「パン」は、和食というより洋食に分類されるかもしれません。しかし、菓子パン・惣菜パンは、海外ではあまり販売されておらず、日本オリジナルとも言われることを考えると、和食の一部とも言えるかもしれません。 さて、そんな「パン」にこだわり、地産地消に取り組んでいる「ソノマノ」さんに取材に伺いました。場所は、長野市鬼無里(きなさ)地区。長野県北部に位置し、長野市中心部から西へ20kmほど進んだ典型的な中山間地帯です。
お店の概観は、パン屋さんとはわかりにくいです(笑)。新しい玄関を開け中に入ると、大きな薪ストーブが温かく迎えてくれます。木をふんだんに取り入れた内装は、落ち着いた雰囲気のカフェといった感じです。店主の竹内さんは愛知県出身。Iターンで鬼無里地区に暮らし始めて10年。ソノマノは1年ほど前にオープンしています。 取材日のメニューはこちら。
取材当日は、カフェ営業日と言うこともあり、メニューの中から、石釜レーズンパン・Soup&Deli・「ちな農園」りんごジュースをいただきました。
アサリのスープ・菜の花のからしあえ・エリンギのえごま油あえ・りんごジュース、どれもおいしかったです。しかし、なんといってもパンが見た目の印象と違います。 写真では質感は伝わりにくいのですが、「やわらかい」「甘い」といった一般的なパンの印象とは反対の「かたい」「食べごたえがある」といった感じです。
話を伺うと、食材はできる限り地元産を使おうと考えたそうです。まずは、小麦粉。鬼無里産の小麦粉は、パン用のものではありません。長野の郷土食でもある「おやき」にも使われている地粉。これをベースに醗酵させますから、「やわらかい」というよりは「ぎゅっ」と詰まった食べごたえがある感じに仕上がります。もちろん、砂糖・油は使用していないので粉の香りがストレートにきます。そして、パン作りには欠かせない発酵。ソノマノさんでは、イースト菌は使用していません。鬼無里で採れる桑の実酵母を使用しています。石窯も自分たちで造れないか検討したそうです。そこで、昔、炭焼きに使っていた石窯を譲り受け、数年をかけてパン用に制作。そこで使う薪も、山の手入れからでる薪を使い、山の荒廃を防ぎます。 「地元の食材を使ってパンを作る」というのはこういうものなのかもしれません。
手作りの石窯
当日食した石窯レーズンパンは、焼き立てということもあり、外はカリカリ、中はもっちりの食感にレーズンの甘酸っぱさが広がります。しっかり味わいながらいただきました。おいしくて、お土産にも購入しました!
ライ麦のパンについてもこんな話を聞けました。ライ麦自体、国産品の収量が少ないため、地元産で賄うことは難しい。そこで、地域おこしも含め、地元で作れないかと地元農家の方の協力を得ながら取り組み中とのこと。今後が楽しみです。
店舗で購入したほかのパンを紹介します。
「シナモン&レーズンベーグル」ハムやチーズをはさんで。
カレンズのふすまクッキー・チョコのふすまクッキー (カレンズ)レーズンの品種で、種子のない小粒のぶどう (ふすま)小麦を粉にする時にできる、皮のくず チョコを除けば甘くありません。ポソポソした食感なのでお好きな飲み物とどうぞ。
「グラノーラ」シリアルの一種。ヨーグルトや牛乳をかけて朝食やおやつに。
どの商品も大変おいしくいただきました。特に、グラノーラは子どもに人気でした。 「そ(素)のままの」という意味を店名にした「ソノマノ」のパン。長野市内で購入も可能。また、ネットでも注文を受け付けています。詳しくはWebサイトをご覧ください。 手捏ねにこだわり、ずっしり重く、粉の香りがしっかりするパン、ぜひご賞味ください。
こちらは 2018.03.13 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
とど
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