ユーマさんの農事録
[ユーマさんの農事録]

ミライを拓く。平成生まれ・ユーマの農事録 第10回

ユーマの農事録

 

皆さんこんにちは!ユーマです。新年明けましておめでとうございます。2017年始まって既に一週間以上が過ぎてしまいました。時間が経つのはとても早いものですね、じっとしているとこの調子であっという間に一年が過ぎてしまいそうです。今年も、昨年を上回る勢いで、バリバリと自分の為すべき仕事にチャレンジしていきたいと思う所存です。拙い記事ですが今年も皆さんにお付合いいただければ幸いです。さて、皆さんはどのような年越しだったでしょうか?僕は毎年、近所のお寺に二年参りに行き除夜の鐘を鳴らすことが恒例だったのですが、今年はうまい具合にお酒がまわったためか2016年の間に床に就いてしまいました。二年参りはできませんでしたが、久々にゆっくりとした時間を過ごすことができました。

 

地元のお米で醸した美味しい日本酒のために。
麹の次に大切な「酛(もと)」づくり

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モトを仕込む専用の部屋、モト部屋

さて、前回の農事録では日本酒造りにおける工程のひとつ、麹づくりについて書かせて頂きました。今回は酛(もと)づくりについて書きたいと思います。酛とは酒母(しゅぼ)とも呼ばれ、字のとおり、お米を発酵させるための酵母を培養した液体のことです。日本酒を醸すために、ただ同じ容器に水と麹とお米を入れただけではお酒になりません。麹の力でお米のデンプンが甘い糖分に変わったあと、それを食べてアルコールを作ってくれる微生物――酵母の力を借りなければいけないのです。酵母は花、果物、土など自然界のあらゆるところに生息していますが、日本酒造りで用いられる酵母はそれ専用に改良された菌株です。この菌株を仕込みのスケールに合わせて培養していきます。この培養がうまくいかないとお米の旨みと香り、アルコールが調和した美味しい日本酒を造ることができなくなってしまうので、毎回細心の注意を払って酛づくりに取り組んでいます。僕の通っている蔵では通常、ひとつの仕込みに200~300リットルもの量の酛を用いるため、管理がとても大変です。ですが、多くの方に地元のお米で醸した美味しい日本酒を飲んでいただく為、今日も仕込みに励みます。

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酵母を分離させるクリーンベンチ

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【モトを仕込んでいるところ1】

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【モトを仕込んでいるところ2】醪をかき混ぜながら米を投入し、酵母が増殖しやすい環境を整えます。
温度管理がとてもシビアな作業です

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モトの醪。この中で沢山の酵母が活動しています

現在、寒仕込みの真っ最中です。これから一年で最も寒くなる大寒にかけて、最もデリケートな酒造りのひとつである大吟醸の仕込みを行います。それについてはまた次回書きたいと思います。

 

この記事を書いた人

齋藤由馬さん

長野県上田市、鹿教湯温泉のほど近くでリンドウをメインとした花栽培と稲作に取り組む農家のせがれ齋藤由馬さん。
JA信州うえだ青年部の活動に励む一方で、冬は酒蔵で日本酒造り、夏はホップ栽培にも挑戦するチャレンジャーです。

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