こんにちは! ひろきです。
寒い日が続いていますね。こちらの1月の平均気温はマイナス1℃だったそうです (*_*)
うちのマスコット犬、コマはどんなに寒くても元気!
ひとりと1匹の足跡を残しながら日課の散歩に出かけます。
冬は時間を気にせず、ゆっくりのんびり (*´ω`*)
大麦も寒さに耐え、春を待っています。
凍っても枯れない植物の生命力に驚かされます。
コマの水鉢も凍りつく寒さ
散歩後の、コマの水鉢の水の入れ替えも冬の日課です。
さて、そんな感じで、令和元年より書かせていただいております農事録ですが、私の担当は今回を含めてあと2回となりました。
約3年間担当させていただきましたが、来月で卒業となります。
最後のごあいさつは来月するといたしまして、今回は特に変わることなく、いつもどおりいきたいと思います。どうぞ今しばし、おつき合いくださいませ。
数字で見るお米の話2
昨年10月の農事録に「1粒のお米を植えると何倍になるか?」という話をさせていただきました。
今回は収量ではなく、お米の中身に注目してみたいと思います。
年が明けると農協から「食味分析結果」が届きます。これを見ながら、栽培方法の反省と改善を行っていくわけです。そして実際の今年度の我が家の結果がこれです↓
なんとなく「S」が多いし良さそうなのはわかるけど「タンパク? アミロース?」ってなりますよね。
食味分析コンクールなどで「食味値が高い」という言葉を聞くことがあります。
では、何をもってして食味の良し悪しを判断しているのでしょうか。「食味とはなんぞや?」というあたりを一緒に見ていきましょう!
★LESSON1「タンパク」
まず食味分析で一般的に、もっとも意識して見られる項目が「タンパク値」です。
お米のほとんどは「炭水化物」です。身体の中で分解され、ブドウ糖になって脳の栄養になるやつですね!
その次に多い成分が「タンパク質」。
タンパク質は水を通さないため、多すぎるとお米の給水を阻害して炊き上がりが悪くなり、粘りが弱くなってしまいます。
なので「タンパク値は低いほど良い」とされています。
遅くまで肥料分が残っているとタンパク値が高くなるので、生産者は追肥量の調節がひとつの腕の見せ所になります。
増収のために肥料を増やせばタンパク値が上がり、かといって食味重視で肥料を減らせば収量が伸びない。といったところで、バランスを考えながら肥料コントロールをしていくのです。
肥料の量以外にもたくさんの要因がありますが、基本的には肥料分が大きく関係してきます。
★LESSON2「アミロース」
次にアミロースです。これは、炊き上がりのお米の粘りと硬さのバランスを左右する成分です。
お米に含まれる「でんぷん」は、「アミロース」「アミロペクチン」の2種類で構成されています。
大まかな割合は「20(アミロース):80(アミロペクチン)」です。
粘りと硬さは、この2種類のでんぷんの比率で決まります。アミロペクチンの多いお米は粘りがあり、ほどよい歯ごたえがあり、アミロースの多いお米は、硬く、パサパサしています。
そのため「アミロースの含有量は少ない方が良い」とされています。が、硬めのお米が好きなど、食べる人の好みに左右されるので、粘り成分を表す要素のひとつとして見れば良いでしょう。
アミロースは稲の育つときに高温で日射量が多いと含有量が低くなり、粘りのある米ができます。人気の高いコシヒカリのアミロースの含有量は19%程度であることが多いです。
基本的には登熟期間中の温度や日照時間に左右される成分といえるでしょう。
ちなみに、みなさまご存じの「もち米」はアミロペクチンが100%!
