暑い日が多くなってまいりました、安曇野からお届けいたします。
先月の農事録でも「例年よりも10日くらい早く生育が進んでいる」とお伝えしましたが、その状態は続いております。
昨年の作業日誌を開いてみますと、例えば第4回目の防除(消毒作業)は5月28日に行っておりましたけれど、今年は5月12日に打っております。そして次の第5回目の防除を、5月25日に行いました。
あ、それだけ見ると16日早いですね。
。。。半月って!!
1/24年って!!
もう何がなんだか。気候に翻弄されるとはこのことでございます。
りんごはどんどん育ってしまい、待てとは言えず、言っても聞かず。
この子達に合わせて、我々生産者は作業をし、最終的にお金に変わっていただくわけでございますからねえ。
古田然は考えるのを止めた
そこまで生育が早い! ということになりますと、心配になるのが作業の進捗状況。
昨年の6月(今年は半月早いので!)の農事録を見てみますと、まだまだ大急ぎで摘果作業に追われていた記憶が蘇ってまいります。
ああ、こんな状態だったな。。。
昨年の木
では今年はどうかと申しますと、実は昨年ほどの焦りはありません。
昨年の反省を生かして、早めに人を雇った。。。わけではございません。
前の年の摘果が遅れたことにより、実が少ないのでございます。
いわゆる、隔年結果というやつでございます。
実が少なければ、摘果作業もサクサクと進みます。
なんとなく体感で、昨年の3倍の速度で作業が進んでいるのではないでしょうか。
つまり、実が1/3くらいしか着いていない、ということでございます。
昨年と比べて、とても楽。
では収穫量が少なくなるのか? と聞かれれば、ほとんどの品種で、その心配は無さそうです。
もともと、かなりの数の実を摘んで、100〜50個に一つくらいの実をりんごに育て上げるわけですので、既にちょうどいいくらいの着果量になる木が多く、昨年よりは大きなりんごが収穫できるのではと期待しております。 ただ、選抜する母数が少ないので、綺麗な形のものだけを残す、というわけにはいかなそうですが。。。
シナノドルチェとトキだけは、ひどく隔年結果してしまっているため、本当に実が少なく、収穫量が激減してしまいそうで、残念です。
そしてこの隔年結果、今年少ないので、来年は、、、恐ろしくたくさんの花が咲き、実が着くことが予想されます。
昨年、摘果が遅れて実の成長に多くの養分が使われたことにより、次の年(今年)の花芽に養分が十分蓄えられませんでした。
そのため、今年はあまり花が咲かず、実が少なくなってしまったのでございます。
成長させる実が少ないとなると、成長するのは、木でございます。
現在、かなり葉っぱが大きくなり、新梢が伸びまくっております。
来年の花芽にも、十分な養分がいくことでしょう。
となると。。。
(古田然は考えるのを止めた。)
このように、1シーズンの失敗が、後の数年に響いてくるのが果樹栽培のひとつの難しさなのでございます。
なんだか暗い話になってしまいましたね。
せっかくなので、もっと暗い話をいたしましょう。暑くなってまいりましたし。
背すじが凍る定植の話
昨年、借りた真っ新の畑に、ふじやシナノゴールドの苗を定植いたしました。
第1回目の連載で、最後にご紹介した畑でございます。
昨年順調に育ち、伸びてくれておりました。
冬を越し、芽吹くはずの春。
2種類の台木を使って変則的に植えてある(ちゃんと考えがあって植えてますよ!)のですが、そのうちJM2という台木を使った木の芽吹きが大変悪い。
なんでだろうと思っていたら、多くの木が枯れてきてしまいました。
よく見たら、地面に近い部分に穴が空き、木屑のようなものが出ております。
何かの虫の入られた!!
おそらく、キクイムシ。(名前そのまま!)
もしかしたら、ヒメボクトウって蛾かもしれないし、カミキリムシかもしれませんが、多分キクイムシ。
親はこいつだと思うんだけれど、ちょっと正確なところは分かりません。
でも、被害がひどい辺りでよく見かけます。憎たらしい!
で、枯れた木を折ってみると、中の木質部を幼虫が食い荒らしております。ああ憎たらしい!
