こんにちは!! なかがわ葡萄園・中川です。
寒い冬をくぐりぬけてようやく春のきざしをここ信州・松本でも感じることができるようになりました。
ぶどう園の地面ではこんなかわいい花が咲きはじめました。「オオイヌノフグリ」といって、直径1センチにも満たない小さな小さな花ですが、ぶどう園で春に一番早く花が咲く草なんですよ。
兵庫県から松本にIターンしてこれで4回目の冬ということになるのですが、1回目の冬は慣れていなかったこともあってただただ寒い寒い、どえらいところに来てしもたなぁ〜、空気が乾燥して顔がパリパリになりよるし、スタッドレスタイヤってえらい高いのぅ、水道凍らせてしもて水も湯も出んわぁ、雪かきなんてしたことあれへん、町中に出ても人けがないのぅ、とグチる(当時はまだ関西弁で)こともあったのですが、冬も4回目ともなると体が慣れてきただけでなく、寒い冬を気持ちの面でも楽しむ、そういう心の余裕も出てきました。
会社勤めをキッパリ辞めて「松本市新規就農者育成対策事業」にご縁があって松本でぶどうをつくり始めたのが3年前。家族親兄弟親戚友人知人元同僚上司部下に元取引先にお客さまなどなど、いろいろな方々が応援してくれた(無謀な勇気に?)おかげで、どうにかこうにかこれまでやってくることができました。感謝感謝です。
その「新規就農者育成対策事業」における研修生という3年間の身分もこれで終了し、4年目の今年から晴れて一人前の(ホント?)農業者としてのスタートをきることになりました。
なにがわからないのかわからないという状態だった1年目と比べれば、さすがに今は最低限のある程度の技術や知識が身についていることは実感できますし、ここをこうしたらもっと良くなるんでねえかな、という「ツボ」みたいな部分も、なんとなくわかりかけてきたような気もしています。
「5年目で会社勤めの時の年収に追いつく」ことをIターン新規就農の大目標のひとつに挙げているのですが、今年がその4年目。いよいよ真価・進化が問われはじめる時だと自覚しています。
ということで、今年も、頑張りまっせ!!。
さて、今月の農事録――
こちら剪定後の第1デラウェア園。約12アール。さすがにもう雪はありません。
第1と名前がついている通り、ちょうど3年前の今ごろ、わたしがはじめてお借りすることができた園です。だから自分にとっては思い入れが一番ある園なんですよ。
4年目ともなると1本1本の木の状態もしっかり頭に入っています。11本の成木に6本の若木たち、みんなみんなかわいくて仕方がありません。
さて、そのぶどうの剪定作業も予定通りに2月に終了しました。
昨年の12月からですから、かれこれ1年の1/4もの期間、剪定作業をやっていたんだ!!
3月の初仕事。
枝の棚面へのしばりつけ。
芽が出て伸びた新梢が風にあおられても大丈夫なように
しっかりと棚に枝を固定します。
続いて樹皮むき。
幹や太い枝の浮いた皮を
ペリペリッとめくってあげます。
浮いた皮と枝の間には
たまに害虫が越冬していたりするので。
ぶどうはつる性の植物なので、棚面にどうしてもこういう去年の巻きヒゲが残ります。病原菌がここで越冬していたりするので、ニッパーで丁寧に除去します。
結構根気のいる作業です。でもステンレスの棚線が一面にきれいになった光景は見事です。
うれしくなります。
しかし巻きヒゲもデラウェアのは細くて柔らかいのですが、巨峰やピオーネのは太くて硬い・・・。こちらは除去するのが本当に大変です。
剪定して切った枝は裁断機で小さく粉砕して土に帰します。
それではみなさま、ごきげんよう。
来月は「苗木定植」の様子をお届けします。