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セルリーとのコラボそば誕生!農と人、+αを繋ぐ男前

男前百科

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ひたむきに頑張る人は、理屈抜きに男前!
信州の農業を担う次世代のリーダーとして歩み始めた若者たちのライフスタイルとは!?
志を持って農業に情熱を注ぐ、『若手男前農家』のオンとオフのありのままの姿をシリーズでご紹介します。

男前百科 SEASON2 vol.5
松本市 大槻篤志さん

 

信州のほぼ真ん中、信州まつもと空港や日本一の木造大型ドーム「やまびこドーム」に近い松本市南部の笹賀地区。広々とした良質な田園地帯が見渡せます。ここに長野県が生産量日本一を誇る野菜「セルリー」(それも「嫌いな人でも食べられるセルリー」)の栽培に情熱を傾ける男前さんがいると聞いてやって来ました。
※長野県の産地では、セロリのことをフランスなまりで「セルリー」と呼んでいます。

 

「セルリーの本当の美味しさを伝えたい」

「昔から苦手な野菜の上位にランキングされていますよね、セルリーって・・・。でも、お祭りやイベント等で振る舞うと子どもたちも『シャッキシャキで、美味しいっ!!』と喜んでくれるんですよ。だから、本当に美味しいセルリーをもっともっと伝えたいんです」
そう、少年のように目を輝かせて話すのは大槻篤志(おおつき・あつし)さん(37歳)。田んぼの中、遠目にも目立つ大きなハウス(13棟、50a)で春と秋のセルリーを生産しています。

セルリーハウス13棟。冬支度の静かな田園地帯の中、
この一角は早朝からの出荷で賑わいを見せる
 

早速ハウスの一つにお邪魔すると、収穫を控えた一面のセルリーが、まるでグリーンの絨毯のよう♪


 

地の利を最大限生かし、
丁寧に作り、丁寧に届ける

春セルリーの定植時の暖房用ボイラーだが、霜対策にも使用

水やり用パイプ

秋セルリーもハウス内で育てるものの、7月下旬の定植から窓はほとんど全開にしており、露地栽培のような環境です。夏場は自然の雨をたっぷり吸収し、みずみずしいしっかりした味に。大敵の草には、草が生えにくくなるマルチを導入し、除草剤を使わないことで、土が良くなり品質も上がったと教えてくれました。ビニールをかけている場合でも、温度管理や換気のため側面の窓を開けていることが多いんだとか。春セルリーとの栽培の違いは、畝を高めに作ること。こうして根をしっかり大地にはらせるのがポイントです。

ハウス脇を流れる奈良井川支流
 

周囲には田んぼや大豆の畑も

季節や気候風土に適した品種を選ぶことはもちろん、清流と日照時間に恵まれた地の利を最大限生かし、栽培環境を整えることを大事にしていると言う大槻さん。水・土・温度管理と気の抜けない作業が多い中、環境を味方にして丁寧に作り、丁寧に届ける姿勢が伺えます。それが『本当に美味しい』につながるという想いと共に・・・。

とれたてセルリーと大槻さん。「本当においしいセルリーを伝えたい」

収穫は鮮度保持のため、連日早朝から愛用の包丁でひと株ひと株丁寧に。ザクッ、バリッと根元に力強く包丁が入った瞬間、水しぶきが上がり、続いてさわやかなセルリーの香りが鼻腔をくすぐります。「今季のセルリーは天候に恵まれ、大きさも背丈も揃って上々の出来」。大槻さんの笑顔も輝きます。

 

スポーツも山も好き!なだけじゃない
そば店主とのコラボでツワモノぶりを発揮

繁忙期の作業は体力勝負ですが、一時はプロを目指すほど夢中になったスノーボードやスケートボード、さらに登山などで鍛えた足腰で、余裕で乗り切る大槻さん。忙しい農作業の合間を縫って、常念岳や槍ヶ岳、穂高連峰など北アルプスを中心に登山を楽しむツワモノです。

そもそも、スノーボードでバックカントリーを滑るため「まず、山の形を知ることだ」と4年前から始めた登山。山にハマると同時に出会いもありました。東筑摩郡山形村のそば処「木鶏(もっけい)」のご主人とは、『信州を楽しむ会』という登山部仲間。そば好きな大槻さんとこだわりのそばを模索するご主人とが意気投合し、コラボメニューも誕生しました。この11月に期間限定の季節そばとして登場するのは『セロリ豚かけそば』。かつおだし汁とあわせたセルリーポタージュ(牛乳不使用)でいただく温かいおそばです。「木鶏」のご主人自ら収穫し、味わい、惚れ込んだセルリーのおいしさと、大槻さんの「いろいろな人やモノとコラボして届けられたら」という想いがギュっと詰まった一杯です。

そば処「木鶏」のセロリ豚かけそば(2015年11月限定販売)

「自然と人、人と人が繋がってこその農業、仲間との繋がり。どちらも欠かせない。これからも多くの人と繋がって、セルリーの美味しさを伝えたい・・・」。大槻さんは今日も地域から農を繋いでいます。

■関連リンク
JA松本ハイランド
全国シェア40%と、長野県が生産量日本一を誇るセルリー。5月下旬~松本地域(ハウス)、6月下旬~10月中旬諏訪・茅野地域、10月下旬~11月中下旬松本地域とリレー栽培されている。みずみずしいしっかりした味のJA松本ハイランド産セルリーは、11月下旬まで全国各地の市場を通じて皆様にお届けしています。

そば処 木鶏(Mokkei)
長野県東筑摩郡山形村5511-7
TEL 0263-98-2099

大槻さんに聞いちゃいました!
"セルリーの耳より情報!"

Q:ズバリ! 美味しいセルリーの見分け方を教えてください。

20151118otkme15.jpgA:もちろん葉っぱまで元気でみずみずしいものが新鮮です。さらに言うと、根元までグリーンであることと茎が広がっていない(巻きが強い)ものかな。
あっ、あと葉の香り。葉の香りが強いものは茎や株元の香りも強いんですよ。でも、これは、お好みによりますね(笑)。

PROFILE

「繋がり」。自然と人とが繋がる農業や仲間を通じて、これからも多くの人と繋がっていきたい。

男前百科

氏  名 大槻 篤志(おおつき・あつし)さん
年  齢 37歳
血液型 O型
経  歴 松本市出身。三兄弟の二男。南農高校(農業園芸科)、長野県農業大学校で学ぶ。果実の苗木店を経て、家業を継ぎ13年目。農作業の合間と天候を見ては山登りを楽しむ。
生産内容 セルリー50a(春・秋)
趣味・特技 スノーボード、スケートボード、登山、ゴルフ
同業・異業種問わず、ここでの仲間は一生もの、互いに良い刺激を与え合う。「スポンサーがつけば...」とプロを目指すほど夢中になったスノーボードや、バックカントリーを滑るために山の形を知ろうと始めた登山、自然と足腰が鍛えられるスケートボードなど、好きなことが人を繋ぎ、また仕事にも繋がる(スポーツは定植や収穫時の腰痛予防にも効果的♪)。
好きな食べ物 そば、漬物
好きな女性のタイプ 元気のいい明るい人
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