三井さんの農事録
[三井さんの農事録]

甘い香りに包まれながら果樹の受粉作業

怒涛の開花ラああああッシュ!ってことで今月は~花盛りな三井農園の農事録Let’s トライ!

「これでもかー!」っと毛叩きでパタパタパタ


mitui03-20220511桃の花びらは食べると杏仁豆腐の香りがします…

三井農園の開花の先鋒はプラム!
白い小さな花が毬のように咲き乱れます。

mitui05-20220511プラムはフワッとした花がかわええ!

もしかすると、三井農園の中では一番香りがいいかもしれません! ハニートーストに合いそうな甘~い香りが園地全体に広がります。

プラムは自家受粉ができないため、ちがう品種の花粉をつけてあげる「交互授粉」を行います。

三井農園では「大石早生」「静香」「ハニービート」「太陽」「シナノパール」の5品種を栽培していて、この中でも「太陽」は授粉をしても着果がしにくいため「これでもかー!」ってぐらい毛叩きでパタパタします。

リンゴ・桃は、自家受粉できる品種もあるため、自家受粉できる品種や、授粉樹と呼ばれる花粉だけをとる品種の花を採取し、JAの施設で翌年に使えるよう貯蔵してもらいます。

昨年は遅霜の影響で思ったより採取できなかったんですが、ありったけの花粉を使って着果量の確保をしていきます。

桃の「川中島白桃」は、特にじゃじゃ馬な感じがありまして「着果…した?」と思っていると生理落下してみたり…(この辺は来月の農事録でお伝えできるかもしれせん!)

mitui02-20220511川中島白桃は入念にパタパタ

プラムの「太陽」と同様、必死にパタパタパタパタ…

この作業、一見簡単そうに見えますが、風の強い日、気温の低い日、もちろん雨の後は作業できず、しかも授粉後24時間は降雨を避けなきゃいけないと、いろいろ条件があって大変なんです!

花粉イズ・デリケート!花粉は神様です!
花粉に足を向けて寝れませんよ…

機械のうなりとミツバチの羽音も


リンゴの「サンふじ」は機械受粉という方法を使い、名前のごとく花粉を「石松子(せきしょうし、常緑シダ植物ヒゲノカズラの胞子)」という希釈資材で3~4倍に希釈し、機械にセット!

あとはスイッチをポチっとなー!

ヴおおおぉぉぉぉぇーというけたたましい音をたてて、園地全体に花粉を撒きます。

そうです、力士が土俵入りするばりに花粉を撒き散らすのです…。なんとも雑、いや神々しいことでしょう。

mitui01-20220511機械受粉は本当に便利


この機械授粉を取り入れる前は5、6人で1時間かかっていた作業が1人で10分で終わるんですよ。いや~文明開化の音がする。ヴおおおぉぉぉぉぇー。

と、ここまでは、授粉のやり方を説明しました…が!
やはり一番、確実にできるのはミツバチさんです。

毛叩きをパタパタしていると、ブ~ンっていう羽音がすごい聞こえるんです。ミツバチが花から花へ、飛び移ってくれて授粉してくれる。

ありがたや、ありがたや。

今年は天候に恵まれ、ミツバッチさんも多く来てくれて、二人三脚、いや二匹三脚でバッチに授粉できました!(たぶん)

この結果が出るのは来月の三井農園の農事録で!

ではまた来Get’s!

mitui06-20220511リンゴの花は中心から開花します

おっといけない、書き忘れるとこでした。

4月16日の満月、みなさんご覧になられましたか?
三井農園の地区では桜が満開で、そりゃー見事な月見桜でした!では!

mitui04-20220511満開満月。最高か!

この記事を書いた人

三井透さん

県内果樹産地の一つである中野市で、プラム、りんご、桃を育てる果樹農家の3代目になる三井透さん。以前はアパレルの企画、製造を行っていましたが「食や農業で多くの人に携わりたい」と就農し、果樹栽培の傍ら野菜などにも挑戦中!「食べる人が四季や自然を感じられるものを作る」をモットーに、日々の暮らしを綴ります。

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