飯島さんの農事録
[飯島さんの農事録]

大雪は大変!だけど、冬だからできる楽しみも

上田市武石地域で農業を始めて6回目の冬となりました。今年の冬が「寒いこと」は覚悟していましたが、こんなに雪が降ることは予想していませんでした。

この農事録を始めた頃にビニールハウスの雪下ろしをしなければならないほど降ったことがありましたが、それは3月のことでした。でも今回はどうでしょう。2月のこの時期から、辺り一面真っ白です。

降り積もる大雪!しかし、その下では…

次の写真は2月10日の写真です。

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この日の武石地域は、午前から夜まで雪の降る日となり「今日の仕事はお休み!」としたかったのですが、ビニールで覆ったままのビニールハウスが雪の重さでつぶれるのではないかと内心ヒヤヒヤしていました。

そうそう、この「農事録」に執筆されている中野市の三井さんの地域でも大雪に見舞われたらしく、その積雪量たるや上田市の比ではなかったようです。今や月の農事録で書かれている以上の雪の量となり、リンゴの木がどこにあるかわからないくらいになっているとか…。

そんな雪にも負けずにがんばっているのがタマネギです。畑の土が凍ってしまうくらい寒い日も、今回のようなたくさんの雪の下敷きになっても、文句も言わずにただひたすら暖かくなる日を待っているのです。

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この写真のタマネギも一見、寒さに負けて危うそうに見えるのですが、暖かくなれば再び新しい葉を伸ばしてくるんですよ。すごいですよね。

冷たく寒い時間を長く我慢してきてくれたので、もう少し暖かくなったら、しっかり大きくなってもらうために追肥をしてあげよう、そして畑の土が凍み上がって地表に浮いてしまったタマネギを埋め戻してあげようと思います。

多すぎる雪は確かに大変なことも多いですが、雪が降ること自体は決して悪いことばかりではないですよね。私たち農業者にとっては、この先、必ず必要になる水が周囲の山々に貯められるわけですし、また最近は「雪中○○」なんてのをニュースで聞くようになりました。

たとえば、キャベツは雪の下で半分凍りながらも寒さにあたることで甘みが増すようです。お酒は音が少なく湿度が一定な雪の中で、よりまろやかに熟成されるそうですよ。

降雪前のひと仕事とウインタースポーツの楽しみ

そして雪が降って楽しいことだってあります。それはやはりスキーやボードなどのウインタースポーツでしょう!

ここ武石地域にある番所ヶ原スキー場もたくさんの雪に恵まれ、今年はオープンの時からずっと質の良い雪を楽しむことができます。

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感染力の強いコロナが未だはびこっているので、なかなか遊びに行けない状態が続いていますが、月頃までは滑ることができると思うので、コロナが落ち着いたらぜひ、遊びに来てみてください!

そんなこんなで今回は雪の話からはじまったわけですが、降る前にはこんなともしていました。まずは、前回もお伝えしたハウスの建設。2棟建設予定のうち、1棟は完成しました。

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新しく何かができるって、いいですよねぇ。これで栽培中の病気が少なくなります。アスパラがグングン育ってくれることを想像するだけでワクワクしています。

ただ、棟目の建設は途中で雪に見舞われたため、お休み中です。

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雪が降る前にやっておきたかったことがもうひとつ。それはカボチャの畑や、新たに借りたアスパラ予定地への豚糞の散布です。水稲やアスパラの作業が終わった頃からこの作業を行います。

畑にいる微生物も、冬のこの時期は夏のように活発には動きませんが、それでも時間をかけてゆっくり分解してくれるようです。そして作物を植える頃には、その作物が吸収しやすい状態にしてくれているのです。

人工的に作りだされる肥料で栽培された作物よりも、ずっとおいしくできることから、就農以来、有機物を多く含んだ動物由来の肥料をできるだけ使うようにしています。

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ちなみに、この豚糞は「JA信州うえだ」管内で唯一養豚をやっている「タローファーム」にお願いしています。見分けがつかないくらいそっくりの双子の兄弟が跡を継ぎ、力を合わせて豚の飼育をしています。

Face Bookなどにも出ているので検索してみてください。いや、それよりも「信州タローポーク」を食べてもらったほうがいいかなぁ…。

冬こそジビエ。鹿のヒレ肉をいただく

先日、知り合いの農業者の方から突然、電話をいただきました。「おい飯島、ちょっと家まで来い!」とのこと。うかがった先に待っていたのがこれでした。

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なんの肉か、わかりますか?

鹿の肉なんです。罠にかかった鹿を見つけた時に電話をしていただいたようで、その日のうちにさばいたものだったのです。しかもこれは「ヒレ」。柔らかくて一番おいしい部位をいただいてしまいました。

 

少し前に比べるとだいぶ日が長くなりました。日中も天気の良い日はポカポカと暖かくなってきていて、確実に春が近づいてきているのだと感じます。ここ数日はたくさんの雪が降ったおかげでのんびりしていますが、そうも言っていられなくなってきました。

きっとこの雪が完全に融ける頃には、再び忙しくなること間違いなしです。

休める時にしっかりと休み、再び外での作業が始まったら「事故なく・怪我なく・病気なく」でみなさんに信州上田のおいしい作物をお届けしたいと思います。

この記事を書いた人

飯島正行さん

農業を行っている会社や農業に携わる組織で仕事をしていた飯島正行さん。そこで培った経験から「自分で農業がしたい!」と、上田市武石で就農して5年目になります。武石は水も気候も農業に適しているし、何より若手が多くにぎやかなのがいい!青年部の仲間とともに楽しい農業を目指します。

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