こんにちは。
2月には何回も大雪となる日があったわけですが、3月になったら5月並みの暖かさですね。天気予報ではこの先、再び寒くなるとのこと。なんとも気まぐれな陽気です。
春の陽気に誘われて
前回の農事録を書いた頃はまだ雪が多く、そんななかでもがんばっているタマネギの写真を見ていただきましたが、同じ頃、庭先でこんなのも見つけました。
フクジュソウです。雪に囲まれながらも鮮やかな山吹色の花を咲かせていました。
そしてタマネギは、たった1ヵ月でこんなにも変わったのですよ。
ただ、タマネギが元気になるとともに雑草も勢いを増してきています。そこで、タマネギの葉が大きくなりすぎず、手を伸ばしやすいうちに、そして雑草はまだ小さく根が張ってしまわないうちに取り除いてもらいました。
このように作物も含め、まわりの草木の様子から春の気配を感じています。
庭先や畑の土手にはこんなものも見つけました。まだ葉しか出てきていませんが、若くて勢いのあるスイセンの葉です。
寒い冬をジッと我慢し、あたたくなって咲き始めたオオイヌノフグリも。
そして、天ぷらにしておいしいフキノトウです。
時期によっては、私にとってただの雑草となってしまうものもありますが、今年は特に寒かったことや、ここ数ヵ月、周囲を見渡しても白や茶色しか目にしていなかったこともあって、愛でたい気持ちになります。
畑と田んぼの準備でてんてこまい
そうなると、私たち農業者もうかうかしていられません。畑や田んぼの準備が本格的に始まります。そして暖かさが増すにつれ、種まきや植えつけの作業が進みます。
田んぼではそろそろ「畦(あぜ)塗り」がはじまります。それに備えて3月に入ってからトラクターや畦塗り機のメンテナンスを行いました。
降り積もった雪のおかげで滞っていたアスパラのネットの取りつけも、ようやくできるようになり、忙しく取りつけています。
そのほかにも圃場に堆肥などの肥料をまき終え、先日は直売所で販売する作物の種を播き、育苗を開始しました。これらも4月になれば畑に植えつけることになります。
もうひとつはジャガイモでしょうかね。2021年度はジャガイモとタマネギが異常なくらい高騰した年でした。大手ファストフード店でもフライドポテトにするジャガイモが足りず、販売に制限がかかっていたことが記憶に新しいですよね。
そんなことからも、この春に植えつける「種イモ」が十分にあるかどうか心配で、2月中に農協の「グリーンファーム」に注文したので、そろそろお店に用意されているはずです。今年も昨年同様「ダンシャク」「きたあかり」「メークイン」「レッドムーン」を植えるつもりです。
雪のある間はできなかった外での作業がまとまってやってきて、てんてこ舞いでもあるわけです。
このように、この時期は田畑の準備や育苗など収穫に向けての作業がほとんどとなりますが、遠足に行くためのおやつを準備しているのと変わらず、ワクワクすることばかりです。
「目的地はどんな所だろう? どんな道を歩くのかなぁ?」と考えるのと同じように、「今年はたくさん収穫できるかな? 順調に育ってくれるかなぁ?」といった具合でしょうか。とにかく期待でいっぱいです。
これからも農業に興味をもっていただけたら
さて、以前にもお伝えしたたとおり、私の農事録は今回が最終回です。
「農事録というからには…」と、上田市武石地域での私の農業の出来事をなるべくたくさんお伝えできるよう努めてきましたが、私自身は普段どおりのことだと思っていることも、それを伝える立場になると、なかなか難しいものだと痛感しました。
それでも私たちの仕事を知っていただく素晴らしい機会だと思い、書かせていただいたわけですが、いかがだったでしょうか。
私を含め、今も続けて書かれている方や、これから新たに書かれる方の農事録を読んで、少しでも農業に興味や関心を持っていただきたいと思います。
2年間にわたる長い間、ありがとうございました。