連載※長野県南佐久郡川上村で高原野菜を生産する野菜農家の新海岩夫さん(56歳)が、月々の農事を綴ります。
暖冬との予想が見事(?)に外れ、今日もこの冬一番の寒気の襲来だとか。村の有線テレビの気温表示によるとマイナス7〜8度とのこと。一歩外へ出るとそこは別世界、皆さんには想像もつかないかとおもわれますが、顔はヒリヒリ耳も取れてしまうかと思えるくらいです。朝の冷え込みもきついときにはマイナス15度をも下回ってしまいます。年によって異なりますが畑の土も30〜40センチは凍っているでしょうか。今年は降った雪が溶けずにそのままなので、逆に保温効果が出ているのかとも思いますが。
寒い中、いつもの年と変わらず県の無形文化財に指定されております子供たちの道祖神祭り『お方ぶち』(前の年に結婚したお嫁さん、生まれた子供の無病息災を願って、はかま姿の子供たちが練り歩く)や「おんべきり」(重さ50kgを越す巨大な雄雌オンべが練り歩きます)が、勢いをつけます。さらに、子供たちは、今は学校の校庭に水を張り凍らせたリンクで元気いっぱいにスケートに励んでいます。若い人らは近くにあるスキー場などで働いていますが、この季節、わたしたちは一年の中で一番ホッとしている時期かもしれません。
すでに昨年の秋畑に堆肥をまいたりロータリーを(耕転)したりと、今年への準備をすませておいたからです。秋に堆肥をすきこむことにより、春先の微生物の活動が早まって、地温が上昇するので、作業もしやすくなりますし、微生物の働きで土がふかふかになります。
このところ有機部会(JA長野八ヶ岳川上支所)の仲間たちと時々集まっては、今年の予定、取引先との商談のことなどを話しあったりしています。先日も県の環境保全型農業の推進シンポジウムにおいて代表が意見を発表したりして、皆で研修をしてきました。それから、ここへきて「部会で作っている長イモを欲しいのだが」と言う問い合わせが新たに届けられたりもして、喜びながら今年もやるぞと思いをめぐらせているところです。
▽長野県の気候・冬の特徴(長野地方気象台)