粘り成分だけだから、びよ~んと伸びるんですね。
★LESSON3「水分」
さて、お次は水分。お米に含まれている水分量の割合です。
水分の基準値が14.5~15.5%に設定されているのには理由があります。意外と知られていませんが、かなりデリケートな調整が必要になる項目です。
お米の水分値が14%以下になると、炊飯前の浸水時にひび割れを起こし、でんぷんが糊状になってしまうため、べっとりとした炊き上がりになってしまいます。
そのため一般的には「16%以下で水分が多いほどおいしい」とされています。ところが15%以上になると保管時に発生するカビのリスクが高まるので、低温貯蔵が必要になります。そのため15%以上の玄米はお米屋さんで嫌われる傾向にあります。
基本的には保管場所の影響で水分値は上下するため、流通の観点上14.5%を目標値にすることが多いです。
炊き上がりが良く、うまく保管ができる水分値にすることが大事というわけですね。
乾燥作業にもポイントがあります。
できるだけゆっくり乾燥させることで玄米品質が良くなるといわれています。温風を使わず、太陽と風の力だけで乾燥させる「はぜ掛け米」がおいしいとされる理由がここにあります。
しかし、機械にも乾燥スピードを調節する機能があるので、そこは各農家がどこまで乾燥にこだわるかでちがいが出てきそうですね。
★LESSON4「整粒」
最後の項目が「整粒(せいりゅう)」です。お米の等級を決める重要項目で、基準に合った(整った)お米の割合を示しています。
検査上、異常とされているお米が赤枠の中のものです。整粒歩合が70%以上で1等米になります。
「胴割粒」というのは、割れてはいないけどヒビが入った玄米のことです。これは精米時に割れて砕けてしまったり、炊き上がりが悪くなる原因になります。選別機で除去することができず、精米時に歩留まりが悪くなるので、お米業者がもっとも嫌がる被害粒といえるでしょう。
「未熟粒」は登熟直前の青い米。今年は特に多く、基準値を超えてしまいました。
「乳白粒」は白く濁った米。うまく登熟していないので見た目も炊き上がりも悪くなります。
「着色粒」は、おもにカメムシの被害粒などです。これは1000粒に2粒以上入っているだけで、整粒歩合が良くても等級が下がってしまうので注意が必要です。
「赤米」は古代米の一種で赤い色をした品種のお米のこと。ひと粒でも入っていると異品種混入で銘柄が謳えない(販売時にコシヒカリでなくブレンド米になってしまう)ので、これまた注意が必要です。
当然「整粒歩合が高い方がいいお米が多い」ので、見た目も食味も良くなります。
★まとめ
長くなりましたが、このようなことを総合して「食味値」として表しているわけです。
米の等級は整粒歩合を表す指標。食味はそれに加えて、タンパクやアミロースを計測することによって、粘りや硬さを表したものってことですね。
しかし、当然このほかのさまざまな要因(保管、精米方法、炊飯方法、水、品種特性など)がお米の味を変化させているので本当に奥が深いんですよ。
等級は収入に直結する項目なので、多くの農家は等級を良くするために農薬を使います。等級が下がれば値段が下がり、見た目の悪いものはクレームの対象になるためです。
農薬を使用せず見た目の良いものを作ろうとすると、労力とコストがかかり収量も落ちます。結果、商品は高くなります。農産物を購入するとき何を意識するかはそれぞれですが、現在の検査基準は見た目の検査項目が厳しすぎるように思います。
どこまでを良しとするかの線引きが非常に難しいところですが、SDGsの観点から見ても「検査基準の緩和」は食品ロス削減や、食の安全性向上につながると思います。でもここらへんは生産者だけではなく、消費者の選び方にも大きく起因するものでしょう。
まぁ、個人的にはあまり数値にとらわれず、信頼できる人や店から、自分の舌で感じて「うまい」と思える農産物を選べばいいと思います。
結局、好み次第かよ (;’∀’)
念願の!
最後に、年末から行きたいと騒いでいたワカサギ釣りに、ついに行くことができました。
向かったのは、木崎湖の牡丹屋さん。「家族で行きたい」と伝えたら、小型のドーム船を貸し切ってくれました。2艘のボートをつなげただけのドーム船ですが、家族で釣るにはちょうど良いサイズで気楽に釣りを楽しむことができました。
昼から行ったのでワカサギの食いはイマイチでしたが、全員釣れたし、釣れずともアタリが楽しめたので大満足です。
3時間釣って、こんくらい。家族にレクチャーしながらだったから、こんなもんでしょう。隣の大きいドーム船の人は100匹以上釣っていました。次はもっと釣れるはず!
長野県にはワカサギ釣りができる湖がたくさんあります。その中でも木崎湖のワカサギはほかより食味がいいらしいですよ(笑)。
ワカサギはシンプルに素揚げにしました。味つけは塩だけ。
本当にうまかった! 揚げたてはサクッとホクホクで酒のつまみに最高です! 一瞬でなくなりました。
これ、ビール、日本酒、焼酎なんでも合うんじゃないか!?
早く貸し切りじゃなくても行ける世の中になってほしいものです。
そんな感じでいつもどおり長くなってしまった農事録も、来月が最終回。何か特別に聞きたいことなどありましたらコメントください。
それでは、また来月お会いしましょう。