宝酒造株式会社が手掛ける「寶CRAFT」をご存知ですか? 地域の農産物を使い、地域の特性やご当地グルメに合うよう、手間を惜しまず丁寧に作られたご当地チューハイで、2017年から販売が開始されています。関越エリアでは、栃木県のゆず、群馬県の白加賀梅とのコラボが行われていますが、このたび、長野県生まれのジューシーすぎる夏リンゴ「シナノリップ」とコラボした「寶CRAFT」 <信州シナノリップ>ができました!
「寶CRAFT」 <信州シナノリップ>の発売にあたり、宝酒造株式会社 関信越支社 長野支店長の長谷川敬三さんと、全農長野果実課の宮澤英文さんに開発秘話をお話しいただきました。
宝酒造株式会社 関信越支社 長野支店長の長谷川敬三さん(左)と、全農長野果実課の宮澤英文さん
宮澤さん 昨年のちょうど今頃に、宝酒造さんからお電話をいただきまして...。最初は「なんだろう?」と驚きましたが、このような商品ができあがって本当にありがたく思います。あらためて、「寶CRAFT」<信州シナノリップ>についてお伺いいたします。 長谷川さん 「寶CRAFT」は、ご当地の素材を使用し、素材に合うベースアルコールにこだわり、手間を惜しまず「ひとてま造り製法」で丁寧に仕上げた、地域限定のクラフトチューハイです。 今回、初めての長野県向けの商品として、県の特産品としてブランド化が推進されているシナノリップを使用させていただきました。シナノリップは、「ジューシーすぎる夏リンゴ」のキャッチコピーで、みずみずしく、甘みと酸味のバランスのとれた味わいが魅力です。「寶CRAFT」<信州シナノリップ>では、そのおいしさを余すところなく活かすため、当社が持てる技術を駆使しています。
1つ目が、"りんごスピリッツ"です。これは、りんごの皮や果肉から旨みや香りなどの成分を抽出してアルコールに溶かし込んだものです。今回は、シナノリップのストレート混濁果汁を使用していますが、それに加え"りんごスピリッツ"を使うことで、飲んだ瞬間にりんごの香りが口いっぱいに広がり、味に深みを出しています。 2つ目が、ベースとなるアルコールです。ラーメンで例えると出汁にあたると言えるでしょうか? この「寶CRAFT」では、当社独自の「樽貯蔵熟成焼酎」がお酒としての味の決め手だと考えています。 「寶CRAFT」は、ご当地グルメとも合わせていただけるような味わいを目ざしています。りんごですから、どうしても甘さが強く出ます。しかし、ただ甘いだけですと食事と合わせづらく、飲み続けることも難しいと思います。シナノリップの特徴である甘みと酸味のバランスの良さや風味は活かしつつ、お酒らしい飲み応えをお楽しみいただけるよう意識して仕上げました。
宮澤さん 私も試飲させていただきましたが、本当に「キレ」を強く感じました! りんご味のチューハイといえば、りんごジュースにアルコールが入っているようなイメージでしたが、これは甘すぎず、もう一杯飲みたくなるところが、流石だなと思いました。 長谷川さん その地域で食べられる料理と一緒にお飲みいただくことで相乗効果を発揮し、さらにおいしくなることが大事だと思います。おかげさまでお客様からの反応も良く、高い評価をいただいております。 宮澤さん 長野県には信州プレミアム牛や信州サーモンといったブランド食材をはじめ、山賊焼きなどのご当地グルメも豊富にあるので、いろいろな物と一緒に飲んでいただきたいですね。
8月上旬、あと数日で収穫を迎えるシナノリップ
宮澤さん 今回選んでいただいたシナノリップは、2018年に青果の販売が始まったばかりです。毎年20,000本前後の苗木が県下で定植されており、これから生産量がどんどん増えていく品種であります。現在、長野県はりんごの生産量は青森県に続いて第2位ですが、りんごの生産力は生産者の高齢化や異常気象の中で減少しております。そんな中、シナノリップを軸に生産・消費の両面を活気づけていこう、と事業を進めているときに今回のお話をいただき、本当にありがたく思っています。 長谷川さん 我々の業界も飲酒年齢がだんだん高齢化してきています。