台風19号で浸水した桃畑、なんとか川中島白桃の花をつけてくれました
2020年春より、農事録を執筆する事になりました、JA中野市管内でフルーツを中心に栽培をしております、三井透(ミツイ トオル)です。1986年生まれの33歳です。
なんと2020年はJA長野県青年部協議会の会長もやらせていただきます。
「共存」をキーワードに
朝霧の中のリンゴ畑
さて、今年は春先からコロナウィルス感染拡大に伴い、政府の緊急事態宣言が発令されました。世界規模で人類は未知との闘いを強いられると共に、我々も新しい生活様式を導入するなど、"ウィルスとどう共存するのか?"という段階に移ってきたように感じます。
田植え前の田んぼは静かで好きです
私達農家にとって共存というキーワードはものすごく身近なもので、例えば自然との共存、地域社会での共存など...。目線や立ち位置を変え、農業というフィルターを通して現代社会を見ると、これからの人の生き方が見えてくるような気がします。
5月の田んぼは、水を溜めるのに苦労しました
"水"との共存。昨年10月の台風19号では日本各地に被害が発生し、長野県では千曲川の決壊や土砂災害が発生しました。私の管理している桃畑も千曲川の増水による浸水で、園地の約4割の樹を根こそぎ流されるなどの被害が発生しました。
桃の新しい品種、「幸あかね」の幼木にたっぷりと水を与えます
リンゴ「ふじ」の摘果作業
それから約半年...。今度はここ数十年で記録がないくらいの降水量の無さに悩まされます。
(半年前に憎んだほどの雨が今度は降らない...)
浸水被害で残った樹は根のダメージが想定されるので、結実が決まるこの時期の雨はかなり大切な資源なのです。3日に1度ポンプを使い、灌水をおこない、なんとか現在(6月)では見事に結実はしております。
仕事をサボる私(ドローンで撮影)
このように、私達はいつも自然から、"君たちはどう生きて(農業をして)いくのか?"というテーマを突きつけられているのかもしれません。そこをしっかりと受け止め、行動することが共存ではないかと考えています。
5月は朝から晩までひたすら灌水作業をしていました
もちろん、浸水してしまうとわかっている畑は今後手放すか、もしかは転作をする可能性が高く、様々な仮説を元にビジョンを描いていきますが、その先に絶対的な答えはないように思います。共存から多様な生き方を見出すことで、より良い社会になっていくのではないのでしょうか。
さぁ皆さん、明日は何が食べたいですか?
私達に必要な水を生み出してくれる「高社山(こうしゃさん)」