大樹の農事録
[大樹の農事録]

安曇野の夏休みー遊びの中にも自然の学びがいっぱいです

皆様こんにちは。8月の豪雨で被害はありませんでしたでしょうか。


安曇野では一部の川が危険水域まで達し、避難指示が出た地域もありました。ここ数年、夏場の大雨による水害が当たり前のようになってきましたね(-"-)
豪雨で嫌なウイルスも全部洗い流してくれたらいいのだけれど。

 

家族だけの夏休み

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毎年親戚や友達など大勢でBBQをするのが夏休みの恒例行事なのですが、今年は家族だけでの夏休みです。
相変わらず行くところがないので川遊びと庭キャンプを楽しみました。

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外で食べれば何でも美味い! ご飯もお酒も♪

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長男は釣りに初挑戦。でも渓流釣りは少し難しかったみたいで、川遊びの方が楽しそうでした。

 

田んぼアート終了間近

育苗からお伝えしている「安曇野田んぼアート」ですが、観覧できるのは9月26日まで。こんな状況のため、目標来場者数には遠く及びませんが、少しでもいい状態を見てもらおうと各種管理作業を進めています。

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カラフルな7色の稲もすくすくと育ち個性が際立ってきました。色だけでなく稲の長さも品種によってバラバラです。どうやら黒色が一番長く、白色が特に短いようです。
斜め上から見ると黒色の奥にある短い稲は隠れて見えなくなってしまいます。

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こうなってくると黒の主張が強く、重たい印象を受けますよね。
さて、これをどうやって改善するのか。

答えは簡単、稲の長さを揃えてしまえばいいわけです。

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バリカンを使って制作部会のみんなで日の出前の作業です。
稲の葉を切るという普段は絶対に行わない作業に戸惑いを覚えつつ、思い切って丈を切りそろえていきます。

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切られた葉の断面からは水滴が。絵が生きているということを実感できます。

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作業の前後を見比べるとこう↑
太くなった眉毛が整えられ凛々しい顔になりました。髷の細かな陰影もはっきりと分かりやすくなりましたね。これでまた暫くはきれいな絵を見てもらうことが出来そうです♪
この後ドローンで消毒をすれば、最後の刈り取りまで作業はありません。日々移り変わる田んぼアートを見守るのみです。
あぁ、本当に凄く頑張って作ったので少しでも多くの人に見てほしい。。。

 

ドローン大活躍

さて、田んぼアートでも活躍したドローンですが、大豆の消毒にも大活躍です。というか、大豆の消毒のために導入したと言っても過言ではありません。

ハイクリブームで大豆の消毒

 

今まで大豆の消毒は、上のハイクリブームという機械を使って圃場に直接入って作業していました。
細いタイヤですが、圃場に入ると旋回する部分はどうしても作物を踏んでしまします。ブームの高さや長さ等にも気を付けなければならないので、凄く気を遣う作業なのです。

ハイクリブームで一反(1000㎡)当たり5分程かかっていた作業が、ドローンだと1分かからず終わってしまいます!
一つのバッテリーで10分弱しか飛ぶことが出来ないのは難点ですが、圃場がまとまっていれば驚くほど速く作業を終えることが出来ます。

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何より大豆を踏み倒すことが無いのがいいです。
しかし、ドローンは毎年定期点検が義務付けられている上、保険の加入も必須です。要は一度も使わなくてもお金が出ていってしまうものなので、使わなければ損な機械なのです。

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プロポ(送信機)の画面はこんな感じ。飛んだ軌跡が表示されます。緑は薬を撒きながら飛んだところ、白は薬を撒かずに飛んだところです。
予め圃場を測量して登録しておくと、画面タップのみで全自動飛行してくれるらしいのですが、誤差が大きく出る場合があるということで、半自動での作業が一般的です。

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大豆の防除が終われば今年のドローン作業は終了です。しっかり綺麗にして格納します。
羽を折りたたむとかなりコンパクトになります。
導入初年度にしては大活躍だったのではないでしょうか。また来年に期待です。

 

持続可能な社会って?

豪雨の後は川が増水してしまったので、晴れた日には近くの公園で遊びました。

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公園といっても遊具はなく、あるのは2つの池と芝生のみ。深い池には大きな鯉が泳いでいます。
もう一つの池は「じゃぶじゃぶ池」と呼ばれ、子供たちが入って遊べるようにわざと浅く設計されています。
池に入るとメダカや水カマキリなどの生き物を間近に観察することが出来ます。

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この日はメダカとドジョウとエビと水カマキリをゲット。
この他にもここでは絶滅危惧種のオオルリシジミという蝶も見ることが出来ます↓

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このオオルリシジミの幼虫は超偏食で、写真に写っている「クララ」という植物しか食べません。そのためこの公園にはクララが沢山植えられています。
オオルリシジミの好む草原環境は農家の草刈りによって守られてきました。また、クララの種というのは傷がつかないと発芽しない特徴があるらしく、この傷は畔焼きによってつけられ上手く発芽していたようです。
畔焼きにはオオルリシジミの天敵である、メアカタマゴバチの駆除の効果もあるのでオオルリシジミの生息にとって畔焼きは大事な作業といえます。
近年、農作業の管理方法の変化に伴い、クララの姿は見られなくなってきました。
オオルリシジミが住む環境が、農作業の一環で知らない内に守られてきたというのは感慨深いものがあります。しかし、その生息環境を壊すのもまた農家であるとも言えます。
近年「持続可能性」という言葉をよく耳にします。改めて意味を調べると、環境学的には「生物的なシステムがその多様性と生産性を期限なく継続できる能力のこと。」らしいです。

期限なく継続と言われると、自然環境を「ありのままの自然」に返すという考えもありますが、私は「管理された自然」を考える方に持続可能性があると考えます。なぜなら人間も地球上の生き物の一員だから。そのため、生きていく中で自然とどう向き合っていくのか、どうすればお互いに調和のとれた生産活動ができるのか、ということを考え続けなければいけません。
多分答えは沢山あって唯一の正解は無いのでしょう。「皆で答えを考え続ける」というスタンスが大事なのだと思います。 田園産業都市を謳っている安曇野市。世界に先駆けて豊かな自然と人間社会が、上手く調和できる都市モデルを模索していかなければなりませんね。
私も一農家として答えを探求していきたいと思います。

秋の稲穂

 

辺りには収穫目前の稲がたわわに頭を垂れています。
今年も最高に美味しいお米をお届けできるように頑張ります!
それでは皆様、また次回。

 
この記事を書いた人

安田大樹さん

北アルプスをのぞむ安曇野市は、1等米比率日本トップクラスの長野県を支える米どころ。25歳でお米農家を継いだ安田大樹さんは、おいしいお米を作り続けることが「ふるさと安曇野の景観を守り、地域を楽しくしていくことにつながる」と考えました。

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