キクイムシの巣になりそうなので、枯れた木は根っこから抜いて、焼却しました。
これから大切に育てて、数年後にしっかり実を着けて欲しいと楽しみにしていたJM2台のふじとゴールドが、半分近くやられてしまいました。
数年計画が、2年目にして。。。
予定していた収入が2年先送りになったわけで、損失は。。。
(古田然は再び考えるのを止めた。)
ショックが大きく、途方に暮れてしまいます。
しかし、先輩農家と話していると、そんな失敗や挫折は誰でも経験していること。
経営者は、マイナスの出来事から自ら学んで、改善できることを自ら実践していかねば、破産してしまいますから!
本件については、このままでは隣の木もやられてしまう(生きている木でも、既に穴があるものも!)ので、ちょっと強めの殺虫剤を特別散布することにしました。
こいつの被害はそんなに無いこともあり、効く薬は防除予定に組み込んでいなかったので。
あと、絶望的な話としましては、苗木屋さんから購入して春に植えた苗がどうも良くなかったらしく、半分の50本ほど枯れたことでしょうか。
(古田然はやっぱり考えるのを止めた。)
これに関してはこちらの責任ではなさそうなのですが、同じものを来年植えなおすことになるので、こちらも収穫開始が1年遅れてしまいます。
はい、今月の絶望は、ここまで!
みんな、どうだったかな? だんだん気持ちが重くなったよね。
気持ちを切り替えて、弐七農園から楽しいお知らせ(宣伝)だよ!!
2018弐七農園りんごオーナー募集中!
(サンふじ・シナノスイート)
【りんごオーナーとは?】
1シーズン、りんごの木まるごと1本のオーナーになっていただく制度です。
その木に実ったりんごは、もちろんオーナー様のもの!
秋には畑にお越しいただき、ご自分で収穫していただきます。
管理作業は私が行い、ときどき木の様子をメールや動画にて報告いたします。
7月に選んでいただいた木のりんごがだんだん育っていく様子を感じながら、収穫を楽しみにお待ちいただけます!
【価格・収穫日】
●シナノスイート
12,000円(80個最低収量保証)/1本
2018年10月6日(土)来園・収穫(予定)
●サンふじ
25,000円(150個最低収量保証)/1本
2018年11月10日(土)来園・収穫(予定)
開園式を昨年同様、弐七祭と銘打ちまして、2018年7月21日(土)に開催予定でございます。
オーナーとなる木を選んで、看板を作っていただき、そのまま畑でBBQを楽しんでいただけます。
※時間やBBQ料金など詳細は後日ブログにてご案内いたします。
詳しくはこちら
「りんごオーナー募集」は、研修中から開催しているイベント。
オーナーの皆様が、りんごを、畑を楽しんでくださっている様子を見ることができて、本当に幸せを感じるのでございます。
弐七農園がこだわっているのは、"1本の木のオーナーになっていただく"という点。
まだ実が小さいうちに木を選びに来ていただき、その木が実をどんどん大きく育てていくところを、定期的に写真でご報告しております。
ただ単にりんごを大量に買う、たくさんりんご狩りをする、というだけでなく、りんごの成長を楽しんでいただけたら、との思いから、そんなサービスを行っています。
「こんなに大きくなったんですね!」みたいな反応をしていただけて、結構好評なのでございます。
ずくを出して、動画を撮ってみたりもしております。(今年はまだ撮ってないけど!)
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
昨年のオーナーの皆様
ぐんぐん!すくすく!まもなくひとり立ち!?
最後に、我が家の坊のコーナー。
どんどんと力が強くなり、手遊びやお話が激しくなってまいりました。
まだ伝い歩きですが、ときどき手を放してバランスをとってみようとしているので、来月は歩きだしているかもしれません。
保育園でもお兄さんお姉さんにかわいがってもらい、休みの日はときどき畑に来たり、先日は東京まで、両親の母校に連れていかれたりしております。
日々の畑・りんごの様子やもろもろは、ブログ「りんご屋さん 弐七農園」もご覧ください。
それではまた来月、お会いいたしましょう。