みなさんこんにちは。忙しい6月があっという間にすぎてもう7月の第2週目ですね。今年のぶどう作りも第4コーナーをまわって、いよいよ最後の直線に入ったというところでしょうか。
ようやくゴールが見えてきました。
ここは第1巨峰園。わたしのいくつかあるぶどう園のちょうど真ん中にあって、水場あり、物置小屋あり、農機格納庫あり、休憩用兼軽作業用兼思索用兼接客用テーブルイスセットありの、仕事のベース基地です。
借りて4年目になる巨峰園なのですが、ここは木の状態もとても良く、また地主さんもあれやこれやと自分によくしていただいて、いいご縁でいいところを借りれたなぁと、なにかにつけてそう感じています。中央奥の赤いマシーンは、スピードスプレアー、通称SS(エスエス)という防除(消毒)マシーン。今のシーズン、3日に一度以上のペースでどこかのぶどう園で活躍してくれています。
さて今月の農事録。
先月からの取りだめ写真でご紹介します。
デラウェア園。6月16日。
みんなでなにをやっているのかな??
そう、2回目のジベレリン処理をやっています。軸長7センチの房を再度浸漬処理します。目的は、ズバリ粒の肥大化です。粒がマッチ棒の先ぐらいになったころが適期です。ジベ液が雨で流されないように、またサッと乾くように、晴天の日に一気にやってしまうことがミソです。
赤いしずくが残るので、
ホウキで軽くしずくを掃ってあげます。
6月24日。こんなに大きくなりました。プチプチのプリプリです。
さーて、デラウェアはここからが一番大変な作業になるんですよ。摘粒(テキリュウ)、粒抜きです。粒がひしめき合うようにたくさんたくさんついているので、このまま大きくなったら粒が押しつぶされて裂果してしまいます。
そこで7月初旬の傘かけまでに何回かにわけて摘粒を行います。この日はその1回目、ハサミを使って内向きに食い込んでいる粒を落としていきます。これがけっこう大変な作業です。
こちらは巨峰。同じ6月24日です。巨峰は6月18日に1回目ジベレリン処理をやりました。6月18日には4センチ程度の長さだったのが、あっという間に9センチくらいまでになってきました。
さて、巨峰も摘粒です。この時期、デラウェアも巨峰も粒抜き作業なのでそれはそれはキツイです。
(摘粒前)粒が45以上。どう見ても多すぎなんです。
(摘粒後)最終的にできあがる房形をイメージしながら、不要の粒をハサミや指で落としていきます。残すのは粒数にして30数粒。この状態で、27日に2回目のジベレリン処理をやりました。目的はやはり、粒の肥大化です。初めは軽く摘粒しておいて2回目のジベ処理後に本摘粒をするのが一般的なのですが、わたしは初めの摘粒で99%をやっちゃいます。
巨峰。7月1日。日に日に粒が大きくなっていきます。なかなかいい感じの房ができそうです。
こちらデラウェア園。7月2日。最終の摘粒をやってます。
さわってみてパンパンに固い房を中心に、今度はピンセットを使って不要な粒を取り除き、房を両手に持ってコリコリッと回して粒を全部外向きにして形を整えます。
いやぁ、デラウェアっておそろしく手間のかかるぶどうです。
で、7月3日。デラウェアの傘かけです。この日は地元の山辺中学校の校外学習の日で、全校生徒が地域のぶどう園で傘かけの体験学習をしました。3年生2年生は去年もやっているのである程度要領はわかっているのですが、1年生ははじめての生徒がほとんど。
それでも次第に慣れてきて、みんな一生懸命よくやってくれました。こちらはたっぷり10,000房の傘かけが1日で終わって作業的に大変助かったし、生徒たちにしてみればぶどうについてみんなそれなりに何かを感じることができただろうし、毎年のことながら、なかなか良い企画だと感謝しています。
傘をかけてもらったデラ姫。
なんだかとってもうれしそう・・・
午後4時、傘かけ作業完了。
いや〜〜〜、ウレシイです!!
来月は収穫間近のデラウェアと、着色しはじめた巨峰の姿を、お見せできると思います。