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て、わたしたちは2004年の春に長野県松川村に移住する事となりました。 まずは家探しなので里親さんのチェックしていた物件(2件)を見て、1件目は売却希望の為却下。2件目は以前喫茶店だった物件で家賃が高くて借りられそうにありませんでしたが、家主(里親さんも面識なし)になんとか連絡をとってもらい、秋の雨の中を道に迷いながら約束の時間に――なんと!――1時間以上も大遅刻したうえにオートバイで行ったものですからずぶ濡れにとなり、そんな(かわいそうな二人)を見て同情した訳では無いと思いますが、今後の収入見込みも無いわたしたちに快く、しかも格安で貸してくださる事になりました(大家さんは素敵なご夫妻。またいいご縁を頂きました)。
このお店は大家さんのお母様が生前こだわって作られたそうで、わたしたちには輝くお城に見えました。今でもお母様が見守っていてくれるような感じがして、将来農家喫茶なんてできたらいいなぁ〜と、夢をふくらませています。
こうやって無事に松川の家が決まりましたが、同じ新規就農仲間で落ち着いて住む家の見つからない友人も、まだ何人かいます。地方は格安物件が結構あるようですが、意外に地元の方は空いているのに貸さない事のほうが多いようです(わたしの知っている限りでは)。まぁ、どこから来た誰かも分からない収入の無い人に貸すなんて、そうはやすやすとできませんよね・・・でも、少しでも理解のある方が多くなるといいなぁと思います。わたしたちは本当にラッキーでした。まだお家の見つかっていない仲間たち、一生懸命やっていればきっと見てくれている人がいるからね。地道に実績積んで認めてもらえるようにがんばろう!
話がそれましたが、実はこちらに来た一年目、主人は小諸にある長野県農業大学校の基礎研修生として寮に入る事になり、4月からいきなりの「別居生活」でのスタートでした。
まだよく分からない地での一人暮らし、夜は真っ暗闇になる近所(前と裏は松林)。悲しくなるほど怖い夜。お家が広すぎて(こんなに広い家に住むのは初体験)なかなか慣れませんでした(笑)。
主人は学校で基礎研修の授業と農家研修先として、里親さんと、里親さんに紹介してもらった穂高の野菜農家・曽根原農園に通うようになり、結局は小諸と松川を行ったり来たりする一年になりました。曽根原農園はりんご栽培もやっていて2月のこの時期は大好きなりんごジュース作りがありますので、毎年お手伝いさせてもらって今回は3回目になります(お手伝い中の写真)。
この辺りの市町村では、味噌・豆腐・もち・ジュースなどを加工する施設が必ずと言っていいほど備わっています。施設は事前に予約して、当日軽トラにりんごを積んで準備万端で出発! 加工所で農園関係者全員集合! 朝九時スタート・・・りんごすり機、ビンの煮沸、大きなお釜でジュースを沸かして、熱々のビンに漉し網を通して、ジュースを口いっぱいに入れて栓をして、熱いお湯を掛け流してできあがりです。今回は三時頃までに、1リットル入り380本 一升瓶50本くらいつくりました。今年もとってもおいしいりんごジュースができましたよ!
暖かい冬で、雪が少なく、変な時期に長雨にでもなったら困るなぁ〜。農作物にとって最大影響力のお天気・・・農家の衆は、みんな不安顔です。