アルコールに接する機会の減少や、アルコールを飲んだことのないという若年層が増えてきているなかで、そういった若い人にも興味を持ってもらえるのは、りんごなのかなと。生まれてから、離乳食やすりおろしりんご、ジュースなどで誰しも慣れ親しんでいるのがりんごで、5年10年、末永く愛していただくことができるのは、長野県のオリジナル品種であるシナノリップなのではないか、と。シナノリップは販売が始まったばかりで、これからに期待、とのお話がありましたが、「寶CRAFT」も一緒に成長できたらなと考え、選ばせていただきました。 ただ、丹精込めて作られているりんごを、生果としてではなくチューハイに使うことについて、農家の皆さんがどのように評価されるのかが心配でした。 宮澤さん 農家の皆さんには果実に限らず「俺の作ったものはどう売られているのか、どのように食べられているのか」とよく聞かれます。「こんな人たちが食べていますよ」とか「この商品になっていますよ」と伝えると、皆さん喜んでくれます。今回のチューハイについても発売前に青年部の農家さんに話したら「すごいじゃん! 今日は持ってきてないの?」と興味を示していましたよ。 長谷川さん ターゲットは、青年部の皆さんのような20代後半から40代の男女としていますので、そういった反応は嬉しいですね。
宮澤さん パッケージも缶ではなく瓶で、すごく高級感があって、一般的な缶入りチューハイとは見た目も全然違う商品ですね。パッケージデザインについて実際にこだわりはありますか。 長谷川さん いくつかポイントはありますが、大事なところはシナノリップの赤いりんごですね。葉っぱを唇(リップ)の形にしたのですが、まずは手に取っていただけるよう、ちょっとした遊び心を加えました。 また、観光客や外国の方にも"長野県"ということを分かってもらえるように、長野市から望む北アルプスをイメージできる山々と、キーカラーにグリーンを使っています。農産物の安全・安心を色でイメージしたときに真っ先にグリーンを思いついたのですが、グリーンには「人を癒す力」もあるなあと。「寶CRAFT」<信州シナノリップ>を飲んでほっとしていただきたい、という想いを込めました。 宮澤さん 本当に、パッとみて長野県と分かるパッケージですね。お土産としても購入していただけそうですね。シナノリップの青果販売は8月~9月上旬頃ですが、生のりんごと一緒に並べてみても面白いかなと思っています。また、青果の販売を行っていない冬から春にかけて、このチューハイを飲んで、シナノリップに興味をもっていただき、旬の時期に実際に食べていただけると嬉しいです。 長谷川さん 私は30年ほど営業を担当していますが、できあがった商品を売るのではなく、形のないところから作るというのは初めての経験でした。大変だったこともありますが、全農様に助けていただきながら、協力して商品化ができてよかったです。 宮澤さん 長野県には、ブドウやモモ、ナシ、プルーンなど、いろいろな果実がありますので、宝酒造さんの気持ちをくすぐれるような素材を提供させていただいて、違う果実でも商品開発が実現できればと思います。
「寶CRAFT」<信州シナノリップ>は2020年1月28日から地域限定で販売中です。お見掛けの際は、ぜひ手にとってみてください。 ●販売地域 長野県、群馬県、栃木県、茨城県、新潟県 ●長野県内の取扱店 長野県A・コープ ツルヤ デリシア 綿半 タカギ酒店 ほか ●県外の取扱店 銀座NAGANO ほか ●提供店舗 欅屋びくら(長野県長野市末広町1355-5 TEL026-264-7717) 風林火山(長野県長野市南千歳町865-2 TEL050-5596-1212) Winds長野店(長野県長野市南千歳1-28-3 NCビルB1 TEL026-224-1681)ほか
こちらは 2020.02.04 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ジャスミン
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