日々を綴ります。

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