連載※長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて8年目となる岩垂和明さん(44歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。
フゥ〜〜〜。
・・・・・・
おっと、いかんいかん。
まだまだ息を抜くには早すぎまする。
いつもならば、11月も後半になれば、
最晩生種である「サンふじ」の収穫もほとんど終わりとなるのですが、
サンふじ
今年は全般的に
1週間から10日ほど遅れてまして、
11月20日を過ぎても、まだまだ忙しい時期が続いております。
そういえば今年は紅葉も遅れ気味でしたね。
JAのりんご選果場の裏の桜並木(11月中旬)
同じく選果場裏の桜
今年は早生種のつがるから始まり、すべてが遅れ遅れでした。
なかなか終わりが見えない作業が
続いていましたが、
ようやく、ここに来てやっと、
少しだけ終わりが見えてまいりました。
そう、
始まりがあれば必ず終わりはあるものです。
実は、
足かけ4年にわたって書いてきた僕の農事録も、
来月12月をもって
最終回とすることになりました。
長かったような短かったような4年間、、、、
・・・・・・
おっと、いかんいかん。
最終回は来月で、今月はフツーにいつもの農事録となります。^^;
いやぁ、寒くなってきました。
りんごの上にたまった水も凍る季節
まぁ、2,3回はこれくらい寒い日が来ないと、「ふじ」はうまくなりませんがね。
干し柿も吊るす季節
先月までは、10月が一番忙しいと思っていましたが、(確かに10月は忙しかったが、)
11月もなかなかどうして、忙しい日々が続いています。
といっても、月の最初の方は、収穫があまり進みませんでしたがね。
その代り、、、ではないが、
東京に直売会に行っていたりした。
11月4日、恵比寿ガーデンプレイスの
マルシェジャポンにて
冒頭にも書いた通り、今年は生育が1週間から10日ほど遅れていたため、11月に入ってもすぐに収穫できなかったのです。
その結果、そのしわ寄せが月の後半にまわってきました。(-_-)
全体がこれだけ遅れたのは、僕の知る限りは初めてだったかと思います。
この仕事をやっていてつくづく思うのは、同じ年というものは1度もないということです。
更に今年は、10月以降、鳥による食害がひどくて困っております。
どうやら、いつも食い荒らすヤツらの他に、別の種類の渡り鳥がやってきているような感じなのです。
この食い方はいつものヤツら。
(同じりんごを何度も食っている)
ほんのちょっとだけキズつけていくのは
新たなヤツの手口?
ここまで食えば、ある意味お見事!
腹立たしいことに、ヤツらは大体、旨そうなりんごを中心に食ってくれます。<`ヘ´>
しかも、ヤツらに食われると、どんなにキズが小さくてもそこから腐りやすくなるため、通常の流通にのっけることができません。(-_-メ)
結局、その多くは廃棄処分に・・・
行き場のないりんごは廃棄
この仕事、毎年誰かが新しい悩みを持ってきてくれるので、飽きることがありません。--;
変なりんごにも出会えるし・・・^^;
農事録を書き始めてからの4年弱、
振り返ってみると、毎年やっていることに大きな差異はありません。
冬の間にせん定し、5月〜7月の頭ぐらいまで摘果をし、8月後半に収穫が始まる早生種のりんごから11月の晩生種のりんごまで、収穫時期に合わせて葉摘みをして、収穫する。
それでも、自然の条件は毎年違っていて、
暑かったり寒かったり、雨が続いたと思えば干ばつが続いたり、風が吹き荒れたり鳥に攻撃されたり、
まぁいろいろとありますわ。
みなさんが食べるひとつひとつのりんご達は、そんな障害をくぐりぬけて収穫され、手元に届いたものなのです。
この次にりんごを食べる時、
そんなことのほんのちょっとでも思い出してもらえれば、いいなって思います。
ということで、
最終回−1回の今月はこの辺で。
今年の冬は寒い日が続くようです。
みなさんもお体に気をつけて!
では、また来月に。(^_^)/~
バックナンバー
● オレさまの安曇野 風雲 農事録(第45回〜第1回)
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● I'm a farmer!(岩垂和明さんの個人ブログ)