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月も終わりに近づいたころ、里親さんのところでも「そろそろやるかいね・・・」との声。春雪が融けた頃にお米農家がはじめるのが田んぼの畦草焼きです。草を焼くので、雨の日や強風の日はもちろんできません。ですから、その日にやるかどうかは、あくまでも状況しだいなのですけれど。 カセットコンロに使う燃料のボンベのようなものをつけたバーナーと水とを持って、いざ、出発! 今の時期は結構乾燥していて、一度ついた火は良く注意していないと・・・近くにある燃えやすいものやお隣の田んぼの畦まで焼く始末・・・になってしまいます。山菜や野草好きの方には悪いけれど、畦に出ているふきのとうやつくしんぼも丸焦げです。
去年はうちの旦那が川の脇の田んぼの畦を焼いていて、風にあおられ川原の草に燃え広がり消防隊を呼んでしまいました(汗)。結局その川原も後で焼くので結果的には良かったのですが・・・とても焦ったとか。
毎年このシーズンには畦焼きから火災発生みたいな事が何件かあるらしいので、注意の上にも注意が必要です。松川村では村内一斉草焼きなる日が決まっていて、その日は各地域の消防団が出て、村中煙モクモクで畦という畦を焼きまくります。ちょっとおそろしい光景ではありますが・・・消防団が出てくれているので安心して焼けます(ん?)。
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右半分が焼けました |
3月にはいって、本格的な野良作業シーズンに突入となったのですが・・・わたしたちは農家として独立後、はじめての本格的シーズンを迎えるわけで。でも・・・わが家には苗を育てる育苗ハウスや育苗箱、畦草を刈る刈払機や物を置く倉庫がありません。
買おうと思っても資金もありません(貯金はこれまでの3年間の生活費などで使いきってしまいました)。脱サラ組でも若い部類のわたしたちは退職金も少なく、貯金もほとんど無い状態のまま、勢いでこの世界に飛び込んでしまったために、ここで借金をするわけです。
「農家=借金」のような図式、ある程度想像していたとは言え、現実にこうなってみると、これはかなり不安。まぁ幸い、わたしたちの里親さんは「これ、使えや」「これ、やるで当分間に合わせましょう」と言ってくださるので(感謝)ちょっとした道具には不自由しませんし、トラクターや田植え機、コンバインなどの大型機械も貸していただけるので、使用料と燃料代を払うだけで、使わせていただいています。
本当に何から何までお世話になりっぱなしですが、この際背に腹は変えられないのでお言葉に甘えさせて頂いています。(本当に感謝です、必ず出世払いで)
で、その借金の話ですが、結果的にはビニールハウスの資材・潅水用ポンプ・倉庫作成用資材等の購入資金のみ借りることになりました。その資金(長野県就農支援基金)を借りる為には各見積書が3部ずつだとか、カタログのあればとか、色々細々と指示がありまして、他にも書類を書くのですが、以前に提出済みの就農計画にそったものでないといけないし、資金も当初の予定に沿う金額でないとダメで、多すぎても少なくてもいけないとか・・・う〜んハッキリ言って面倒くさい。
しかしそれもお役所のお仕事なので、言われた通りにやればすんなりですが、あれもこれもと資料集めには大変苦労しました。さらにプラスして借りる農地の借用証明書なども用意して、つい先日、書類の全てを提出しました。
田んぼでの実際の農作業も大変ですが、書類に資料にと就農準備も、いやはやとっても大変でした・・・結局は借金しないのが一番ですけれど。さぁ! これからが、いよいよわたしたちの新規就農本番がスタートです。
わくわくするけど、ちょっと怖い・・・
でもやることは、研修中と同じなんですよね。失敗が当たり前。上手くやろうと思わないで一生懸命やろうと思います。
さぁ! 幕があがったよ!