三井さんの農事録
[三井さんの農事録]

いつだってトライ!三井さんの農事録 第2回

三井さん農事録

 

まず初めに、令和2年7月の豪雨により犠牲になられた方々に謹んでお悔やみを申し上げると共に、被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復興と、皆様の日常が一日でも早く取り戻せますよう心からお祈り申し上げます。

そして、依然感染拡大が進む新型コロナウイルス、日々医療の最前線で患者さんの治療に尽力されている医療従事者の皆様、関係各位の皆様に、心から敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。また、残念ながら感染によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、罹患された全ての皆様の1日も早いご回復をお祈り申し上げます。

 

今、農家にできることは

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豪雨で増水する千曲川

前回の農事録執筆中はまさか、こんなに雨が降り続けるとは想像もしていなく、"水との共存"のことをこんなにも早く考えさせられるとは思ってもいませんでした。

全国各地を見ても、目を覆いたくなるような現実を突きつけられているように感じます。

農業分野のリスクトピックスとしては 、世界規模の異常気象の多発、そしてそれを発端としたアフリカやインドなどで"サバクトビバッタ"が大量発生。国連食糧農業機関によると、約30カ国で被害が発生し、東アフリカで2500万人が飢餓に陥ると警告をしております。

このような出来事を対岸の火事として捉えるのか、それとも自分事として捉えるのかによって状況は変わると考えています。
私自身このコロナ禍で感じるのは、今自分は何ができて、何の役に立てるのか?という問いです。

新鮮で安全な食べ物を供給することが農家の重要な役割ではありますが、そんな農家の当たり前が、当たり前にできなくなってきているのが、今の日本(地球)だと考えています。

 

「プラムが夏を運んできてくれる」

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プラムの傘かけ

三井農園で、年度の一番最初に収穫が始まるのがプラムの"大石早生"という品種です。直近5年の農作業日誌をひもといて、収穫日の記録をおうと、一番早い年と遅い年の開きが2週間もあり、昨年と比べると今年は5日ほど早く収穫が始まりました。

今年は10日間の収穫作業のうち、晴れていたのはたった2日でした。

プラムは土壌水分量で食味が左右されやすい品目なので、収穫前は不安がありましたが、いざ収穫が始まると、じめじめした梅雨を吹っ飛ばすような甘酸っぱさと、みずみずしさ、そして喉を通ってすぅっと一呼吸おくと、口いっぱいにひろがる風味を感じることができ一安心...

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紅りょうぜん

大石早生の次に収穫をする、"紅りょうぜん"もまた日照不足による生育不良が目立ちました。 本来、樹熟(※)で表皮が深い紫色になって、弾力があるものを収穫するのですが、今年は浅い赤色のものがほとんどで、酸抜けが遅れている印象でした。
※樹で熟してから収穫すること

しかしながら、旬のフルーツとしてお客様にも喜ばれ、「今年も夏がやってきましたね」「三井さん家のプラムが夏を運んできてくれる」という言葉をきくと、前述した農業の役割とは別に、食を通しての時間の提供があるのかなと思います。

季節や土地の風土を感じてもらい、そこから会話や活力がうまれる。

次世代の農業における役割はこうしたものになるよう、改めて自分自身にも問いかけていこうと思います。

8月からはいよいよ桃がスタートです!

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この記事を書いた人

三井透さん

県内果樹産地の一つである中野市で、プラム、りんご、桃を育てる果樹農家の3代目になる三井透さん。以前はアパレルの企画、製造を行っていましたが「食や農業で多くの人に携わりたい」と就農し、果樹栽培の傍ら野菜などにも挑戦中!「食べる人が四季や自然を感じられるものを作る」をモットーに、日々の暮らしを綴ります。

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