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天然のスイーツなら市田柿に勝るものはない

市田柿3

お正月の松も明けて、じょじょに普段の生活に戻ってくる時期ですが、みなさん、いかがでしょうか? 定番ゆえに年末から年始に食べられた方もおいででしょうが、今回は南信州の自然が生んだ伝統食「市田柿」のお話です。

 

最高級天然スイーツ
当ブログマガジンでも取りあげたことがありますけれど、長野県の南部、飯田・下伊那地方の秋から初冬の風物詩として、干し柿作りの「柿すだれ」が見られます。家々の軒先にだだーっと一面に柿、柿、柿、柿がつるされた干し柿作りの風景です。これこそが歴史を重ねる「市田柿」(いちたがき)の柿すだれです。昔は軒下が主でしたが、最近の柿すだれの多くはビニールハウスの中でつくられます。

天竜川の川霧のおかげ
市田柿発祥の地といわれる、高森町は「霧の町」としても有名なところ。この地域を貫いて流れる天竜川の川霧は「市田柿」特有の白い粉をつけるに欠かせないものとされています。

昔は囲炉裏で焼いて甘くしていた
市田柿の来歴は600年ほど前から伊那谷に在来する渋柿が発祥であるとのことですが、その起源の詳細には諸説あります。昔は、その柿を囲炉裏などで、焼いて甘くしたものを「焼柿」と呼んでいました。

その「焼柿」を「市田柿」と改称したのが、大正10年。現在の高森町、下市田のカキ研究同好の有志が栽培から加工まで、長年に渡って研究と改善を図った末、製品として色沢・食味ともあまりにすばらしいので、一流市場へ出荷してその真価を問うことにしたことにはじまります。

そして市田柿が生まれた
その折、焼柿では名称が不適当とのことで、命名論議の末、古来から言い伝えられている発祥の地が「下市田」であることから「市田柿」とすることとなりました。ichidakaki.jpg

一面に白く粉ーー実は白い粉はブドウ糖の結晶ですがーーその白い粉の吹いた「市田柿」は、果物の少なかった古来から、格別の甘味を持つ銘菓として愛好者が多く、この季節は何かと多い酒席にも、二日酔いの解消として特に効き目ありと言われています。

使い方はいろいろ
柿はビタミンAやCが多く、しかも干し柿には腸内のバランスを整える植物繊維が大量に含まれる健康食ですし、また、古くから干し柿は砂糖の代用甘味料として煮物にも使われたり、最近では細く切ってサラダのトッピングにしたり、さらには高級菓子の材料としても用いられるようなっています。

寒さが厳しい季節だからこそ、南信州の自然と古来から伝わる人の知恵が生んだ天然のスイーツ「市田柿」を味わって、心を温めてみてください。

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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